あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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八章 テスト期間!

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「ところで、ミハルトさんは何をしに我が家へ来られるのですか?」

 そういえば、とふと気になってしまった。
 一緒に家に来ようとしていることはわかるが、何をしに?

「ああ、フルトとテスト勉強をしようかと思ってね」

「いままでされていましたっけ?」

「いや、していないよ。
 でも中等部からは実技がテスト項目に加わるからね。
 どうしても一人では対策が難しいと思ってミハルトを誘ったんだ。
 ちょうど明日明後日は休みだから泊まってもらおうと思ってね」

「そうなのですね!
 ぜひ頑張ってください」

 そっか、兄様隊は剣技とかもテスト項目に含まれるって言っていたもんね。
 そうやってテスト対策していたんだ。
 
 私がかけた言葉に二人が力強くうなずいてくれたから、きっと頑張ってくれるだろう。
 そうだ、明日はせっかくの休みだからそろそろやりたいと思っていたお菓子作りをして二人に差し入れをしようかな。
 そんなことを考えていると、家についてしまった。

 二人はさっそく兄様の部屋へと向かっている。
 なら、リュラは遊び相手がいなくなっちゃうのかな……?
 まあ、私の部屋に来たら相手をしてあげようかな。

「おかえりなさいませ、アーネ様」

 部屋に入ると、ベンネが着替えの準備をして待っていてくれた。
 明日お菓子作りをするなら、今のうちに伝えた方がいいかな。

「ベンネ、明日お菓子を作りたいの。
 厨房をお借りできるかしら?」

「明日、ですか?
 おそらく可能だとは思いますが、確認しておきますね。
 アーネ様はお菓子を作られたことがおありでしたっけ?」

「お願いね。
 うーん、でも多分大丈夫よ」

 実は前世ではよく忙しい合間に母さんと一緒に作っていたのだ。
 だからレシピがなくてもクッキーとかマフィンとかなら作れるはずだ。
 この間先生にご飯をごちそうになって、やっぱり自分でも作りたいな、と思ったのだ。
 しかし、この世界では貴族の人は自分で作ることはしないから、きっと私の発言はおかしなものなのだろう。
 でも、こうしてベンネは私のやりたいことをすんなりと受け入れてくれる。
 それはきっととてもありがたいことだ。

 
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