150年後の敵国に転生した大将軍

mio

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2章 意外な出会い

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 訓練用のシンプルな服からフリルのついた動きにくい服に着替え、ジャケットも着る。マナーの訓練をするならば格好も似せるべきとのことだ。いちいち着替えないといけないから面倒なんだよね。

「アラン様、グレイ先生がいらっしゃいました」

「入ってもらって大丈夫」

 ちょうど準備が整ったタイミングでサイガがそう声をかけてくれる。僕の返事にサイガが扉を開けてくれた。

「こんにちは、アラミレーテ殿。
 体調は大丈夫かい?」

 開口一番体調の心配をされた。あれかな、教えてもらい始めのころよく寝込んで授業を急遽休みにしてもらったことが多かったからだよね。

「はい、今日は大丈夫です」

 今日「は」と答えてしまうあたり、なかなか自分としてもまずいとは思います。成長すれば強くなるはず! と僕も周りも思っていたわけだけど、結局そんなことはなかった。いや、まだこれから強くなるかもしれないけどさ。

「では前回の復習から」
 
 『ラルヘ』には必要なかった知識だから、こういったことは少し苦手だ。食事をするときも一口の大きさはこのくらい、こうして食べる、とか全部決まってる。バクバクと食べれたころがもう懐かしいよ。

「そういえば、今日はアラミレーテ殿に渡したいものがあったんです」

 軽く復習を終えると、先生は思い出したようにそういう。そしてカバンから取り出したのは小さな箱だった。きれいに装飾されている。思わず受け取ると、開けてみてください、と言われた。
 言われるままに開けてみると、中に入っていたのは青い石で作られたとてもきれいな花だった。

「これ、は?」

「ブローチです。
 あなたの瞳の色と同じ、サファイアで作っていただいたのです」

 ブローチ⁉ しかも宝石を使ってるってすごい高そう……。先生はどうして急にこれを? ぎょっとしながら先生を見ていると、説明をしてくれた。

「なかなか見ない見事なサファイアがあり、あなたのことを思い出したのです。
年が明けたら、アラミレーテ殿はお披露目パーティーがあるでしょう? 
 8歳のお誕生日の記念としてもらってください」

 ど、どうしよう。これ本当にもらっていいのかな? でも先生はもらってくれ、といっている。じゃあ、ここはもらうのが正解かな……。

「ありがとうございます」

 そういって大人しくもらうことにすると、はい、と先生も嬉しそうに笑った。

「でも、先生の瞳の色もきれいですよね。
 えっと、アメジスト? みたい」

 確かあっていたはず、そう思い出しながら口にすると先生はきょとんとしている。何かおかしなこと言っちゃったかな。

「ご存じ、ないんですね。
 私のような瞳は宝石にはたとえないのです。
 アラミレーテ殿のように宝石に例えるのは強い魔力の影響で瞳が輝いているもののみ。
 ご兄弟は皆さんそうですね。
 それを我々は宝石眼と呼び、宝石に例えるのです」

 そう言えば、前も魔力がどうこう言っていた気がする。あれにも意味があったのか……。ううん、なんだか難しい。えーっと、確かに兄上たちの目はキラキラしていた気がする。イシュン兄上たちはしていない。なるほど、こういう差ね。

「今後は気を付けましょうね」

「はい」

 ああ、もう。なんだかあまりわからないことが多い! 頑張って学んできたはずなのに……。『ラルヘ』の感覚でいたらいずれ家族に迷惑がかかるんじゃって思って学んでいたのに、結局穴があるんだよね。これも全部僕を甘やかすのが悪い!

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