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十四章 不穏な空気
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「師匠に拾っていただいた日から、私はずっと師匠の家で暮らしていました。
兄弟とは学園も違っていたので、家の情報が何も入っていなかったのです。
だから、私は何も知らなかった。
ある日、私しかいないときに師匠の家に両親が訪ねてきました。
あとから知ったことなのですが、彼らは何度もそこに尋ねていたようでした。
両親は私に家に戻るように、というか神殿に行くように言ってきました。
もちろん私は嫌がったのですが、どこか鬼気迫った様子の彼らはひかなかった。
どうすればいいのかと困り果てたところに、師匠は帰ってきました。
そして、私を家の中に入れると師匠は両親と強く言いあっていました。
そこから……、そこから少しして聞こえてきたのは、何かが爆発したかのような音。
すぐに玄関に行くと、師匠が倒れていました。
どうやら父が魔法を師匠に対して使ったようでした。
そのあとのことはよく覚えていませんが、人に対し不正に魔法を使ったことで両親はつかまり爵位も剥奪されました。
兄弟が現在どこにいるかもわかりません。
師匠は一命をとりとめたのですが、その後その際の傷が原因で亡くなりました……。
バーストさんはここにいてもいいと言ってくださいましたが、事件を引き起こした身でそんなことはできず、すぐに家を出て一人で暮らし始めました。
はじめは何もできなかったのですが、私が実家にいたころも出た後もよくしてくれていた方が手伝ってくださったおかげでなんとか生活はできました。
家が取り潰しとなったためにいらなくなったものの中から馬車と、その方、馬車を使う際に御者をしてくださっているあの方だけを手元に残しほかはすべて手放しました。
そして、その後私は師匠が勧めてくださった魔術師の資格を取ったのです。
師匠が私に居場所を下さり、魔法を扱うとはどういうことなのか、教えてくださったから私は魔術師の資格を取ることができた。
それも最年少で、です。
その努力を、師匠の思いを誰も理解してはくれなかった。
何か裏で手を回したとまで言われる始末。
私が目指したものは一体何だったのかと、絶望しました。
そこを救ってくださったのが学園長だったのです。
そして学園の中に居場所をくださった……。
感謝してもしきれません。
それが私の過去です」
言い終わって、師匠は下を向く。なんて声をかけたらいいのかわからなかった。
うつむいて陰になっているところにしずくがぽたりと落ちていく。
「あなたのご家族はとても良い方たちです。
ぜひこれからも大切になさってくださいね」
ようやく顔を上げた師匠の瞳からは未だに涙がこぼれている。それでも無理に笑顔を作っていた。
「はい……!」
私はそれだけしかいうことができなかった。
師匠に、なんて声をかけたらいいのかわからないまま、私の瞳からも涙がこぼれてくる。どうして、この方はこんなにも優しく、賢い方なのにこのようなつらい思いを抱えていなければいけないのだろう。その苦しみから救ってあげたかったけど、きっとそれはおごりだ。
師匠はきっとその思いを抱えて生きることを望んでいるから。
兄弟とは学園も違っていたので、家の情報が何も入っていなかったのです。
だから、私は何も知らなかった。
ある日、私しかいないときに師匠の家に両親が訪ねてきました。
あとから知ったことなのですが、彼らは何度もそこに尋ねていたようでした。
両親は私に家に戻るように、というか神殿に行くように言ってきました。
もちろん私は嫌がったのですが、どこか鬼気迫った様子の彼らはひかなかった。
どうすればいいのかと困り果てたところに、師匠は帰ってきました。
そして、私を家の中に入れると師匠は両親と強く言いあっていました。
そこから……、そこから少しして聞こえてきたのは、何かが爆発したかのような音。
すぐに玄関に行くと、師匠が倒れていました。
どうやら父が魔法を師匠に対して使ったようでした。
そのあとのことはよく覚えていませんが、人に対し不正に魔法を使ったことで両親はつかまり爵位も剥奪されました。
兄弟が現在どこにいるかもわかりません。
師匠は一命をとりとめたのですが、その後その際の傷が原因で亡くなりました……。
バーストさんはここにいてもいいと言ってくださいましたが、事件を引き起こした身でそんなことはできず、すぐに家を出て一人で暮らし始めました。
はじめは何もできなかったのですが、私が実家にいたころも出た後もよくしてくれていた方が手伝ってくださったおかげでなんとか生活はできました。
家が取り潰しとなったためにいらなくなったものの中から馬車と、その方、馬車を使う際に御者をしてくださっているあの方だけを手元に残しほかはすべて手放しました。
そして、その後私は師匠が勧めてくださった魔術師の資格を取ったのです。
師匠が私に居場所を下さり、魔法を扱うとはどういうことなのか、教えてくださったから私は魔術師の資格を取ることができた。
それも最年少で、です。
その努力を、師匠の思いを誰も理解してはくれなかった。
何か裏で手を回したとまで言われる始末。
私が目指したものは一体何だったのかと、絶望しました。
そこを救ってくださったのが学園長だったのです。
そして学園の中に居場所をくださった……。
感謝してもしきれません。
それが私の過去です」
言い終わって、師匠は下を向く。なんて声をかけたらいいのかわからなかった。
うつむいて陰になっているところにしずくがぽたりと落ちていく。
「あなたのご家族はとても良い方たちです。
ぜひこれからも大切になさってくださいね」
ようやく顔を上げた師匠の瞳からは未だに涙がこぼれている。それでも無理に笑顔を作っていた。
「はい……!」
私はそれだけしかいうことができなかった。
師匠に、なんて声をかけたらいいのかわからないまま、私の瞳からも涙がこぼれてくる。どうして、この方はこんなにも優しく、賢い方なのにこのようなつらい思いを抱えていなければいけないのだろう。その苦しみから救ってあげたかったけど、きっとそれはおごりだ。
師匠はきっとその思いを抱えて生きることを望んでいるから。
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