生贄メリーの愛欲

ひづき

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 神様の生贄となるべく育てられた少年に名前は無い。必要ないものだからだ。

「名前が無いのですね。じゃあ…、メリーと名付けましょう」

 神様は少年に名前をつけた。

 ───生贄って何だっけ?

 メリーと名付けられた少年は考える。

「ほら、あーん」

 神を名乗る、長い銀髪の眩い、美しい青年。彼はメリーを膝上に置き、食事の世話をやく。食べたことも見たことさえない料理ばかりが並ぶが、食べろと指示されればメリーに否はない。あーんと口を開け、もぐもぐと咀嚼する。

 咀嚼しながら考える。太らせてから食べるつもりなのだろうか。



 故郷では贅沢だった入浴が、神様の元では毎日行われる。清拭だけで入浴をしたことなどなかったメリーを抱きかかえて湯船に入るし、メリーの全身を神自ら磨きあげる。

「こら、じっとして」

「だ、だって───」

 窘められ、メリーは身を固くした。白い泡をつけた神様の手で全身を撫でられると、ぞくぞくして何だか身体がおかしいのだ。ムズムズして、思わず逃げるように身じろいでしまう。

「ほら、ここも───」

「ひぐ…ッ」

 食事中と同様に神様の膝の上でされるがまま。背中を撫でていた手がお尻を撫でるのを合図に、メリーは次を覚悟して緩く脚を開いた。

 尻の穴の中まで神様の、青年の、太い指で丹念に洗われる。それも毎日。神様に出会うまで洗ったことがないそこは狭くて、優しくも力強く、やや強引に押し広げられる感覚がして。お腹の下の方が引き攣る。慣れないそれが怖いと神様に視線で縋ると、神様は眩しいものを見るような目でメリーを見つめ返した。

「良い子。今日はもう少し頑張りましょうね」

「はひ………?」

 何を言われたかわからない。神様の手にされるがまま、大きく脚を開き、片脚を胸に付くほど折り曲げられる。

 ぞくん!と一際強い痺れが駆け巡った。

「ひゃ!や!なに…ッ」

 カラクリ人形で遊ぶかのように、繰り返し的確にその一点を指がトントンと刺激する。その度にぞく!と刺激が走り、ビクッと身体が跳ねてしまう。

「逃げては行けませんよ」

 メリーがイヤイヤと首を振っていると、優しい声が、全然優しくないことを言う。半ば意味を理解しているかも怪しいまま、涙を浮かべたメリーは必死に首を縦に振る。

「や、じゃ、あ、あ…っ」

「それは、キモチいいって言うのです」

 零れた涙を追いかけて、神様はメリーの頬を舐める。しかし、指を休めることはない。

「ひ…もちぃ…?」

「そう、キモチいい」

「ぅん、ふ、」

「こちらも愛でてあげよう」

 神様の手が、メリーの股の間、控えめに頭を擡げてフルフルと震える陰茎を指で弾いた。

「─────ッ!!!!!」

 声にならない悲鳴を上げ、メリーは先端から白濁を零した。





 人間から神様と呼ばれる青年は、数年前に幼い子供と出会った。3歳ほどかと思われる子供は、人の出入りを禁じている神域に侵入し、草を齧っていた。真っ黒で、痩せ細り、ぎょろっとした目が特徴的な子供。

『何故野草をくわえているのです?』

『?』

 何を問われているのかわからないと子供は首を傾げた。

『………美味しいですか?』

『んーん』

 ぶんぶんと首を横に振りつつも、草を吐き出そうとしない。

 子供からは懐かしい気配がした。もう何百年も前に亡くなった人間の気配。同じ魂を持つ、あの人間の生まれ変わりなのだと気づくと手が伸びた。

『!』

 頭を撫でようとしただけなのに、まるで自らを庇おうとするように身を竦ませる。寸法の合わない窮屈そうな服の裾から覗く手足は傷や痣が目立つ。

 子供を掬い上げるように抱き上げ、人里に行き、人間達に『この子供を我に捧げよ。子供が成長したら迎えに来る。それまで丁重に扱え』と命じた。

 神に捧げるための子供なら虐げられることも、ないだろうと。



 成長したはずの子供は、まだまだ小さかった。メリーと名付けたのは気まぐれである。痣などは消えていたが、誤算だったのは子供が幽閉されて育てられた為に、無知だったことだろう。無知で、無垢で、あまりにも清らかで。

 ───あまりにも美味しそうで。

 前世で世話をしてくれた恩を今世で返したいだけだったはずなのに。無防備に口を開ける様が可愛くて餌付けをする。本当はその口に指を突っ込んで口の中をかき回したい。涎を零しながら喘ぐ様が見たい。

 清らかな肌を撫でたくて入浴の世話をする。最初は触れるだけで満足出来たが、擽ったいと無邪気に笑うから、違う反応を見たいという欲が出た。

「かみさま、いつぼくをお食べになるのですか?」

 無垢な瞳が真っ直ぐと射抜くから、汚してやりたいという欲がどくんと跳ねた。

「君が青年と呼べるくらい大きくなったら」


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