あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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五章 学園生活 1‐1

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 翌日は兄様と二人で登校した。
 準備に多少手間取ってしまい、少し予定より出るのが遅くなってしまい、申し訳なかった。

「まだ余裕をもって学校につけるから、大丈夫だよ。
 それよりも、それをつけてくれたんだね。
 嬉しいよ」

 そう、今朝手間取ったのはこの髪飾りをつけようとしたからだ。
 髪をとかして、それだけでいいや、と思っていたのだが、結局ベンネに結ってもらった。
 その時間を考慮しなかった結果がこれだ。
 本当に申し訳ない。

 兄様と他愛のない話をしながら、学校に向かった。
 最近は兄様が忙しそうで、以前ほど話せていなかったので、ゆっくりと話せることが嬉しい。
 
「また、帰りにね。
 ああ、教室で待っていてね」

 昇降口まで歩いた後に、兄様にそう言われ、帰りも一緒に帰るのかとはっとする。
 前世では色々といそがしく、今と同じように毎日迎えに来てもらっていた。
 でも、兄弟などいなかったため、いつも広い車内に一人だった。
 同じ空間に毎日誰がいる、そう改めて認識すると少し泣きそうになってくる。

「アーネ?
 どうかした?」

 兄様の声にはっとして、私は慌ててにっこりと笑った。

「はい、また帰りに」

 約束をすると、兄様と私は反対方面に歩いていった。


「オリベルト!
 ああ、早めに来ていたのか!
 よかった」

 教室へ向かう途中、私を呼び止めたのは担任のアベ先生だった。
 なんだろう?

「昨日、伝え損ねてな。
 今大丈夫か?」

「えっ?
 あ、はい、大丈夫です」

「ちょっと、一緒にきてくれないか」

 すたすたと歩き出した先生の後を慌てて着いていく。

 少し歩いた後、たどり着いたのは学長室という札がかかった部屋だった。
 えっ、ちょっと待って?
 なんで私、さらっと学長室連れて来られているの?

「学長がオリベルトを呼んでいたんだ。
 本当に捕まえられて、よかったよ」

「あの、アベ先生?
 私、なんで学長室連れてこられているんです!?」

 まあまあ、となんの説明もされないまま、アベ先生は学長室をノックした。
 そういうの、本当にやめてほしいんだけど……。
 そんな私の声にアベ先生が答えることなく、中からの返事が聞こえてきた。
 まだ状況についていけない私をおいて、アベ先生は無情にも扉を開けた。
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