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十三章 学園生活3
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しおりを挟む無事に魔術師の資格を得た後は、先生からはあの妙に焦ったような感じはなくなった。結局なんであんなに焦っていたんだろう。
「それにしても、ここまで来ますとオリベルトさんの3つ目の属性がわからないのがもどかしいですね」
ある日、いつものように先生のところに行くとそんなことを言われた。もどかしい?
「ご存じかとは思いますが、魔法を学ぶのはまず自分の属性を把握していることが前提なのです。
わからないままですと、何を学んだらいいのかもわかりませんから」
確かに、今まで自分の属性に合わせて魔法陣を覚えてきた。2つ目まではもう覚えきって、最後の一つを、という気持ちなのに学ぶことをできないからもどかしいのか。でも、私じゃなくて先生がもどかしいのですね。
「まあ、できないことを言っていても仕方がないですね。
次は何をしたいですか?」
「次……。
一つの魔法石に2つの陣を付与することはできないのですか?」
実は前々から気になっていたこと。それができれば持ち運ぶ数も、必要な材料も減っていい気がするんだよね。
「2つ、ですか。
それは聞いたことがありませんね。
その2つは常に同時に発現するのですか?」
「どちらでも可能だといいですね」
そこまでいうと、うーん、と悩み始めてしまった。もしかしてありえないことだったのかな……。
「あなたなら、なんだかできる気がしますね。
時間はあるのです、挑戦してみてはどうでしょう?」
「はい!」
まずはどうやろう。えっと、光魔法を2種、同時に発動できるようにするのが簡単そう。それと、空間属性のも作ってみたい。こうしてみると、やりたいこと結構多いな。今はまだ学生で、仕事もなくあるのは生徒会の活動のみ。自由な時間が多いタイミングで資格を得られたのは結構よかったかもしれない。
魔法陣の作成自体は回路を確認するためくらいしか魔力を使わないため、余った魔力で魔石を作ることもできる。どんどん作ってくれ、と言われたので私は遠慮なく魔石を量産することにした。先生にはこれは少しずつ出していきましょうね、といい笑顔で言われたのでこくこくとうなずきました。
光属性を2種というのは、主に体調を治すものとけがを治すもののオリジナル魔法陣を作成した。少しコツをつかむことができたので、いつもよりも早く作ることができたのだ。そして石を割るときに2カ所、魔法陣を落とし込めるように割ろうとする。でも、間となるところがどうしても割れてしまうのだ。薄すぎるのかな。ガサゴソと魔石を探っていくと、小ぶりなものがいくつか見つかった。そう言えば、魔石を作成するとき、いつも結局は魔法で割れ目をくっつけていたよね。
なら、とその小ぶりなものを一つは上下が平らになるように割っていく。2つは片面が平らになるように割ってみた。そして片面だけ平らにした石のそれぞれに魔法陣をいつものように張り付ける。そして、両面を平らにした石を間に挟んでくっつける。
これ、やばい! 何も考えていなかったけど、使う魔力の量は単純に2倍。いつも一つずつしか魔石を作らないようにしていたから、結構きつい。もっと魔力量増やしたいな……。でも、ひとまず完成した……。
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