あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio

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五章 学園生活 1‐1

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    そう言えば......。
    ふと思い出したように先生は呟いた。

「昨日の石はどうしましたか?」

    石......、ああ魔力を込めた石のことかな?

「父に託しました。
    加工してもらってお兄様の誕生日に渡そうと思いまして」

「それはいい考えですね。
    オリベルト侯爵が選んだ方でしたら、預けても問題ないと思われますし」

「あの、いただいた石はとても良いものだとお父様に聞きました。
    本当に大丈夫だったのですか?」

「気になさらないでください。
    石はほかにもありますから。
    ああ、でも今後もあなたの中に過剰な魔力が貯まる前に石に移していきたいと思っています。
    ですから、今度一緒に石を探しに行きましょうか。
     その方が後のためにも良いでしょうから」

    そっか、定期的に石に魔力を移したら魔力暴走を起こさずにすむのか!
    それはとても助かる。

「お願いします!」

    石を自分でも調達できるなら、先生に対する罪悪感もなくなるでしょうし。

「では、また連絡しますね。
    それでは、今日はもう大丈夫ですよ」

    ぺこりと一礼して教室をでた。
    今日はまだ兄様がいないみたい。
    でも、どこを探せばいいのか検討もつかないな。
    こういう時は動かないに限る!

    待ち始めて数分後、兄様がやってきた。
    なんだか急いでいるようだ。

「アーネ!
    すまない、待たせたか?」

「いえ、あまり待ってませんからお気になさらないでください」

    事実を言っているのに、兄様はまだ気にしているようだ。
    むしろ昨日は私が兄様を待たせたのだから本当に気にしないでいいのにな。
    というか、遅れてきたということは何か用事があったのでは?
    そんな考えが頭をよぎるが、聞いても何も無いとしか言わないのはわかってますとも、はい。

「帰りましょう、お兄様」

「そうだね、帰ろうか」

    兄様はようやく復活したようで、通常通りに戻りましたとさ。
    つまり、今日も手を繋いでます……。
    そろそろやめて欲しいんだけどな~、これ。

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