僕は運命から逃れたい

先々ノアル

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3人の愛【生活編】

目覚め




僕は、今までの事を、ぼんやりと思い返す。




突如、ガルドザルクに襲われる事になった我が国からヤンと共に逃げて、捕まって。
その捕まえてきたリザルトが、運命の番で。そこからヤンが助けてくれて…どんどんヤンに惹かれて。
また逃げて、西の国カラバンから来たリラと出会って。また襲われて、僕の軽率な行動でリラに致命傷を負わせた。それで、ヤンとリザルトが兄弟で…ガルドザルクの地で過ごすことになって。


僕の寝ているベッドから、天井を見上げて思い返した。


僕は逃げてばかりだな。


それでも、リラだけは何も悪くないのに。



__バタン





こんな夜中に、僕の部屋に誰が…



「…おお!ユーリくん。夜這いに来ちゃったよ。」


この…声の主は…!


「もしかして、リラ!!お、お前!もう大丈夫なのか!?」

声のする方向に飛び起きる。
昨日治療を終えたリラが目覚めるのは明日くらいだと聞いていたので、僕は驚きを隠せなかった。

ああ。本当に良かった。


「うん!まださすがに、本調子って訳じゃないけど。…それより、ここガルドザルクだよね。ヤンとユーリくんが保護されて、俺が治療されてんのは…どういう事?」


そうだ。

まだリラは何も知らない。
撃ってきた敵側に、その傷を治療されるなんて普通じゃ有り得ないし、戸惑うのも当然だ。


僕は、ここまでの経緯をすべて話した。

すると、納得したように「はぁ…マジかぁ…」とため息をつく。


「じゃあ…俺も。護衛としてユーリくんの傍にいるよ。例えリザルトと運命の番だったとしても、君の言う通りそれが必ずじゃない。…なら、その低い可能性の中の奇跡を信じて、逃れるしか無いよね!というかユーリくんとヤれればそれで幸せk__


バコンっ



「…ってえ!!?!だ、誰だよ!」

リラが唐突に叫び、頭を抑えた。


「お前目が覚めたのか。もう少し寝てればいいものを……。というかユーリテスト様を気持ち悪い目で見んなってあれほど言ってんだろーが。殺るぞ。」

いつの間にヤンが、リラの背後から頭を殴ったようだ。

それにしても

良かったなぁ。


「騒がしいと思って来てみたら、お前がこんなはやく回復してるとは思わなかったぞ。私がいない間に全く。それと…もう、夜中だ。お前はまだ怪我人だしゆっくり休め。ユーリテスト様も疲れているでしょう。もうお休みください。」


「あ、うん。リラが元気になって良かった。ようやくぐっすり眠れそうだよ。…ほんとにごめんな。」


すると僕はリラの頬に手を伸ばしてそっと撫でる。
ふわっと香った匂いが僕を刺激したが構わない。
そのまま抱きしめる。


「あっ、ユーリくん…。大丈夫だって、俺が助けたくて助けたんだから。もう~可愛いなあ!…例え俺が死んでても、気負うことなんか無いんだよ?…俺は君のためならなんでも出来る。」

リラが抱きしめ返すと、ぱっと離れて満面の笑みで笑った。


「それより背後から殺気がするから、退散する事にするよ!!また明日ね。」


そういうとリラは軽やかに僕の部屋を去っていった。
ヤンも部屋を去っていこうとしていたが、僕が服の裾を掴んで静止させる。


「………なぁヤン。僕が、僕がΩだから。リラは惑わされてるだけなのかな。そんな忠誠を誓わせるような事…言わせたいわけじゃないんだ。」


「…違いますよ。恐らく惹かれてんですよ。貴方に。あいつは一方的でもいいと思ってるんです。からしたら邪魔すんなって感じですけど。」


思わず僕は吹き出す。


「あはは!…ねぇヤンってさ、お城にいた時は完璧な敬語で、自分の事を私って言ってたけど。なんか感情的になると俺って言ってるよね!…ははっ。おっかし~!」


僕がケラケラと笑い転げると、ヤンはふてくされていたが、少し微笑む。






「もう大丈夫そうだな…」


「…え?何か言った??」


「いえ、そろそろ私は部屋に戻ります。ユーリテスト様もお休みくださいね。」



こうしてヤンも部屋に戻って言った。




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