あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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八章 テスト期間!

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「ああ、明日からテストが終わるまでは、こちらにいらっしゃらなくて大丈夫ですよ」

 ……ああ、すっかり忘れていたのですがそろそろテストだ。
 ここでは年に二回、一度目の大型休暇の前と二回目の大型休暇の前にあるそうです。
 そう、このテストさえ終わればあとは休暇が待っている! 
 でも、最初のテストということでまだやっている内容は簡単なもの。 
 テスト勉強もそんなにやらなくても大丈夫そう。
 まあ、兄様はテスト対策が大変そうだけど……。

「オリベルトさんの成績ならば問題はないとは思いますが、ぜひ頑張ってください」

 柔らかく笑う先生に背中を押され、部屋を出ると兄様がそこに。
 最近は生徒会の活動もあり、忙しそうにされていて一緒に帰れる日とそうじゃない日があるが、もうテストが近いということで早めに終わったのかな?

「今日は一緒に帰れるのですか?」

「ああ、もう用は終わったからね。
 行こうか」

 兄様の横で話をしながら馬車へと向かうと、側には見慣れた人が立っていた。

「……ミハルト、さん?」

「久しぶりだね、アーネ嬢」

 にこりと笑うその顔は相変わらずのかっこよさ。
 そんないい笑顔を私に向けないで……。

「どうかした?」

 さすがに挙動不審だったのか、不思議そうにそう聞かれてしまった。
 ミハルトさんもこちらを心配そうに見ている。

「い、いえ。
 ただかっこいいな、と……」

 ぼーっとしていたこともあって、つい思っていたことを口に出してしまった。
 瞬間兄様の顔が固まってしまった。
 あ、これはやってしまったかも……。

「お前、もう今日は帰れ」

「か、帰れって……!
 喜んでいたのに一気にさめたわ!」

「それはよかったな……」

 兄様ははぁ、とひとつため息をつくと馬車へと乗り込んでいった。
 それに次いで私も乗り込むと、次にミハルトさんが乗り込んできた。
 あれ……?

「アーネ嬢のその反応……。
 もしかして何も話していない?」

「ああ、忘れていたな」

「相変わらずの塩対応だよな」

 二人のやり取りを聞いていて思わず、くすりと笑ってしまう。
 いつも家では見ない兄様の様子を見れるのはなんだか楽しいな。

「何か楽しいことでもあったかい?」

 そんな私の様子に兄様は首をかしげていた。

「いえ、ただ相変わらず仲がいいなって」

 私の発言に二人は顔を見合わせて、変な顔をした。
 まあ、お互いにはきっと無自覚なんだろうな……。


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