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十二章 学園生活2
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しおりを挟むしばらくは少ない人数を母様の隣で治していく、ということを繰り返す。慣れないうちはあまり多くの人数を治そうとすると大変だから、とのことだ。確かに魔力を消費する、というよりも体力的に疲れてしまうのだ。でも徐々に慣れてきて、今はもう少し診ることができそうだ。
そして今日。初めて一人で診ることになった。き、緊張する……。言われたところで待っていると、現れたのは前に母様と一緒に診たことがある人。ここに来る人の中ではなかなかに若い女性だ。
「こんにちは。
今日はお嬢様おひとりなのですね」
「こ、こんにちは。
はい、そうなのです」
母様を呼んできて、といわれるかな、とどきどきしながらそう答える。そんな中でもその女性はよろしくお願いします、と言ってくれた。
そして、いつものようにいくつかの質問をして今日はどの魔法陣を使おうか考えていく。力の加減とかはできないから、魔法陣選びが一番大事なのだ。今日は比較的に軽いもので大丈夫そう。軽く手を握って魔法を使う。ふわりと光が浮かぶとそのまま女性の中に吸収されていった。よし、成功だ。
「ありがとうございます」
そして帰り支度を始める女性に、ついあの、と声をかけていた。すぐに何か? とこちらを見てくれる。
「私が、一人でこうして魔法を使うのに対して、不安にはならないのですか?
お母様じゃないと、嫌だと、そう思われないのですか?」
不安を口に出してしまう。本来ならやってはいけないことなのだけれど、どうしても聞きたくなってしまったのだ。そんな私に女性はとても優しい笑みを浮かべてくれた。
「そんなこと思いませんよ。
……、私たちは奥様のことが大好きで、信頼しているのです。
そんな奥様がお嬢様が一人でも大丈夫だと判断したのならば、それを信じるだけです」
母様が信じているから。そっか、患者さんと母様の間にはそういう絆がもうあるんだね。心から母様を信じているのがちゃんとわかる。それに、とその女性は続ける。
「何回か、お嬢様に診ていただく中で、あなたも私たちに、平民にまっすぐ向き合ってくださっているのはよくわかりました。
そんなあなたを信用しない理由はないです」
え? 私を信頼、してくれている……? だって、私なんてまだ完全に子供だよ。そんな人が一人で魔法を使うのが怖くないの?
「そんな驚かなくてもいいではないですか。
奥様も、旦那様もとても優しいお方ですし、そんなお二人のもとで育ったお嬢様ですからもしかしたらその感覚すらないのかもしれませんが、平民というだけで見下す貴族は多いですから」
その一端を、確かに私も見たことがある。でも、私は絶対にそんなことしない。
「そんなことしません」
「ええ。
だから、私は、私たちはあなたを信頼しているんです」
「あり、がとう、ございます」
そのままその女性を見送る。そっか、それだけでいいんだ。
なんだか今ならあの魔法陣を完成できそうな気がする。
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