あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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五章 学園生活 1‐1

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「おはよう」

 扉を開けて、中に入っていくアベ先生の後ろを少し小さくなりながらついていく。
 確かに、先生について教室来たらこうなるよね。
 でも、恥ずかしいじゃん!?

 そそくさと昨日の席へと向かう。

「おはようございます、アーネさん。
 遅かったですね」

「おはようございます、ルカ様。
 少し用がありまして……」

 朝から色々あったから、ルカ様の顔を見るとなんだか安心する。
 アベ先生が一人ひとり名前を読み上げていくなか、抑えた声でルカ様と話がはずんでいく。

「よし、全員いるな。
 さて、今日は授業の説明を行っていくわけだが、メモ用紙とペンは持っているか?」

 教室を見渡してみるも、戸惑うような表情を浮かべているものが多い。  
 まあ、このクラス、というより特進科は実力重視で他よりも平民の家から通っている者が多い。
 高級品である紙を持っていないのも納得だ。

「持ってないやつは前、取りに来い!
 あ~、これは貴族方の寄付などで購入しているものだ。
 大切に使うように!」

 今日は紙を持ってきていない私も、前にでる。
 当たり前ではあるが、ルカ様は持っているようだ。

「じゃあ、始めるか。
 ちなみに、初等科の内は基本的には選択授業はない。
 まずはどの教科からだ?」

 前にある分厚い冊子をぱらぱらとめくりながら、アベ先生はぶつぶつと文句を言ってる。
 この先生、大丈夫か?

「じゃ、基礎教科から。
 これは、どの科も共通して履修することになる。
 語学、算学、歴史、……、あとは各自確認してくれ。
 教室はここ。
 で、ここの特別科目はまあ、魔法に関することだな。
 これが三科目。
 これはそれぞれ専用の教室で行う。
 明日辺りに学園を案内するから、それで確認してくれ。
 こんなところか。
 なにか質問は?」

 ぱっと顔を上げた先生の前で皆は必死にメモをとっている。
 何せ、先生の話す速度が早いのだ。

 大体の人が顔を上げたタイミングを見はからって、先生は始業時間などの続きを話し始めた。
 待ってくれる優しさはあるみたい。
 プリントがあれば楽なのだが、紙の無駄遣いはできないから仕方ない。
 
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