あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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十二章 学園生活2

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 ぱっと私の頭に浮かんだのは、お父様に言われたから、という言葉だった。でも、なんとなくそれをその天m口にしてはいけない。そう思った。理由なんてものがあるわけではないけれど、それでは足りないとそう思ったのだ。

「どうした、言えないのか」

「きっかけは、お父様に言われたからです」

 ならば、そう口にしようとした陛下に続きを言わせないようにですが、と言葉をかぶせる。もちろんマナー違反なのは重々承知だ。でも、この続きを言わせてはならない、そう思ったのだ。

「そのために魔法陣を学んでいき、お母様の診療所で治療をすることもありました。
 その中で、自分の意思でこの資格を取りたいと望みました。
 純粋に魔法を知るのは楽しいですし、それで誰かを助けられるのならば、と思ったのです。
 私は特に、お父様の力になりたい」

 陛下の目を見てそう言い切る。すると、今度はすぐに何かを言うことなく、考え込んでしまった。

「陛下も、ご存じでしょう?
 ニタの動きも、我々が何を心配しているのかも」

 今までずっと黙っていた先生は、急にそんなことを口にした。ニタ、ってあの人だよね。えっと、神官長! かかわりがあったなんて知らなかった。なんだか強く注意はされたけれど、結局何か言ってくることもなかったし。

「ああ……。
 アーネミリア嬢。
 もしも資格を得ることができても、魔術師としての仕事をすることは許可しない。
 そういっても、目指すか?」

 それはつまりどういうことだ? 資格はあげるけれど、活動は認めない、ってことかな。それは資格を持つ意味はあるのか?

「それでよいのですか?」

 先ほどまでの雰囲気が消えた先生がそう口にする。それでよいのですか、とはどういうことだ? 大人同士の会話過ぎて理解できないことが多い。自分のことなんだけれど、おいて行かれている感じ。

「それが一番良い手ではあるだろう。
 どのみち、まともに試験を受ければ受かるのであろうし」

 ああ、陛下は頭を抱えてしまわれた。というか、魔術師の試験ってそんなに簡単なのですか? もしかしたら受からないかもしれないのに。これで普通に落ちたらめちゃくちゃ恥ずかしいやつ。

「あの?
 私には全く話が見えてこないのですが……」

 もう我慢できない、とそう口にする。すると、何かを言おうとしてか開いた口を、結局先生は閉じてしまった。

「魔術師の資格を得れば、そなたの所属ははっきりする。
 だが、いきなり幼いそなたが活動をしてみろ。
 それを受け入れろという方が無理がある。
 それに、魔術師の資格に関して年齢制限は設けていない、つまり現状そなたの受験を拒否する理由はない」

 うーん、なんとなくわかった気がする。うん、なるほど。私は受験資格はあるし受かるだろうけれど、それに伴ういろいろな不都合の話をしていたのね。なるほど。

「だが何か、そなたの力が必要となるときのことを考えると、資格は持っていた方がいいとも思う。
 そこが、な……」

 はぁ、ともう一度ため息をつかれる陛下。何も悪いことはしていないのに、なんだか申し訳なくなってきました。



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