桃と竹が出逢う話

アスナ

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嫌がらせ

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雉がお鶴を家まで送った次の日のお話
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺、雉昌幸は、朝に弱い。



「あの、雉さん。いらっしゃいますか?」

コンコンとノックをされ、どっかの誰かさんに似た声が聞こえた。

「流石に起きていないですかね……。」

そうだそうだ。俺はまだ寝ていたいからとっとと帰ってくれないか?

「しょうがない人です。私が起こしてあげます。」


ン?

それはつまり?
   


“ドゴォォォォォォォォォォォォォォッッ”



その時、耳障りな音が聞こえた。
訳:家の扉と障子が勢い良く破壊された。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーー雉職場ーーー

「お前さぁ、普通この時間帯に来るか?」

確かにいつでも来いと言ったのは俺だが流石にこれはないだろう。俺は居間にアイツを座らせ、口を開いた。
家を破壊されたのは別にいい。どうせ直ぐ治るから。
それより、今は5時だ。あと二時間は寝れていれたのに、俺の睡眠を妨害した罪は重い。

「嫌がらせに決まっております故。」
「本っ当いい性格してるよなぁお前。」 
「褒め言葉として受け取っておきますね。」

この女は変人だ。
普通なら媚を売るなりなんなりしてくる物なのに、こいつは逆に俺の本性にきずいたし、その事で俺から離れたりしてこない。
俺は、そんなアイツが不思議でたまらない。
また、一見ガードが堅そうに見えるが、男の職場に警戒心を持たずに来たりと、掴めない奴だ。

「お前さ、男の職場に一人で来るか?危ないとか思わねぇの?」
「別に思いませんよ。私強いですし。」
「調子のってんなよ……?  襲うぞ。」

襲うぞ。の所だけワントーン低めに言ってみた。
萌えろ。
なのにアイツは少し驚いたように目を見開いたと思ったら

「……良いですよ?貴方なら。(怖がったりキュンっとかなると思いました?逆に襲ってやりますよ。ハッ)」

なんて。いきなり怪しげな笑みを浮かべて誘うような仕草を見せた。
なんて生意気な小娘だろうか。

「……あれ、何です?襲わないんですか?」

両手を大きく広げてキョトンと首を傾げた姿に本気で襲ってしまおうと思ったのはそっと胸にしまっておこう。

「襲わねぇよ!」
「あら、そうですか。では、私のお願い聞いてくださりますか?」
「……何。」 
「お布団用意してくれませぬか?眠りたいです。」

……解せぬ。
それは流石に駄目だと思う。俺の良心がヤメロと言っている。

「そういうのはなぁ……普通恋人がするもんだぞ?」
「え。雉さんって誰とでも一緒に寝て、恋人なんかとっかえひっかえしてるイメージしか無いんですけど。」
「いかがわしい言い方はヤメロ。」

確かに恋人をとっかえひっかえしていたのは認めるが、そんなおとがめなしに手を出すほどゲスじゃない。
そこら辺はきちんとわきまえているつもりだ。

「……気を付けます。」
「おぅ。じゃあ客用の用意するから待ってろ。余計な事すんなよ。」
「いいえ。自分で用意します、押し入れで良いんですよね?(この人はどこまで少女漫画のヒーロー要素ありまくりなんですか。)」
「俺がやるから。客にそんな事させられない。」

(俺は案外少女漫画やフラグが好きだ。
だから俺は元からの容姿+スペックを作り固めてきた。
①眉目秀麗
②長身
③外面は良いが化けの皮を剥がすと酷い
④でもたまに不器用な優しさが……
どうだ。こんなにハイスペックな奴が俺の他にいるだろうか。
④の設定を守るためにもアイツに布団を用意させてはならない!)

(おそらく少女漫画やフラグが好きな雉さんの思惑を達成させるものですか。私が用意します!)
 
ゴーン 
 
と、その時二人には始まりのゴングが鳴ったように聞こえた。

その先はまぁ、解るだろう。

殴りあいこそはしなかったが、危ない所まで行ったと思う。

結局二人とも埒があかなくて、最後はじゃんけん。
アイツ、「男のくせに女と同類ですか?www」
とか言ってきやがって。
お前が常人離れしてるんだよ。

じゃんけんに勝ったから良いけど。
俺も単純だなぁ。

そんな事を思いながら布団を敷いた。

「布団敷けたぞ。」
「はぁ、ありがとうございます。では、お休みなさい。(何私の事甘やかしてんですか。俺も単純だなぁ。……って何です!?wキャラ作りに必死なのが伝わってくるwww)」

多分俺の思ったことバレてるな。アイツは妖怪か。
取り敢えず俺も寝よ。
そっと瞼を閉じ、布団に入った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
チュンチュン    と、雀のさえずりが聞こえる。
時刻は7時。
予想通りの時間に起きれたようだ。
俺は重たいからだを起こした。
そこでやっときずいた。

アイツの姿がない。

家に帰ったか。まぁ面倒くさいから良いや、探さなくて。

「いや、そこは普通探すだろぉぉぉぉぉぉぉ!」

俺の部屋に、アイツの叫びがこだました。

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