悪役令嬢に転生してしまいましたっ!

優羅

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第四話

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「あぁ、よく分かったな」

サイハお兄様

「お兄様方は分かりやすいです」
「そうか?」

自覚なし?

「はい。とても」
「そうかな~?」

本当に自覚なしじゃないですか

「マリアが言うなら、そうなのでしょう」

ルイハお兄様…
気を使ってくれて、優しくしてくれて、仲良くしてくれて、

「それが、とても嬉しいんです…」

それのお陰で、助かった部分もかなりあるんです…
程よい距離感を保ってくれて、たまに踏み込んでくるけど、そのくらい…

「んー?なにか言った?」
「いえ、何も…」

サイハお兄様もカイお兄様も…
私が転生したのは、五歳の頃でした
もう、物心もついていたはずです
五歳の頃、階段から落っこちたらしいマリア・マーガレットは突然、私になった…
普通は違和感を覚えるはずです
なのに、何も言わなかった

〘頭を打っただけ〙

そう言って、納得していない筈なのに、仲良くしてくれて…
とても有難かった…
だから、私は、兄三人には返しきれない程の恩があるんです

「それで、本題は?」

だから、私はずっと、マリア・マーガレットで生きていくんです
死亡フラグなんかに負けません

「あぁ、実はな…」


は…?
「隣国の王子との婚約…?」

なんで?

「あぁ、元から申請は来てたらしい。婚約があるからと断っていたらしいんだか、王子が婚約破棄と言ったのが知られてな…」

え…?

「知られるにしては早くありませんか?つい、二時間程前の筈です。そんなに早く再申請が来るとは思えないのですが…」

隣国までは、早くとも七時間はかかる筈ですが…

「それが、その王子があのバカ王子の誕生日パーティーに来ていたみたいです」

へー

「それで、パーティー終了後、そのまま家に来たみたいー。今、1階にいるよー」

はぁ⁉

「えーと…会った方がいいですよね…?」

ゲームだと、こんなシーンなかったですよ⁉

「そうですね…やはり、王子が直々に来てくれている事ですし…会わないのは失礼でしょう…」

「会わせたくないな…」
「そうだねー」

え?
カイお兄様はともかく、サイハお兄様がそんな事を言うなんて珍しいですね…?

「どうしてでしょうか?」
「さっきちょっと会ったんだけど…失礼すぎる!例え箱入り王子でも、婚約申請している娘の兄には、挨拶くらいはするのが礼儀でしょ⁉」
「カイお兄様の理由は分かりましたが、サイハお兄様は?」

カイお兄様はチャラ男ですが、重度のシスコンなので、分かりますが…

「内緒だ…。絶対に教えられない…」



「そうですか…」

まぁ、

「会わないことにはお断りもできませんし、会ってまいります」

あんまり気が進まないな…
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