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十章 新学期
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しおりを挟む着実に文化祭に向けて様々な準備を整えている中、ようやくお茶会の開催が正式に発表されることとなった。本当はもっと前に参加人数の把握のためにも発表する予定だったのだが、まずは足元を固めてから、となってずっと伸ばされていたのだ。
まあ、発表して準備が整いませんでした、ではいろいろまずいものね。
ということで、今からその発表を行います! 事前に学級委員だけ集められて概要と日時などは伝えられている。その場だけでも結構反響が大きかったから、みんなに伝えるときはどうなるのか……。まあ、このクラスはそんなに騒がないでしょう!
「今日はオリベルトから伝えたいことがあるみたいだ」
いや、私というよりも生徒会からだからね⁉ 突っ込みたい。突っ込みたいけど我慢だ。ひとまず前に立つと一気に視線が集まる。やっぱり苦手だ。
「生徒会からの連絡です。
今年は文化祭が終わった後に、初等部にてお茶会を行います。
参加される人数を把握したいので、明後日に参加する人を聞きます」
考えておいてください、と言葉を締めくくりさっさと席に戻っていく。一拍おいて教室がざわめきだした。まあ、私のやることは終わりました!
「お茶会なんて、いつもあったのですか?」
「いえ、今回からです。
ルカさん方が入学されてきたので、どうやら交流を持たせようという話みたいです」
「そうですか……。
ありがたいような、ありがたくないような」
まあ、ありがたくないよね。だって絶対疲れるもん! 一体どれだけの人がルカさん方に集まることやら。頑張ってください、というとジト目で見られてしまった。
「あ、あの……」
おずおずと話しかけてくれたのはカンナちゃん。なんだか久しぶりに感じてしまうな。
「どうされたのですか?」
「わ、私お茶会に出られるようなドレス、持ってなくて……」
そういえばカンナちゃんは平民。貴族が参加するようなお茶会に出ようとするとどんな服を着ていけばいいかは死活問題だろう。でも、こういった問題にも対処するために時間がかかったのだ。
「大丈夫ですよ。
当日はドレスの貸し出しもあります。
言ってくだされば生徒会に伝えておきます」
って、これ全体の前で言わなくてはいけなかったのでは……。うん、まあ気になる人は自分から聞きに来るでしょう!
「ありがとうございます!
それだったらぜひ参加したいな」
「ええ、ええ!
ぜひみんなで出ましょう」
急に力説しだしたルカさんに驚きつつも、カンナちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。この準備をするのは結構大変だったみたいだけれど、良かった。
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