吉良先輩は笑わない

花町 シュガー

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 僕、福丸フクマル幸生は、そりゃあ運がある。
 もう自分でもびっくりするくらい。
 UFOキャッチャーで欲しいと思ったものは絶対取れるし、たまたま入ったレストランは後から調べたらすごく有名なところだったり……まぁとにかくそういうことが日常茶飯事で。

 宝くじは買いたくないんだよなぁ……あれ当たった人たちの末路って結構やばいし。
 まぁ、僕の場合は「絶対バレて利用されるだけだから手ぇ出すんじゃないわよ!」って母さんに止められてるんだけどね。

 「はぁぁ…」とため息をつきながら、放課後ひとり校門に隠れるよう張り付く。

 目線の先には ──勿論、吉良先輩だ。

 (……今日も、無表情だなぁ)

 綺麗な金髪を風に遊ばせ、周りに群がる女の子たちと整った顔で接してる。
 まるでテレビとか絵本とかから出てきたんじゃないの?ってくらいに不思議な雰囲気の、王子様みたいな人。
 でも、その王子様はこれまで一度も微笑んだことがない。

 そんな人と笑顔でツーショットとか、いやいや絶対無理だって……

 いくら僕でも、これは無理でしょ。

 なんかあわよくば的なタイミングないかなーと思いこうやって観察してるけど、あんなに可愛い子たちに話しかけられてるのにピクリとも動かない表情を見ると、これは途方も無いくらい難しいこと…なんじゃ……

 でも、出来なかったらもっとやばい罰ゲームだよな……?
 え、でもこれ以上にやばい罰ってなに? テストの答案用紙盗んでこいとか? いやいや流石にそこまでいったら犯罪でしょ……
 うそ、ちょっと待って本当にそれくらいのレベル感なの? いくらなんでもそれは酷すぎr ──


「ねぇ、ちょっと」


「ふぁい!」


 ぐるぐる考えてたままパッと顔を上げると、そこには太陽に照らされる鮮やかな金髪。

「『ふぁい!』って変な声。 
なにやってんの君。さっきから俺のこと見てたよね?」

「ぇ、」

「バレてないとでも思った?ちっちゃい体でも、あんなにガン見されてたら気づくでしょ」

「ぁ、ぁの、女の子たちは……?」

「ん? 帰ったよ。一緒に帰ろうってしつこかったけど、諦めたっぽい」

「そうなんですね……」

「うん。

でさ、君だれ?」


「ん?」


 あれ?
 なんで僕こんなナチュラルに話してんの?

 だって目の前にいるのは、学校で1番人気な王子様で──


「っ!?!?」


「えっ、その反応いまなの? 遅くない??」




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