クズな俺たちの性夜

ひづき

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オマケのケイゴ

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 初めて学校の体育でバスケをやった時、「かっこいい、にあってる」と、幼馴染のミツルが言ったから、ケイゴは地域サークルのバスケ部に入った。

 ミツルに見て欲しくて、試合には必ず呼んだ。ミツルが見てくれるだけで力が湧いてきて、年上にだって怖がらずに向かっていける。

 ミツルが、ケイゴの中心だった。



 初めて性行為を体験した時、ヨガる女の顔にミツルを重ねてしまって。ケイゴは初めて自身の中にある想いを自覚した。

 最悪な気分だった。

 高校生になったミツルは綺麗だ。子供の頃から綺麗な顔をしていたが、更に磨きがかかった。筋肉のつかない体質なのを気にして筋トレに励んだミツルは、筋肉の代わりに豹のようなしなやかさを得た。お陰で、なんか、えろい。そのせいなのか、私服で夜まで遊んでいると、ミツルは男からナンパされるようになった。その時の、相手を見る目に漂う嫌悪感といったら!ゴミクズや汚物相手でももう少し穏やかな目をするだろっていう、絶対零度!

 恋心を自覚すると同時に、ミツルからあんな眼差しを向けられたら死ねるとケイゴは確信した。



 うっかりミツルを襲わないように、性欲処理は積極的にした。気持ちいいことは好きだし、ミツルが相手じゃなくても刺激すれば勃つ。何も問題はない。全てはミツルの友人でいる為だ。

 だが、ふと虚しくなって。そんな時だ。ミツルが「イベント用の恋人を募集しようかな」なんて爆弾を投下したのは!

 ミツルは女にもモテる。本人が付き合った内に入れていないだけで、彼女がいたこともある。ただ、ミツルは本人が自覚していないだけで、かなり表情に乏しい。告白されても真顔にしか見えないし、相手が何を話しても無反応にしか見えない。結果、私に興味ないのねって言われて3日くらいで飽きられる。ミツルも引き止めない、それきりだ。そんな玉砕した女たちをケイゴは傍らで指折り数えてきた。

 しかしだ、ミツルから望んで恋人を手にすれば話は変わるだろう。ミツルも相手に気持ちを伝えようと積極的になるかもしれない。ケイゴ以外にもミツルの表情から気持ちを読み解けるような奴が現れる恐れもある。

 ゴミクズを見るような目には耐えられそうにないが、だからと言って他の誰かと結ばれるなど許せるわけがない。

「今年は2人で過ごそうぜ!」

 身体から落としてやる…!!

 俺を拒めなくなるくらいデロデロに気持ちよくしてやる!!





 ケイゴの予想に反して、ミツルはエロかった。

「酔い潰して美味しく頂くつもりだった」

 ミツルは艶然と笑う。

 お前の表情筋、仕事できたんだな、とケイゴは的外れな感想を抱いた。



 ………あれ?これって、付き合うっていうことでいいのか?

 それともセフレ止まり!?

「ちょ、待て、寝るな、ミツル!お前は俺の恋人ってことでいいんだよな!?なぁ!?起きろよ!好きだ、ミツル!!」



[完]
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