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三章 いざ、入試へ!

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 さて、今日は早くも合否発表の日だ。
 なんでも、筆記試験の優秀者は順位が張り出されるそうだが……。
 大丈夫だろうけど、とお母様が一緒に来てくれます。
 まあ、あの先生に魔法特進科受かるっていわれていたので、心配はしていませんが。

 学園に着くと、入試日以上の人混みが。
 発表時間の十分前に来たのが悪かったのかな?
 まあ、時間はまだあるから気長に待つことにした。

「これより、今年度の合格発表を行う。
 受験番号ごとに受験生のみこちらの列に並び、結果を受け取ってくれ」

 その言葉に、人々は一斉に列に並び始める。
 行動早いな~、と思いつつ私もお母様に送り出される。
 受験表を握って列に並ぶと、周りの人たちが緊張に堅くなっているのがわかった。
 この人たちに比べて、私はなんと気楽なことか、とか思っていたら、どこからか視線を感じる。

 少し周りを見渡すと、すぐに誰が見ていたのかわかった。
 とてもわかりやすく、こちらを睨んでいるのだ。
 私が気づいたのに気づくと、その人はぱっと視線をそらす。
 とても目立つ容姿をした人で、近くの女子も多少ざわついている。
 一体何だったのだろうか。

「次の方、どうぞ」

 促されて慌てて前へと進む。
 ぼーとしながら歩いていたので気が付かなかったのだが、もう自分の番だった。

「名前と番号をおしえてください」

「えっと、アーネミリア・オリベルト。
 番号は1574です」

「アーネミリア・オリベルト……。
 1574……。
 あった。
 どうぞ」

 渡されたのは何の変哲も無い茶色の封筒。
 この中に合否が書いてあるのか。

「ああ、君。
 中を見た後でいいから、バレス先生のところへ行ってくれ」

「わかりました」 

 ……バレス先生ってあの、魔力測ったときの先生だよね。
 何の用だろう。
 その前に、結果だ、結果。

 と、机の横を通り過ぎたときだった。
 合否結果を確認するために設けられたスペース、そこに筆記試験の優秀者が張り出されていた。
 おぅ、なぜその一番上にでかめの字で私の名前が書かれているのだろうか?
 あれ、もしかして一番ですか?
 横に書かれた点数はほぼ満点。
 逆にどこ間違えたっけ?

 まあ、嬉しいんだけどさ、その下にある名前!
 あれ、王族でしょ。 
 まさか、さっきの人……。

 はい、気を取り直して結果を見ていきたいと思います!
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