10 / 10
1章 日常になっていく日々
10
しおりを挟む殿下の即位式の日が正式に決まった。このあたりの時期はいつも晴れていることが多いため、天候の心配をあまりしなくていいのは楽だ。まあ、それでもいろいろと手を回さないといけないのだけれど。
この日、その付近はすべての人は仕事はお休み。まあ、騎士団や王宮に務めている人はその限りではないけれど。魔法師団は最低限の人以外はお休みだ。もう食料などその期間に必要なものの確保が始まっているらしい。特に王宮ではパーティー等もあり大量の食材を使うから大変だ、って目をまわしていた。
私はというと、本来は結界にかかわるところで仕事があったのだけれど、みんながいろいろと気を使ってくれた結果お休みとなった。王宮にはいるので、何かあったらすぐに呼んでください、と強くいってはいるけれど申し訳ない。だって、その前にヴァークとお出かけをするからと、別でお休みをもらっているんだよ? 皆快くいってらっしゃいと言ってくれたけれど、申し訳ない。
「まーた、そういうこと言って。
大丈夫、ウェルカの普段の働きが数人分だから。
むしろちゃんと休んでくれないとほかの人の仕事がそのうちなくなる」
「で、ですが……」
旅行の前日、3日ほどここを開けることもあっていつも以上に書類を引き受けると、それをこなしながらララさんが相談に乗ってくれた。いや、それを見てからそれ以上のことは聞こうか、と示したのは引き受けた書類。といってももう半分は終わっている。そんな量ではないよね?
首をかしげていると、ため息をつかれてしまった。言ってくれないとわかりませんって。今、師団の本部には人が少ない。皆即位式に向けていろんなところで活躍しているのだ。特に風魔法は重宝されているみたいで、ほぼここにはいない。私も手伝うといったのだが、いいから、とみんなに止められてしまったんだよね。
「ウェルカ、明日から旅行だろう?
今日は早く上がった方がいいんじゃないか」
「またそういうこと言いますか……」
何かと甘やかすようなことを言ってくるのは師団一の土魔法の使い手であるディアンさん。私よりも二回り年上らしく、似た年齢の子供もいるらしい。だからか私のことを子供を見る目で見てくるのだ。あまり両親に甘える、ということがなかったからかどうしたらいいのかわからなくなるんだよ……。
「そうそう。
それが終わったらもう帰りなよ」
「ううう、本当にいいんですか?」
確かにまだ準備が終わっていないからありがたいけれどさ。申し訳なさが、こう。でもいいからいいから、と二人に押し切られてしまうとうなずくことしかできませんでした。
5
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!
婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
美人な姉と『じゃない方』の私
LIN
恋愛
私には美人な姉がいる。優しくて自慢の姉だ。
そんな姉の事は大好きなのに、偶に嫌になってしまう時がある。
みんな姉を好きになる…
どうして私は『じゃない方』って呼ばれるの…?
私なんか、姉には遠く及ばない…
【短編完結】記憶なしで婚約破棄、常識的にざまあです。だってそれまずいって
鏑木 うりこ
恋愛
お慕いしておりましたのにーーー
残った記憶は強烈な悲しみだけだったけれど、私が目を開けると婚約破棄の真っ最中?!
待って待って何にも分からない!目の前の人の顔も名前も、私の腕をつかみ上げている人のことも!
うわーーうわーーどうしたらいいんだ!
メンタルつよつよ女子がふわ~り、さっくりかる~い感じの婚約破棄でざまぁしてしまった。でもメンタルつよつよなので、ザクザク切り捨てて行きます!
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
この日常が続くことは無いと分かっていても続いて欲しいと思ってしまう(´;ω;`)さぁ今度は何処からアホがやって来るのかな?王宮かなそれとも高位の貴族共かな、まぁどこでも毒ある者は自生してるものですからね。楽しみにしてます(*`・ω・)ゞ
感想ありがとうございます!
そうなんですよね…。ほのぼの書くの楽しいです(*´`)
更新ゆっくりにはなってしまいますが、書いていこうと思っています。
引き続きよろしくお願い致します。