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六章 フルトの誕生祭
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聞こえてきたのは父様の声だった。
「私だ。
そろそろパーティーを始めようかと思う。
開けてもいいか?」
「どうぞ」
扉を開けて入ってきた父様もすっかり正装になっている。
うん、かっこいい!
「ああ、アーネもこちらにいたのだな。
そろそろ時間だぞ。
もう移動していなさい」
そこまで言って、父様はじっと私を見てきた。
何か変だったかな?
「とても似合っているな」
「あ、ありがとうございます!」
うん、慣れないドレスを着たかいがあったかな!
やっぱり褒めてもらえると嬉しい。
「では、兄様。
また後程」
主役である兄様は後で会場に来ることになっているから、私たちはそれよりも前に会場にいなければいけない。
父様に言われた通り移動してしまわなければ。
失礼いたしました、と兄様の部屋を後にして私はまっすぐに会場へと向かった。
「アーネ様、会場までご案内いたしますね」
どこかで待っていてくれたベンネが、さっと現れてそう言って私の前を歩いてくれる。
相変わらず、ベンネってすごいよなと思わず感心してしまった。
ほかの侯爵家と比べるとそこまで広いわけではないようだが、それでも十分に屋敷は広い。
初めて行く会場に正直ちゃんと行きつけるだろうかと不安になっていたので、ベンネの存在はありがたかった。
会場へと近づいていくたびに人々の声が大きく聞こえるようになっていた。
あわただしく行き来する使用人も大勢いる。
私はなるべくその人たちの視界に入らないように、そっと端の方を歩いた。
会場の扉まで行くと、そこの警護についていた人が私に礼を取って扉を開けてくれた。
私は誰だかわからなかったが、向こうの方は私のことを知っていたようだ。
本当は会場に入る前に心の準備をしたかったが、まあ仕方がないか。
無理やり決意を固めて、私は人が大勢いる会場へと足を踏み入れた。
「それではいってらっしゃいませ」
「私だ。
そろそろパーティーを始めようかと思う。
開けてもいいか?」
「どうぞ」
扉を開けて入ってきた父様もすっかり正装になっている。
うん、かっこいい!
「ああ、アーネもこちらにいたのだな。
そろそろ時間だぞ。
もう移動していなさい」
そこまで言って、父様はじっと私を見てきた。
何か変だったかな?
「とても似合っているな」
「あ、ありがとうございます!」
うん、慣れないドレスを着たかいがあったかな!
やっぱり褒めてもらえると嬉しい。
「では、兄様。
また後程」
主役である兄様は後で会場に来ることになっているから、私たちはそれよりも前に会場にいなければいけない。
父様に言われた通り移動してしまわなければ。
失礼いたしました、と兄様の部屋を後にして私はまっすぐに会場へと向かった。
「アーネ様、会場までご案内いたしますね」
どこかで待っていてくれたベンネが、さっと現れてそう言って私の前を歩いてくれる。
相変わらず、ベンネってすごいよなと思わず感心してしまった。
ほかの侯爵家と比べるとそこまで広いわけではないようだが、それでも十分に屋敷は広い。
初めて行く会場に正直ちゃんと行きつけるだろうかと不安になっていたので、ベンネの存在はありがたかった。
会場へと近づいていくたびに人々の声が大きく聞こえるようになっていた。
あわただしく行き来する使用人も大勢いる。
私はなるべくその人たちの視界に入らないように、そっと端の方を歩いた。
会場の扉まで行くと、そこの警護についていた人が私に礼を取って扉を開けてくれた。
私は誰だかわからなかったが、向こうの方は私のことを知っていたようだ。
本当は会場に入る前に心の準備をしたかったが、まあ仕方がないか。
無理やり決意を固めて、私は人が大勢いる会場へと足を踏み入れた。
「それではいってらっしゃいませ」
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