あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

三章 いざ、入試へ！

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　緊張しながら、そっとそーっと紙を封筒から取り出していく。
　やっぱり怖いよね？




　受験番号:1574番　
　受験者名:アーネミリア・オリベルト

　合否結果:魔法特進科　合格
　　　　　 普通特進科　合格
　　　　 　貴族科　　　合格
　　　　　 商業特進科　合格
　　　　　 
　以上の科を合格しましたことを通知したします。

　※複数の科を合格されました方へ
　合格されました科から一つの科を選んだ上で入学手続きをしてください。




　あれっ？
　なんかすごいたくさん受かってない!?
　こんなものなのかな？
　しかも特進科ばっかり。
　私って結構頭よかったんだ。

　周りでは喜んでいるひともいるが、泣いている人も悔しがっている人も大勢いる。
　やっぱり、ここは結構合格するの難しいのかな。

「おい、アーネミリア・オリベルトだな？」

　唐突に話しかけてきたのは先程こちらを睨んできたひと。
　面倒な。
　
「はい、そうですよ。
　えっと、あなたは……」

「僕の名前はルイベルト・ハッシュターンだ」

　ああ、やっぱりか……。
　つまり、この人は王子さまかよ！
　なるべくなら、関わりたくなかったんだけど……。

「あの、ルイベルト様？
　私に何のご用でしょうか？」

「そなた、オリベルト侯爵家の長女だろ？」

　なにを言いたいのかはわからないが、とりあえずうなずいておく。

「今回の試験では負けたが、次は絶対に負けないぞ！
　どこの科に入るのだ!?」

　えっ、この人何言ってるの？
　訳がわからず混乱していると、王子に似たけれど、瞳の色が違う美少女がこちらにやってきた。

「ダメでしょう、ルイ。
　アーネミリアさん、混乱していらっしゃるわ。
　ああ、初めまして、アーネミリア・オリベルトさん。
　私の名前はルカミア・ハッシュターン。
　こちらの双子の姉になりますわ。
　どうぞ、ルカと呼んで？
　アーネと呼んでいいかしら」

　なるほど、王女さまでしたか。
　ルカミア様の言葉に私はやっとのことでうなずいた。
　なぜ、私は王子と王女に囲まれているんだろう……。
　なんだかもう、疲れました。

「ルイ、今回の入試で筆記試験1位をとれなかったが悔しかったみたい。
　本当にすごいわね、アーネさん。
　ルイだって天才と呼ばれるくらい頭がいいのに」

　にこやかに笑いながら、ルカ様はそう言ってきた。
　ルイベルト様は未だにこちらを睨んでいる。

「入学したら、よろしくお願いしますね」

　そう言って、ルカ様はルイベルト様の背を押しながら去っていった。