あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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四章 お買い物

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「おまたせいたしました。
 トマトとバジルのリゾットに、エビのグラタンでございます」

 案外はやく料理が運ばれてきた。
 ほかほかとして、とてもおいしそう。
 店員さんが気を利かせてくれて、取り皿もあり、早速食べようとすると兄様にとめられてしまった。
 なんでだろ?

「アーネ、まだ熱いからもう少し冷ましてから食べようか。
 火傷でもしたら大変だ。
 とりあえず、取り分けておこう」

「フルトって、本当に妹のことになると過保護だよね。
 この光景を皆に見せたいよ」

 へー、と感心しているミハルトさん。
 兄様はいつもこんな感じなんだけど……。

「痛っ。
 ちょっと、蹴らないでよ、フルト!」

「ミハルト、うるさいから。
 黙れないなら、一緒に食べないよ」

「うわ、横暴だ」

 兄様がむくれている。   
 そんな姿しばらく見ていなかったから、純粋に驚いた。
 本当に2人は仲が良い。
 
「ほら、アーネ嬢も固まっているよ~」

「アーネ、ミハルトが言うことを気にしないでいいから」

「あの、私邪魔でしたらどこか行っていますよ?」


「「行かないでいい!」」

 あれ、そろった。
 そんなに否定されることかな?

「アーネ、ミハルトにそんな気を使わなくていいから。
 アーネを1人に何てできるわけないじゃないか」

「アーネ嬢、大人しくしてるから、そんなこともう言わないでね」

 真剣に言われて、かくりとうなずくと2人とも安心したように脱力する。
 なんでだろ?


 はい、と取り分けたリゾットを兄様からもらう。
 そして、ミハルトさんは言っていたとおり、兄様にグラタンを取り分けた。

「食べようか」

 その一言に皆にスプーンをもつ。
 リゾットを食べてみると、とてもおいしかった。
 トマトの酸味とバジルの香りが聞いている。
 チーズが入っているようで、とろとろだ。

「本当においしそうに食べるね。
 僕も一口欲しいな」

 ミハルトさんがそんなことを言ってくる。

「食べますか?」

 一口サイズにリゾットをすくって、ミハルトさんにスプーンを渡そうとすると、兄様がそれを阻止した。

「アーネ!?何をしようと?」

「えっ、ミハルトさんにリゾットを渡そうと……」

「僕が、僕がミハルトにあげるから、それは自分で食べていてくれ」

 はぁ、とぎこちなくうなずく。
 兄様はなにをそんなに必死になっているのだろうか。
 不思議には思いつつ、言われたとおり、ぱくりとスプーンを口に運んだ。
 隣では兄様がミハルトさん皿を渡している。
 ああ、それでよかったのか。
 なんだか残念そうなミハルトさんは見間違えだろうか。

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