あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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十二章 学園生活2

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 魔法陣を一つ完成させられたのと、母様のもとでしっかり経験を積んだこともあり、長期休みの後からは空間魔法も覚え始めることになった。楽しみにしていたので憶えられるのはうれしいけれど、失敗するわけにはいかないという緊張感もある。その事情もあって、実は今回から場所を移動することに。

「なんだか不思議な空気感ですね」

「そうですね。
 ここは魔力の流れを強制的に断ち切りますから」

 今私たちがいるのは魔力を吸収する壁でできているらしい特殊な部屋。空間魔法のような特殊な属性はこういった部屋で練習することになっているらしい。学園にこんな部屋があったなんて……。この学園、広すぎていまだに把握できていないんだよね。

「では光魔法の時と同じようにやっていきましょう」

「はい」

 集中力がなくなると大変だからと、光魔法の時よりも一回で覚える数を減らしている。それで時間が余る日はまた魔法陣を組み立てることにしたのだ。ただ、今年もまたお茶会の準備を始めないといけない関係でなかなか時間がとりずらいんだよね。
 もちろん、もう試験は大丈夫だろうからとそちらを優先していいとのこと。でも、早く覚えて魔法石を作りたい……。ひとまずこれをすべて覚え終わるまではだめといわれてしまっているからね。

「今日はここまでにしましょうか」
 
「はい」

 無心でやっていたらいつの間にか終わっていたようだ。ただ魔力を注げばいいだけだから、つい無心になってしまうのだ。

「今日はこの後どうされますか?」

「そうですね……。
 もう少し残って魔法陣を考えたいですね」

「では戻りましょうか」
 
 ならせめて、光魔法でまた新しい魔法陣を作ってしまいたい。そう考えて言うと先生はたいてい否定しないでくれる。無理をしようとしていると止められるけれど、基本的にはこうして意思を優先してくれるのだ。

「次はどんな魔法陣を?」

「次は、これにしようかと……」

 そういってひとまず書き出す。そしてそれをじっと見てたりなさそうなところに丸を付けていく。何を入れようかな。

 いつの間にか先生の存在も忘れるほど没頭する。まだメモがないと記号がわからないのは少し情けないけれど、いずれは絶対に覚える。えっと……。

「オリベルトさん!
 もうそろそろ帰りませんと」

 肩をポンとたたかれてすっごいびっくりした! 確かにもう時間が遅くなっているし、帰らないと……。兄様が迎えに来ないと、こうしてたまについ時間を忘れてしまうんだよね。

「一応声をかけたのですが、集中されていましたね」

「すみません」

「いえ。
 気を付けて帰られてくださいね」

「はい」

 もちろんちゃんと無事に帰れました。
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