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第一章
第二話
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「──嫌です」
目の前の女性からそう冷たく告げられ、俺は一瞬たじろいだ。
俺は今まで、ドラグーンになる夢を叶えるために努力してきた。けど、自分だけで努力しても、あの二人には追いつけない事がよくわかった。
──俺は一人じゃあの二人には追いつけない。
だからといって、あの二人に追いつくために誰かに教えを乞うとはいっても、そんな人が都合よくいるわけでもなかった。
八方塞がりの状況で、まるで奇跡かの様に目の前の人物に出会ったのだ。このチャンスを逃したくない。
「そこを何とかっ!」
「嫌なものは嫌です。そもそも、私がどうして君を鍛えてあげないといけないんですか? 私が何者かも知らないのに」
そこでようやく目の前の人物の名前すら知らないことに気がついた。
「すいません。俺の名前はアレンっていいます。あなたの名前を聞いてもいいですか?」
「アレン君ですね。私の名前が知りたいですか?」
「はい」
「教えませーん。じゃあ、そういうことで」
目の前の女性は、それだけ言うと、まるで鳥の羽の様な軽やかさで建物の屋根に登った。
「は? ちょ、ちょっと待ってください!」
今まで会話していたのに、突然姿を消そうとする人物に大声で懇願する。
「悪いんですが、私は君に何かを教えるつもりはありません。そもそも、こんなか弱い乙女を捕まえて、鍛えるだの、強くなりたいだの……あまりにデリカシーに欠けると思いませんか?」
確かに失礼だったとは思うが、その言い草には納得できなかった。
俺の中では、彼女は明らかに戦闘経験がある達人だ。それも類を見ないほどの力を持っている。それほどの人物なのに、か弱い、というのには語弊がある。
「お願いします……俺にできることなら何でもします。お金を払えって言うならいくらでも払いますし、靴を舐めろと言われてもそうします。だから、強くなる方法を教えてくださいっ……」
尊厳も矜持もなく、ただ訴える。それだけしかできない自分の無力さにも腹が立つが、この機会を逃したら、俺は永遠に夢を叶える事ができない気がした。
「はあ……。アレン君でしたっけ?」
「……っ。はい」
「君はそもそも、どうして強くなりたいんですか? 見たところ、まだ若いし、努力家なのも手を見ればわかります」
指差しながら言われ、俺は自分の掌を見る。そこには今まで無我夢中で剣や槍を振っていたせいで何度も繰り返し潰れたマメや、小さな傷が沢山あった。
「……初めてです。努力してるって言ってくれた人は」
「別に慰めるために言ったんじゃありませんよ。ただ、そこまで努力できる上に、まだ若い君が、どうしてそんなに焦る必要があるんですか? 心配しなくても、少しずつですが、君はちゃんと強くなっている筈ですよ」
「……だめなんです。俺だけじゃ、どれだけ努力してもあいつに追いつけない。俺が強くなった時、あいつはもっと強くなってる。無謀でも、闇雲でも、俺はあいつに勝ちたいんです。じゃないと俺は」
「……」
「──胸を張ってドラグーンになりたいと言えないんです」
俺の言葉に、女性の瞳が揺れた気がした。
「ドラグーン……? 君はドラグーンになりたいんですか?」
「わかってます。無謀だっていうのは言われ慣れてますから。けど、諦めたくないんです」
自分で言いながら、なんだか目頭が熱くなってきた。
そうだ。俺は諦めるわけにはいかない。憧れだけでなれる物じゃないとはわかっていても、それでも夢を諦めたくない。
「あー……泣かないでください」
「泣いてません……」
「はぁ……」
屋根の上にいた女性が、地面に降りてくる。
彼女は俺の目の前で外套のフードを外すと、毛量の多い栗色の長髪を振った。
「ニーアです」
「え?」
「私の名前です。鍛えるのは嫌ですけど、名前を一方的に聞いておいて、はいさよならじゃ、流石に悪いと思って」
フードを外した彼女は、綺麗な顔をしていた。俺は小柄な方だが、それでもそこらの女性よりは身長は高い。なのに、目の前に並んでみると、ニーアの方が少し身長が高かった。
ところどころ跳ねている腰ほどまで伸びた栗色の髪に、やる気がなさそうな茶色い垂れ目が、彼女の性格を表している様だ。
「ニーアさんって言うんですね。俺はアレンです」
「それはさっき聞きました」
そうだった、と思って俺は慌てる。
「ニーアさんはどうしても俺に強くなる方法を教えてはくれませんか?」
「……はぁ。そんな子犬みたいな目で見ないで下さい」
子犬のような目と言われ、俺は自分の顔を触る。
「──わかりました。課題を出しましょう。もしも、それを達成する事ができたら、君が言うその人物に勝てるくらいまでは指導してあげます」
「え……?」
「ただ、生ぬるい試練を課す気はないですよ? どれだけ苦しくても、すぐに音を上げるようだったら、この話は無しです。君を鍛える事はないし、鍛えてくれと頼む事も金輪際許しません。どうですか?」
ニーアの言葉に、俺は思わず口を開けたまま呆けてしまった。
そんな俺を見て、ニーアはため息を吐く。
「嫌ですか? それならこの話は──」
「いや、とんでもないです! むしろ、こっちからお願います!」
俺としては渡りに船だったため、思わずニーアに飛びつかん勢いで答えてしまう。
「あ、あんまり近づかないでくれます?」
「あ、すいません。嬉しくて……」
駄目もとだったが、まさかニーアからこんな提案をしてくれるなんて思わなかった。
最初はどこか適当で冷たい人なのかと思っていたが、もしかしたらニーアは意外にも人情深いのだろうか。
「試練の内容を伝えます。明日、太陽が真上に来た時から日没まで私は君から逃げます。それを捕まえるだけです」
「逃げる……?」
鬼ごっこの様な物だろうか。
「ええ。ただ、そのままやったら絶対に不可能なので、少しだけハンデをあげましょう。範囲は王都の下町のみ。そして君の体が、私の外套に触れたら、それで達成としましょう」
「それだけでいいんですか?」
それでは簡単すぎないだろうか。外套に触れるだけなら、正直な話、誰でも出来そうだ。
「簡単だと思うならそれで文句は無いみたいですね。それじゃ、また明日、太陽が真上に登った時、ここで会いましょう」
鼻で笑うような態度のニーアに少し訝しげに思ったが、わざわざ自分から条件を厳しくする必要はない。
俺はニーアの言葉に素直に頷いた。
目の前の女性からそう冷たく告げられ、俺は一瞬たじろいだ。
俺は今まで、ドラグーンになる夢を叶えるために努力してきた。けど、自分だけで努力しても、あの二人には追いつけない事がよくわかった。
──俺は一人じゃあの二人には追いつけない。
だからといって、あの二人に追いつくために誰かに教えを乞うとはいっても、そんな人が都合よくいるわけでもなかった。
八方塞がりの状況で、まるで奇跡かの様に目の前の人物に出会ったのだ。このチャンスを逃したくない。
「そこを何とかっ!」
「嫌なものは嫌です。そもそも、私がどうして君を鍛えてあげないといけないんですか? 私が何者かも知らないのに」
そこでようやく目の前の人物の名前すら知らないことに気がついた。
「すいません。俺の名前はアレンっていいます。あなたの名前を聞いてもいいですか?」
「アレン君ですね。私の名前が知りたいですか?」
「はい」
「教えませーん。じゃあ、そういうことで」
目の前の女性は、それだけ言うと、まるで鳥の羽の様な軽やかさで建物の屋根に登った。
「は? ちょ、ちょっと待ってください!」
今まで会話していたのに、突然姿を消そうとする人物に大声で懇願する。
「悪いんですが、私は君に何かを教えるつもりはありません。そもそも、こんなか弱い乙女を捕まえて、鍛えるだの、強くなりたいだの……あまりにデリカシーに欠けると思いませんか?」
確かに失礼だったとは思うが、その言い草には納得できなかった。
俺の中では、彼女は明らかに戦闘経験がある達人だ。それも類を見ないほどの力を持っている。それほどの人物なのに、か弱い、というのには語弊がある。
「お願いします……俺にできることなら何でもします。お金を払えって言うならいくらでも払いますし、靴を舐めろと言われてもそうします。だから、強くなる方法を教えてくださいっ……」
尊厳も矜持もなく、ただ訴える。それだけしかできない自分の無力さにも腹が立つが、この機会を逃したら、俺は永遠に夢を叶える事ができない気がした。
「はあ……。アレン君でしたっけ?」
「……っ。はい」
「君はそもそも、どうして強くなりたいんですか? 見たところ、まだ若いし、努力家なのも手を見ればわかります」
指差しながら言われ、俺は自分の掌を見る。そこには今まで無我夢中で剣や槍を振っていたせいで何度も繰り返し潰れたマメや、小さな傷が沢山あった。
「……初めてです。努力してるって言ってくれた人は」
「別に慰めるために言ったんじゃありませんよ。ただ、そこまで努力できる上に、まだ若い君が、どうしてそんなに焦る必要があるんですか? 心配しなくても、少しずつですが、君はちゃんと強くなっている筈ですよ」
「……だめなんです。俺だけじゃ、どれだけ努力してもあいつに追いつけない。俺が強くなった時、あいつはもっと強くなってる。無謀でも、闇雲でも、俺はあいつに勝ちたいんです。じゃないと俺は」
「……」
「──胸を張ってドラグーンになりたいと言えないんです」
俺の言葉に、女性の瞳が揺れた気がした。
「ドラグーン……? 君はドラグーンになりたいんですか?」
「わかってます。無謀だっていうのは言われ慣れてますから。けど、諦めたくないんです」
自分で言いながら、なんだか目頭が熱くなってきた。
そうだ。俺は諦めるわけにはいかない。憧れだけでなれる物じゃないとはわかっていても、それでも夢を諦めたくない。
「あー……泣かないでください」
「泣いてません……」
「はぁ……」
屋根の上にいた女性が、地面に降りてくる。
彼女は俺の目の前で外套のフードを外すと、毛量の多い栗色の長髪を振った。
「ニーアです」
「え?」
「私の名前です。鍛えるのは嫌ですけど、名前を一方的に聞いておいて、はいさよならじゃ、流石に悪いと思って」
フードを外した彼女は、綺麗な顔をしていた。俺は小柄な方だが、それでもそこらの女性よりは身長は高い。なのに、目の前に並んでみると、ニーアの方が少し身長が高かった。
ところどころ跳ねている腰ほどまで伸びた栗色の髪に、やる気がなさそうな茶色い垂れ目が、彼女の性格を表している様だ。
「ニーアさんって言うんですね。俺はアレンです」
「それはさっき聞きました」
そうだった、と思って俺は慌てる。
「ニーアさんはどうしても俺に強くなる方法を教えてはくれませんか?」
「……はぁ。そんな子犬みたいな目で見ないで下さい」
子犬のような目と言われ、俺は自分の顔を触る。
「──わかりました。課題を出しましょう。もしも、それを達成する事ができたら、君が言うその人物に勝てるくらいまでは指導してあげます」
「え……?」
「ただ、生ぬるい試練を課す気はないですよ? どれだけ苦しくても、すぐに音を上げるようだったら、この話は無しです。君を鍛える事はないし、鍛えてくれと頼む事も金輪際許しません。どうですか?」
ニーアの言葉に、俺は思わず口を開けたまま呆けてしまった。
そんな俺を見て、ニーアはため息を吐く。
「嫌ですか? それならこの話は──」
「いや、とんでもないです! むしろ、こっちからお願います!」
俺としては渡りに船だったため、思わずニーアに飛びつかん勢いで答えてしまう。
「あ、あんまり近づかないでくれます?」
「あ、すいません。嬉しくて……」
駄目もとだったが、まさかニーアからこんな提案をしてくれるなんて思わなかった。
最初はどこか適当で冷たい人なのかと思っていたが、もしかしたらニーアは意外にも人情深いのだろうか。
「試練の内容を伝えます。明日、太陽が真上に来た時から日没まで私は君から逃げます。それを捕まえるだけです」
「逃げる……?」
鬼ごっこの様な物だろうか。
「ええ。ただ、そのままやったら絶対に不可能なので、少しだけハンデをあげましょう。範囲は王都の下町のみ。そして君の体が、私の外套に触れたら、それで達成としましょう」
「それだけでいいんですか?」
それでは簡単すぎないだろうか。外套に触れるだけなら、正直な話、誰でも出来そうだ。
「簡単だと思うならそれで文句は無いみたいですね。それじゃ、また明日、太陽が真上に登った時、ここで会いましょう」
鼻で笑うような態度のニーアに少し訝しげに思ったが、わざわざ自分から条件を厳しくする必要はない。
俺はニーアの言葉に素直に頷いた。
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