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しおりを挟む【Merry Christmas.
たくさんの感謝を込めて、君にこの言葉を送ろう】
『なぁ。お前今日何の予定もねぇのか?』
『うん、ない』
『じゃあ、ちょっと付き合え』
『へーい』
そんな簡単な会話で終わったLINE。
でも、俺の胸はドキドキのバクバクだ。
だって、クリスマス当日にリッキーと出かけれるなんて!
マジかよ!神さま有難う!
もう何度目かもわかんないけど、今度こそ一生分感謝する!
リッキー…力也(リキヤ)は、俺の親友だ。
俺が小学1年の時に隣に引っ越して来てから、中高一緒で。
まぁ、謂わゆる幼馴染ってやつ。
そんなリッキーは無口な所はあるけどとにかくイケメンでカッコよくて、モテる。
いや本当、ウザいくらいにモテる。
そして極め付けに凄く優しいから、これまで色んな女の子と付き合って来た。
そんな状態のリッキーに、俺はいつしかグルグル悩むようになってしまって。
「これは何だろう?」って考えて考えて考えた結果、「俺はリッキーの事が好きなんだな」って分かった。
それもただの好きじゃない、恋愛感情での〝好き〟だ。
女の子たちに嫌というほど嫉妬して、でも男の俺じゃ敵わないのを知ってるから、耐えて。
「何であんたみたいな平凡が力也と仲良いのよ」って影で言われる事もあるけど、それでも俺はリッキーの親友で、一番の理解者で、幼馴染だから。
だから、せめてこれから先もずっと……
隣じゃなくてもいいから、側にいさせて欲しいな…なんて。
そんな事を……もうずっと、思ってて。
リッキーとクリスマス一緒に過ごせんの、いつぶりなんだ!?
確か奴がモテまくる前の平和な時代…小6?が最後だったっけ?
「いっつも彼女に取られてたもんなぁ」
まぁ、付き合ってんだからしょうがねぇけどさ。
にしても、一体どうしたんだろ。
今彼女いなかったっけ?
フリー? いやそんな状態女子たちが作るなんて有り得ない…アヤちゃんと終わって、次はマミちゃん…だったっけな? それから先もいる?把握してないや。
「このやろう…俺も彼女作ろうかな……」
まぁ、この平凡顔じゃ無理だろうけど。
リッキーの隣に並ぶと更に平凡なるし。
いやいいけどさ、別に。
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