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決まっていた運命の
諦め
しおりを挟む「…くそ!どこ行った。どうだ、そっちは見つかったか!?」
「いや見失った…チッ、おい!!向こうを探すぞ!」
敵兵達は僕らを血眼になって探していた。
リラの事を嘆く暇もなく、僕らは茂みに身をひそめる。
なんて馬鹿なんだ僕は、
もう取り返しがつかない。
「…ユーリテスト様。あの時の事を思い出して下さい。私とあなたが、城から逃げた時の事です。…もしまたあなたが捕らえられてしまっても、あの時言ったことは忘れないで下さい。」
僕の手を強く握り、ヤンは耳元でそう言った。
「…リラはもう、死んでしまったのか。……僕が殺してしまった。僕のせいだ。そんな僕が、生きていていいのかよ!」
小声ながらもヤンに問いかける。こんなこと、聞いても意味ないのに、自責が止まらない。
するとヤンは僕を強く抱き寄せた。
「…生きていて下さい。あいつのためにも、俺のためにも。」
「……っ!…うっうぅ…。」
僕は声殺しながら、静かに泣いた。
ひたすらに苦しい現状の中で、ヤンだけが救いなんだ。
僕はヤンを裏切りたくない。
また捕らえられる前に、僕はヤンに番の話をして「それでも僕はヤンを愛してる」と言っておきたい。言わなきゃヤンを裏切った事になってしまう。
___
「…ヤンに言わなくてはならない事がある。実は__ 」
そう告げようとしたその時。
「!!いたぞ!!!!あそこだ!!!」
敵兵の1人が大声を上げた。
僕らは即座に立ち上がって、またモンドールの方角に向かう。
また、なんでこんな時に!!
足をもたれさせながらも必死で駆け抜ける。逃げて逃げて逃げて…
「おい、嘘だろ。前にも兵が。」
モンドール近くの大通りに兵達がはびこっている。
これじゃ逃げられない!
すると突然、その中心の人物が声を上げた。
「…ユーリテスト!!!!貴様、俺から逃げ切れると思ったか?!逃しはしないぞ!」
あ、あれは!
「…リザルト……!くそ、あいつやっぱり来てたのか。」
と、僕より先に言ったのはヤンだった。
「…なっ、ヤン。お前…リザルトを知ってるのか?」
僕はヤンを凝視する。
すると僕に向かってこう言った。
「あいつは………私のクソ兄貴です。」
僕は思わず卒倒しそうになった。
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