孤高の羊王とはぐれ犬

藤間留彦

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最終話 気高き羊王と運命の番⑥

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 そうか、アルは俺を傷つけないようにと必死に本能に抗っているのだ。本当は俺の身体を触ったりしなくても良かったんだろう。Ωの身体はきっと、そういう風にできているんだろうから。

 それをアルは俺の苦しみが少しでも和らぐようにしてくれたのだ。アルは、俺が思うより俺のことが好きなのだと、実感する。
 だから、俺はアルの首に腕を回して、全てを委ねた。

「ん、ぁ……う、っあぁ……!」

 一気に奥まで貫かれて、衝撃が身体を突き抜ける。目の前にいくつもの星がちかちかと瞬き、身体が激しく震えた。アルの茎の尖端が一番奥に当たっているのが分かる。そして、そこはずっとむず痒さを覚えていた場所だった。

「……っ、ロポ……」
「あ、ぁん……あっ、ぁ」

 アルの熱い息が耳に掛かる。腰を打ち衝けられる度に、身体がびくびくと震え、恥ずかしい声が出た。そしてその動きに合わせるように腰が勝手に動き、それはまるでもっと欲しいと強請るようだった。

 ──気持ちいい、もっと欲しい。

 身体が、アルからもたらされる刺激を求めている。それ以外何も考えられない。そして自分の身体に起こっている変化に気付いたのは、それがもう止められないところまで来ている段階だった。

「ぁ、アルっ……やだっ……」

 アルは構わずに何度も激しく硬い茎を俺に突き立てた。俺は何度も押し寄せる快感に溺れそうになって、アルに必死にしがみついた。

「もぅ、止め……っ、おしっこ、でちゃ、っあぁ……!」

 一瞬頭が真っ白になる。俺の意思とは無関係に身体が激しく震えていた。そして、足の先から尻尾、頭の上まで快感が突き抜けた。

 息を整えながら、一瞬で吹っ飛んだ思考が戻ってくる。まだ熱いままの気怠い身体をゆっくりと起こし、さっき自分が快感の中吐き出したものを恐る恐る見た。
 白く濁った液体が自分の身体の上にこびりついている。

「なに、これ……」

 たまに朝出ているものだというのは分かる。未だにおねしょをしているなんて恥ずかしかったのだけれど、もしかしたら尿とは別の何かなのか?

「っ、あぅ……」

 ずるりとアルの茎が孔から抜かれると、何かが孔の辺りから垂れ落ちる感覚がした。思わずお尻を触って指にまとわりついたそれを見詰める。少し生臭く粘っこい液体だ。俺がさっき出したものと似ている。

「それは精液……子種が含まれた体液だ」

 それでこの行為の全てを理解する。Ωである俺は、アルの番になって子供を産むために連れて来られた。つまり、これは子作りのためにある行為だということ――。

「俺、アルの子供産むの?」

 身体を起こしてベッドの上に座っているアルに抱き着く。

「……嫌か?」
「んー……わかんない」

 太腿を俺の中から溢れたアルの精液が伝う。まだ硬く勃ち上がったままのアルの雄を尻の割れ目にあてがうようにして跨った。 

「けど、まだ中が熱いから、もう一回……して」

 収まらない熱と溢れ出す衝動を抑えきれずに、懇願するようにアルを見詰めた。

「あ、あぁっ……!」

 アルが両手で俺の尻を孔を拡げるようにして抱え、一気に奥まで突き挿す。まだ残っていた快感の残り火が再び炎を上げ始めた。

「ぁん……アル……っ、気持ち、いぃっ……!」

 アルに腰を抱えながら突き立てられる度に臍の真下辺りにその尖端が当たるような感覚がする。その場所を責められる度に身体がびくびくと震え、快感の波が何度も自分を襲った。

「ロポ……もう一度、出す、ぞ……」
「っ、アルぅ……しゅ、きいぃっ……!」

 激しく身体を震わせながら脱力して、そのまま意識が飛んだ。

「ロポ……」

 真後ろからアルの声が聞こえて、自分の中に感じる異物感に目を覚ました。
 気付くと、俺はベッドに伏せていて、尻を突き出しているような恰好になっていた。アルは後ろから俺に覆いかぶさるようにして、もう一度茎を俺の中に突き挿している。

「本当に、私と番になるか?」
「っ……アルの、番に……して……俺と、一緒に……居てっ……」

 と、唐突にアルが俺の首の後ろの辺りに痛みが走った。アルが強く噛んだのだ。そして、俺の一番奥に突き立てて、アルは短く息を切るとびくと身体を震わせた。
 中に放たれた精液が、アルの竿が引き抜かれると、腹に収まり切れなかったのか溢れ出る。

「ロポ……我が魂の番……」

 朦朧としながら身体を捻って俺の上に覆い被さっているアルを見上げた。アルは俺の頬を優しく指で撫でて、美しい金の瞳で俺を見詰めている。

「……愛している」

 気を失う瞬間、そう言った──ような気がした。
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