7 / 11
天狗の鼻を折る
しおりを挟む
階段を降り下の階を探しを繰り返して、地下6階まで降りた。地下に進んでいるから魔物も強くなってきている。魔物1体1体の我が強いから、群れで行動する魔物は少なくなってきた為か囲まれることはほとんどないが、万一囲まれてしまったら切り抜けられないかもしれない。
下の階への階段を探していたら、前方に魔物が1体倒れているのを見つけた。キラーハウンドだ。大型犬よりも2回りほど大きい魔物で、群れで狩りをする。非常に獰猛な魔物だ。
キラーハウンドは全身傷だらけで体の周りに血溜まりができている。お腹あたりが苦しそうに上下しているからまだ生きてはいるようだ。周りにキラーハウンドがいないから、怪我をして足手纏いと判断され捨てられたんだろう。
危険がないようにこいつを殺すのが普通だろうが、なんとなくとどめを刺す気にならなかった。
止めどなく血が流れているから手遅れかもしれないが、安い回復薬を布に染み込ませ傷口に当てる。直接かける方が効果が高いが、ぶっかけて回復薬で窒息して死んでしまったら治療の意味がない。バングルから包帯を取り出し、回復薬を染み込ませ傷口に巻きつける。
止血を済ませ、キラーハウンドを抱え見つかりにくい所に移動させる。
どうしてこいつを助けたのか、自分でもさっぱり分からない。理由はない、ただの気まぐれということにしておこう。
「ーーんな!」
鎌を背負い直し移動しようとした時、遠くから声が聞こえてきた。相当怒っている、聞き覚えのある声だ。
気になりそちらに向かおうと足を動かした時、キラーハウンドが起きあがろうと体勢を変えた。殺意は感じられないから、襲う気は無さそうだ。
「怪我してるんだからお前はここにいな。動くと傷口が広がるぞ。」
怪我をしていない部分を優しく抑え、起きあがろうとするのを阻止する。何故だかこいつには死んでほしくなかった。
私はキラーハウンドを置いて、声がした方へ走った。近づくにつれて怒号が大きくなっていく。喧嘩だろうか、何かを殴っているような音も聞こえてきた。
「お前のせいで1体逃しただろうが!どうしてくれんだ、この無能が!!」
はっきりとそう聞こえた。怒号を発している人間は、どうやらパーティの内1人に対して怒りを向けているようだ。
奴らの周りはキラーハウンドの死体だらけだ。どうやらさっきの怪我をしていた子は、こいつらから命からがら逃げた子だったみたいだ。
私は喧嘩しているパーティにバレないように、影に入って近づく。
「もうこいつ居なくて良くね??荷物持ちにしかならないし、てかバングルあるから荷物持ちいらないし。サポートも全然できない、役立たずなんか生きてるだけ無駄っしょ?邪魔よ。」
怒号とは違う、落ち着いた声が響いた。これは喧嘩や仲間割れとは違う感じだ。
私は影の中から、こっそり様子を伺う。
私と同じくらいの歳の竜人の男が壁際に尻餅をついた状態で、他の3人に囲まれていた。
「それもそうだな。いるだけ邪魔だわ。」
さっきまで怒り狂っていた男がその言葉に落ち着きを取り戻したと同時に剣を振り上げた。
あぁ、嫌だな。本当に嫌だ。
私は影から出て振り下ろされた剣を鎌で受け止めた。
面倒事に巻き込まれたくない。なるべく静かで、穏やかでいたい。見て見ぬ振りをすれば関わることなく終わったのに。なのに、飛び出してしまった。
「あ?なんだよてめぇ。お前も殺されてぇの?」
「こいつ、1階で会った痛いやつじゃん。なに邪魔してくれてんの?」
声にイラつきが戻ってきて、剣もどんどん重くなる。一度鎌を手前に引き、右側に剣を弾き構え直す。
「嫌だなぁ。怒鳴り声を聞くとさ前の事を思い出すんだよ、惨めで哀れなあの時をさ。何で邪魔するかだっけ?前の自分見てる見てるみたいで腹立つからだよ。」
相手を睨みながらそう返す。ついでに『鑑定』をして相手のLvと職業を覗く。
平均Lv40、剣士、魔導士、パラディンのパーティだ。
剣士は剣で戦い、魔導士は魔法を使って戦う。パラディンは確か、斧、大剣系の大きな武器で戦いながら仲間の治療もできる中距離型の職業だったはず。
鎌闘士の私も近距離型だから、上手く戦えたとしてもジリ貧だ。短期で一気に殺しにかかった方がいいな。
「もういいや、そこ退く気ないみたいだし。お前も邪魔。」
相手パーティも武器を構える。こっちの出方を伺っているようだ。
向こうには魔導士がいる。バレないようにスキルで魔力耐性をこっそり上げておく。念の為だ。
「無駄な時間を使いたくない。サクッと終わらせよう。」
パラディンがボソッと呟いた時、剣士とパラディン左右同時に飛びかかってきた。
私は影の中に竜人も引き摺り込み、回避する。竜人は何が起こったのか分からないようで、混乱しているみたいだ。しばらく影の中にいてもらった方がいいかもしれない。
「足元にいる!気をつけて。」
魔導士の女がそう警戒を促す。しかし、ここは明かりはあれど暗いダンジョンの中。いくらでも移動できる。私は素早く魔導士の背後に移動し、ダメージ覚悟で武器を振り上げながら影から飛び出した。このまま首を刈り取ってやる。
「炎の精霊よ、我が手に炎を。敵を焼き払え『ファイアボール』!」
「うぐ!」
魔導士の杖の先から炎の弾が出現し、腹に直撃した。動きを読まれていた。魔力耐性を上げておいたおかげで火傷程度で済んだが、かなりのダメージを喰らってしまった。魔力耐性を上げていなかったら今頃、腹が焼け爛れていただろう。
後ろに飛んで距離を取ってもいいがこれくらいの痛みなら我慢できるし、剣士、パラディンとやり合ってる後ろから魔法を撃たれては敵わないため、魔導士から先に仕留めたい。
振り上げたままの鎌を魔導士めがけて振り下ろす。さっきの一撃で勢いは潰されているが、首にダメージを入れることはできるはずだ。できれば喉を抉って詠唱できないようにしたいところだ。
「が!」
抉ることは出来なかったが、確実に首にダメージが入った。回復薬を使ってもすぐには癒えないだろう。これで少しは近距離戦に集中できる。
崩れていく魔導士の後ろから剣士が迫ってきているのが見えた。鎌の内側で剣士の体を弾き飛ばし、パラディンの方は走る。回復魔法が使える奴は潰しておきたい。
パラディンは体格が私の2回りくらい差がある。軽く飛んで振りかぶるだけでは大したダメージにならない。『跳躍』のスキルで通常時より高く飛び頭の上から振り下ろす。
振り下ろした鎌はパラディンには届かず、腹に衝撃が走り体が吹っ飛ばされる。相手がハンマーを振り抜いた姿が見える。あれにやられたのか。
体が地面に叩きつけられたが勢いが失われずそのまま転がる。中級魔法、ファイアボールと大男のハンマーフルスイングを同じ場所に受けたのは流石にきつい。腕に力を入れても起き上がれない。ここに来て実践不足を実感する。
「早かったねー!俺びっくりしちゃった。図書館にこもってるって噂だったから魔法系のやつかと思ったら、がっつり近距離型だったんだ。いっぱい魔法覚えたんでしょ?それはどうしたの?戦いで生かさなきゃなんの意味もねぇよ、なぁ?かっこいい事言いながら出てきたのにねぇ!だっさいねぇー。ギルドの人達から優しくされちゃって、調子乗ってたんでしょ?あーあ、可哀想に。」
剣士が話しながら私の体を蹴りつける。主に腹を中心に。骨が折れる音が聞こえた。さっきのハンマーで肋骨は確実に折れているし、結構危ないかもしれない。
「もういいや、飽きた。じゃあな。」
蹴り飛ばされ後方に飛ぶ。崖付近に倒れていたみたいだ。
ダンジョンの元々小さな明かりがどんどん小さくなる。体が地面に落ちない。相当な高さだ。この高さから落ちたらもう助からないだろう。
私は生を諦め意識を手放した。
下の階への階段を探していたら、前方に魔物が1体倒れているのを見つけた。キラーハウンドだ。大型犬よりも2回りほど大きい魔物で、群れで狩りをする。非常に獰猛な魔物だ。
キラーハウンドは全身傷だらけで体の周りに血溜まりができている。お腹あたりが苦しそうに上下しているからまだ生きてはいるようだ。周りにキラーハウンドがいないから、怪我をして足手纏いと判断され捨てられたんだろう。
危険がないようにこいつを殺すのが普通だろうが、なんとなくとどめを刺す気にならなかった。
止めどなく血が流れているから手遅れかもしれないが、安い回復薬を布に染み込ませ傷口に当てる。直接かける方が効果が高いが、ぶっかけて回復薬で窒息して死んでしまったら治療の意味がない。バングルから包帯を取り出し、回復薬を染み込ませ傷口に巻きつける。
止血を済ませ、キラーハウンドを抱え見つかりにくい所に移動させる。
どうしてこいつを助けたのか、自分でもさっぱり分からない。理由はない、ただの気まぐれということにしておこう。
「ーーんな!」
鎌を背負い直し移動しようとした時、遠くから声が聞こえてきた。相当怒っている、聞き覚えのある声だ。
気になりそちらに向かおうと足を動かした時、キラーハウンドが起きあがろうと体勢を変えた。殺意は感じられないから、襲う気は無さそうだ。
「怪我してるんだからお前はここにいな。動くと傷口が広がるぞ。」
怪我をしていない部分を優しく抑え、起きあがろうとするのを阻止する。何故だかこいつには死んでほしくなかった。
私はキラーハウンドを置いて、声がした方へ走った。近づくにつれて怒号が大きくなっていく。喧嘩だろうか、何かを殴っているような音も聞こえてきた。
「お前のせいで1体逃しただろうが!どうしてくれんだ、この無能が!!」
はっきりとそう聞こえた。怒号を発している人間は、どうやらパーティの内1人に対して怒りを向けているようだ。
奴らの周りはキラーハウンドの死体だらけだ。どうやらさっきの怪我をしていた子は、こいつらから命からがら逃げた子だったみたいだ。
私は喧嘩しているパーティにバレないように、影に入って近づく。
「もうこいつ居なくて良くね??荷物持ちにしかならないし、てかバングルあるから荷物持ちいらないし。サポートも全然できない、役立たずなんか生きてるだけ無駄っしょ?邪魔よ。」
怒号とは違う、落ち着いた声が響いた。これは喧嘩や仲間割れとは違う感じだ。
私は影の中から、こっそり様子を伺う。
私と同じくらいの歳の竜人の男が壁際に尻餅をついた状態で、他の3人に囲まれていた。
「それもそうだな。いるだけ邪魔だわ。」
さっきまで怒り狂っていた男がその言葉に落ち着きを取り戻したと同時に剣を振り上げた。
あぁ、嫌だな。本当に嫌だ。
私は影から出て振り下ろされた剣を鎌で受け止めた。
面倒事に巻き込まれたくない。なるべく静かで、穏やかでいたい。見て見ぬ振りをすれば関わることなく終わったのに。なのに、飛び出してしまった。
「あ?なんだよてめぇ。お前も殺されてぇの?」
「こいつ、1階で会った痛いやつじゃん。なに邪魔してくれてんの?」
声にイラつきが戻ってきて、剣もどんどん重くなる。一度鎌を手前に引き、右側に剣を弾き構え直す。
「嫌だなぁ。怒鳴り声を聞くとさ前の事を思い出すんだよ、惨めで哀れなあの時をさ。何で邪魔するかだっけ?前の自分見てる見てるみたいで腹立つからだよ。」
相手を睨みながらそう返す。ついでに『鑑定』をして相手のLvと職業を覗く。
平均Lv40、剣士、魔導士、パラディンのパーティだ。
剣士は剣で戦い、魔導士は魔法を使って戦う。パラディンは確か、斧、大剣系の大きな武器で戦いながら仲間の治療もできる中距離型の職業だったはず。
鎌闘士の私も近距離型だから、上手く戦えたとしてもジリ貧だ。短期で一気に殺しにかかった方がいいな。
「もういいや、そこ退く気ないみたいだし。お前も邪魔。」
相手パーティも武器を構える。こっちの出方を伺っているようだ。
向こうには魔導士がいる。バレないようにスキルで魔力耐性をこっそり上げておく。念の為だ。
「無駄な時間を使いたくない。サクッと終わらせよう。」
パラディンがボソッと呟いた時、剣士とパラディン左右同時に飛びかかってきた。
私は影の中に竜人も引き摺り込み、回避する。竜人は何が起こったのか分からないようで、混乱しているみたいだ。しばらく影の中にいてもらった方がいいかもしれない。
「足元にいる!気をつけて。」
魔導士の女がそう警戒を促す。しかし、ここは明かりはあれど暗いダンジョンの中。いくらでも移動できる。私は素早く魔導士の背後に移動し、ダメージ覚悟で武器を振り上げながら影から飛び出した。このまま首を刈り取ってやる。
「炎の精霊よ、我が手に炎を。敵を焼き払え『ファイアボール』!」
「うぐ!」
魔導士の杖の先から炎の弾が出現し、腹に直撃した。動きを読まれていた。魔力耐性を上げておいたおかげで火傷程度で済んだが、かなりのダメージを喰らってしまった。魔力耐性を上げていなかったら今頃、腹が焼け爛れていただろう。
後ろに飛んで距離を取ってもいいがこれくらいの痛みなら我慢できるし、剣士、パラディンとやり合ってる後ろから魔法を撃たれては敵わないため、魔導士から先に仕留めたい。
振り上げたままの鎌を魔導士めがけて振り下ろす。さっきの一撃で勢いは潰されているが、首にダメージを入れることはできるはずだ。できれば喉を抉って詠唱できないようにしたいところだ。
「が!」
抉ることは出来なかったが、確実に首にダメージが入った。回復薬を使ってもすぐには癒えないだろう。これで少しは近距離戦に集中できる。
崩れていく魔導士の後ろから剣士が迫ってきているのが見えた。鎌の内側で剣士の体を弾き飛ばし、パラディンの方は走る。回復魔法が使える奴は潰しておきたい。
パラディンは体格が私の2回りくらい差がある。軽く飛んで振りかぶるだけでは大したダメージにならない。『跳躍』のスキルで通常時より高く飛び頭の上から振り下ろす。
振り下ろした鎌はパラディンには届かず、腹に衝撃が走り体が吹っ飛ばされる。相手がハンマーを振り抜いた姿が見える。あれにやられたのか。
体が地面に叩きつけられたが勢いが失われずそのまま転がる。中級魔法、ファイアボールと大男のハンマーフルスイングを同じ場所に受けたのは流石にきつい。腕に力を入れても起き上がれない。ここに来て実践不足を実感する。
「早かったねー!俺びっくりしちゃった。図書館にこもってるって噂だったから魔法系のやつかと思ったら、がっつり近距離型だったんだ。いっぱい魔法覚えたんでしょ?それはどうしたの?戦いで生かさなきゃなんの意味もねぇよ、なぁ?かっこいい事言いながら出てきたのにねぇ!だっさいねぇー。ギルドの人達から優しくされちゃって、調子乗ってたんでしょ?あーあ、可哀想に。」
剣士が話しながら私の体を蹴りつける。主に腹を中心に。骨が折れる音が聞こえた。さっきのハンマーで肋骨は確実に折れているし、結構危ないかもしれない。
「もういいや、飽きた。じゃあな。」
蹴り飛ばされ後方に飛ぶ。崖付近に倒れていたみたいだ。
ダンジョンの元々小さな明かりがどんどん小さくなる。体が地面に落ちない。相当な高さだ。この高さから落ちたらもう助からないだろう。
私は生を諦め意識を手放した。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる