150年後の敵国に転生した大将軍

mio

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2章 意外な出会い

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 王都へ入るための門はとても混雑している。おそらく不当に入ってくる人を防ぐためにだろうけれど、門は本当に馬車一台が通れるほどしか幅がないよね。これは確かにつまりまちゃくちゃに混む……。横には小さな門もあって、徒歩の人はそこからでも入れるみたい。現に今も馬車から降りて歩いてそちらに向かっている人もいる。
 そして、我が家の馬車も入場待ちの列に並ぶかと思ったんだけれど、列からは横にずれていく。どこに向かうんだろう?

「イシュン兄上、馬車はどこに行くのですか?」

 列はあそこですよね? と指さすとああ、とうなずく。

「あそこは一般の入り口だからね。
 大手の商会と下級貴族の門で一つ、上級貴族の門で一つまた別にあるんだよ」

 それらは台数も多いからね、と付け足す。確かに僕たちのだけでも結構な台数だ。どうやら門を分けるのは貴族を待たせない、というのと一般門の混雑を避けるためでもあるらしい。

 貴族用の門に行くと、こちらは全然並んでいない。カーボ辺境伯領は名の通り国の端の方にあるため、ほかの家はだいたいもうついているとか……。まあ、カーボ辺境伯領よりも遠いところもあるんだけれどね。

「それにしても大きい壁ですね……」
 
 馬車の中からだからか、その天井はぎりぎり見えるほど壁は高い。それが横は視界いっぱいに広がっているのだ。

「そうだね。
 これは王都をぐるりと囲っているから」

 え⁉ もしかして、とは思っていたけれど本当に囲っているとは……。それは端が見えないはずだよ。ほわぁ、と放心しているうちに手続きは済んだようで、一度止まっていた馬車が動き出す。やっと王都に入るんだ。なんだか緊張する。

「ちょっと、ごめんね」

 どんな景色が広がっているんだろう、そうどきどきしているとひょいっとイシュン兄上が身を乗り出す。すると、窓にかかっていたカーテンを閉めてしまった。こちらの方を閉めると、続いてイシュン兄上の方も閉める。

「どうしてですか⁉」

 どんな景色が広がっているのか、楽しみにしていたのに。すぐにイシュン兄上に聞くと、貴族は平民にそうそう顔を見せないんだよ、と言われてしまいました。

「じゃあ、市場とかに行かないの?」

 にぎわっている市場にも顔をだしてみたい。そう思っていたのにこれは思わぬ誤算だ。

「そもそも買い物にあまり行かないからね。
 まあ、お忍びで行く人もいるけれど、それはまた別の話かな」

「あれ、ではなぜ今まではカーテンを閉めていなかったのですか?」

 確かにたまに閉めることはあったけれど、人が通るところでカーテン開けっ放しだったところもあったはず。

「だって、ずっと閉めっぱなしだと息苦しいだろう?」

 あ、確かにそうですね。イシュン兄上の言葉に何も返すことができませんでした。

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