140字小説『もう大丈夫』

安曇野レイ

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140字小説『もう大丈夫』

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私はつい最近、事故で記憶を無くした。でも家族がいるから大丈夫。
父は会社に遅刻しないよう毎朝起こしてくれる。母は美味しいご飯を作ってくれる。柴犬のジロウ、三毛猫のココはとても可愛い。
傷が癒えてきたある日、役所の人が来て言った。
「いつもお一人で大変でしょう」
一陣の風が吹き抜けた。
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