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十四章 不穏な空気
229 フルト視点
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覚悟が決まったなら、行動は早い方がいい。僕は次の日にはアーネに依頼をした。騎士団の本部に帰ってこられるような転生陣を込めた石と、けがを治すための治癒の石を作ってほしいと。
アーネはやっぱりその願いをすぐに聞いてくれた。ただ、10日後には、団員分の魔法石を用意してきたときには本当に驚いた。
石に込めるということは、まず魔法陣を作り出すことから始めなくてはいけない。そのためもっと時間がかかるだろうと思っていたのだ。
そのうえ、1日に作り出せる魔石は一つとも言われている。いろいろとおかしくないか?
それを口にすると、もう空間属性も光属性もすべてオリジナル魔法陣を作っているから、という答えが返ってきた。いやいやいや。うん、もう突っ込むのは……。
え、魔力量についても出し切れるように訓練してきたから1日に複数個つくれる!? どれだけ膨大なの……。母上がアーネの小さい頃から魔力暴走がね、といっていたの冗談じゃなかったのか……。
そして魔石一個には頼んだ二つの魔法陣がどちらも入っているという。前にも二つを入れ込んで、いちどに両方の魔法陣を発動できるようにはしていたけれど、これは別々にも発動できるらしい。こんなものが作れる人は聞いたことがなかった。
会えないうちにも、アーネはこうして不可能と言われたことを可能にしていたのだ。その才能と実力はもうこの国一といっても過言ではないだろう。
それをありがたく受け取り、ペンダントの形に加工してから団員たちに配るとぽかんとしていた。
それもそうだろう。
魔法石自体配れるほど普通は作れないし、しかもそこに込められているのは治癒魔法と転送陣。
誰もが欲しいと望むものだ。
団員たちはすぐにこれを作ったのがアーネだと理解したようだが、誰もなにも言わなかった。これを頼むのに父上や僕がどれほど悩み、ここにアーネのどんな願いが込められているのか理解しているからだろう。
本当にいい仲間を持った。
その石のおかげもあり、誰もが大きなけがをすることなく平和に過ごしていたある時、ふと団員が言ったのだ。
「あのこれが正しいのかわからないのですが、この前の犯人、この石によって正気に戻った気がしたんです。
犯人は正気を失っていたようなのですが、このペンダントに触れたとたんに正気に戻って……」
それを聞いて、私は父と顔を見合わせた。治癒魔法にそんな能力があるとは聞いていない。それではまるで神殿の、聖剣のような効果ではないか、と。
半信半疑のまま、一度似た状況でそれを試してみたのだが、やはり犯人は正気に戻る。これはもしかしてアーネの魔法属性、最後の一つなのではないか、と父と話をしていた。
これが、もし神官長にばれたら……。魔術師の資格を得たことで、今はその誘いを断ることができている。しかし、もしアーネが聖剣のような力を持っているのならば、断ることはできなくなるだろう。
聖剣は神殿の管轄なのだ。
あの神官長のもとに行ったらアーネはどうなるのだろう。きっと自由に魔法を使うことはでいなくなるし、行動も制限されてしまう。それはアーネが嫌がっていたことだ。
久しぶりに家に帰れたその日、僕は父上とどうするべきか相談していた。ちょうどその時、アーネが扉をノックしたのだ。
はじめは父上があとでといったが、アーネがこうして自ら部屋を訪れるのは珍しい。
どこか引っかかって後を追いかけたのだ。
アーネはやっぱりその願いをすぐに聞いてくれた。ただ、10日後には、団員分の魔法石を用意してきたときには本当に驚いた。
石に込めるということは、まず魔法陣を作り出すことから始めなくてはいけない。そのためもっと時間がかかるだろうと思っていたのだ。
そのうえ、1日に作り出せる魔石は一つとも言われている。いろいろとおかしくないか?
それを口にすると、もう空間属性も光属性もすべてオリジナル魔法陣を作っているから、という答えが返ってきた。いやいやいや。うん、もう突っ込むのは……。
え、魔力量についても出し切れるように訓練してきたから1日に複数個つくれる!? どれだけ膨大なの……。母上がアーネの小さい頃から魔力暴走がね、といっていたの冗談じゃなかったのか……。
そして魔石一個には頼んだ二つの魔法陣がどちらも入っているという。前にも二つを入れ込んで、いちどに両方の魔法陣を発動できるようにはしていたけれど、これは別々にも発動できるらしい。こんなものが作れる人は聞いたことがなかった。
会えないうちにも、アーネはこうして不可能と言われたことを可能にしていたのだ。その才能と実力はもうこの国一といっても過言ではないだろう。
それをありがたく受け取り、ペンダントの形に加工してから団員たちに配るとぽかんとしていた。
それもそうだろう。
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誰もが欲しいと望むものだ。
団員たちはすぐにこれを作ったのがアーネだと理解したようだが、誰もなにも言わなかった。これを頼むのに父上や僕がどれほど悩み、ここにアーネのどんな願いが込められているのか理解しているからだろう。
本当にいい仲間を持った。
その石のおかげもあり、誰もが大きなけがをすることなく平和に過ごしていたある時、ふと団員が言ったのだ。
「あのこれが正しいのかわからないのですが、この前の犯人、この石によって正気に戻った気がしたんです。
犯人は正気を失っていたようなのですが、このペンダントに触れたとたんに正気に戻って……」
それを聞いて、私は父と顔を見合わせた。治癒魔法にそんな能力があるとは聞いていない。それではまるで神殿の、聖剣のような効果ではないか、と。
半信半疑のまま、一度似た状況でそれを試してみたのだが、やはり犯人は正気に戻る。これはもしかしてアーネの魔法属性、最後の一つなのではないか、と父と話をしていた。
これが、もし神官長にばれたら……。魔術師の資格を得たことで、今はその誘いを断ることができている。しかし、もしアーネが聖剣のような力を持っているのならば、断ることはできなくなるだろう。
聖剣は神殿の管轄なのだ。
あの神官長のもとに行ったらアーネはどうなるのだろう。きっと自由に魔法を使うことはでいなくなるし、行動も制限されてしまう。それはアーネが嫌がっていたことだ。
久しぶりに家に帰れたその日、僕は父上とどうするべきか相談していた。ちょうどその時、アーネが扉をノックしたのだ。
はじめは父上があとでといったが、アーネがこうして自ら部屋を訪れるのは珍しい。
どこか引っかかって後を追いかけたのだ。
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