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しおりを挟むそれから色んなお店を回って、ようやく納得のいく品物を購入して。
「なぁ、まだ何かあんの?」
「あぁ……次はこっちだな」
連れて行かれた先は、何とも可愛らしいケーキ屋さん。
「お前、チョコレートのケーキ好きだよな」
「ぇ、うん、好き」
「どのチョコケーキが美味そうに見える?」
「は?」
ガラスケースの中にずらりと並べられている、小さなサンタクロースが乗ったクリスマスケーキ達。
ぇ、嘘でしょ。
まさか、その子もチョコレートケーキ好きなのか?
くそっ、悪魔め……
ズキズキと痛む胸が、どうしようもない。
なに、俺が選んだケーキをその子と一緒に食べんの?
「っ、」
やだ、俺が一緒に食べたい。
切らずに、そのままフォークでつついて幸せ食いしたい。
食べさせ合いなんてのも……してみたい。
「美味い?」「甘いね」なんて笑いながら、食べてみたい。
でもーー
「こ、これが良いと思うよっ」
パッと指差したのは、如何にも女ウケしそうな、クリームでレースが描かれてる可愛らしいケーキ。
「ふぅん…こういうのが好きなのか……」
「ばっか、そうに決まってんだろうが見てわかんねぇのかよ!」
女の子は、こういう可愛らしい見た目に弱いんだ!
お前いっぱい付き合ってるくせしてわかんねぇのかよ……
本当、不器用やろうが。
会計を済ませる大好きな背中を、泣きそうになりながら見つめた。
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