黒の慟哭

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【2】異母兄弟

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 この国の第一王子であるシューゼルは、広い城の廊下に立ち尽くし、ただ困惑していた。

 シューゼルの3歳下の異母弟は、大変立派な体格で、なんというか、押したら転がりそうな見た目で、使用人たちから『カエル王子』と影で呼ばれている。おそらく、彼の本名である『カイエル』を弄った結果なのだろう。

 いくら記憶をたどっても、これまで異母弟とはまともに話したことがない、カイエルという名を呼んだこともない。

 シューゼルの母は正妃だが実家は伯爵家。カイエルの母は側妃だが実家は公爵家。つまり、妃の立場ではシューゼルの母が優位だが、生家の身分ではカイエルの母が優位。生母の実家の持つ政治的な力がそのまま王子の後ろ楯となり、玉座を見据えて両陣営はそれぞれの王子を旗印に担ぎ上げて争っている。そこに王子自身の意志はなくても、異母弟とは仲良くしてはいけないのだと、シューゼルは思い込んでいた。

「あにうえ!どうしたら女にほれてもらえるか、おしえて!!」

 その異母弟が、廊下で突然話しかけてきた。ただそれだけなのだが、シューゼルは酷く困惑した。あにうえ、と呼ばれるのも初めてのことだ。

「あにうえ!!」

 返事を催促してしがみついてくる異母弟を払いのけることもできない。初めて間近で見る異母弟の手はぷくぷくとしていて、今にも破裂しそうな風船のようだ。そう考えると、異母弟自体が大変危うい存在のように思えてくる。ちょっとの衝撃で体が破裂するのでは、という妄想が横切り、そんなまさかと思い直した。

「落ち着いて、カイエル。何故それを私に訊ねるのかな?」

 精一杯の笑顔を作って問いかける。

「あにうえは、おれより、メイドたちに好かれてるから」

「そう…」

 異母弟が使用人たちに嫌われているのはシューゼルも知っている、周知の事実。噂によると異母弟はすぐに癇癪を起こし、王子の機嫌を損ねたとして使用人たちが次々に罰せられるのだという。異母弟の背後にいる側妃の横暴さに皆怯え、離れていく。保身を考えるなら近寄らない。しかし、自分はこの子の兄なのだ。頼られた以上は年長者として答えたい。

「まず、言葉遣いを改めようか。身分や年齢に関係なく、他人には敬意を払わないといけないよ」

「けいい?」

 このくらいの年齢の子供は何をどこまで理解できるのだろうか。シューゼルは必死に頭を回転させる。

「たとえば、さっきカイエルは“女”と言ったけれど、“女性”や“ご婦人”と様々な言い回しがあるだろう?」

「うん。ははうえはよく“女”とか“めぎつね”って言ってる」

 幼い異母弟の口から出てきた単語、その品のなさに、シューゼルの中で側妃に対する嫌悪感が加速する。

「同じ意味でも、相手を敬う時に選ぶべき言葉というのがあるんだよ。“女”とか“女狐”というのは失礼な言い方なんだ。相手に好かれたいなら、相手を不快にさせるような物言いをしてはいけない」

「どうやってえらぶの?」

 恐らく単語の選び方を問われたのだろうと解釈し、ふと思い出す。弟の家庭教師は3日ともたないと聞いたことを。やはりそこにも側妃が絡んでくるのは言うまでもない。もう、あの人は異母弟にとって害にしかならないのではないかと本気で考え始めた。

「ねぇ、私を兄上と呼ぶのはどうして?」

「“たいこうでんか”が、“へいか”をそうよんでたから」

 一応間違いではないので、取り敢えず頷く。肯定されたのが嬉しかったのか、カイエルはにっこりと微笑んだ。───そう、確かに間違いではないのだが、兄が国王に即位した時点で弟は臣下であり、対外的に兄と呼ぶのは問題がある。そこは陛下と呼ぶのが正しい。大公は陛下を主として認めていないのではと貴族たちは眉をひそめている。大公の忠誠も疑問視されるし、それを咎めない陛下の威厳も低迷しているのが現状だ。

「どうして“陛下”?…“父上”とは呼ばないの?」

「だれもよばないから」

 国王を父と呼べるのは基本的に成人を認められるまでの短い期間しかない。陛下と呼んでも間違いではないが、父上と呼んだ方が良いだろう。あらぬ噂を否定するためにも、父と子の仲は親密である方が望ましい。───確かに異母弟と大公は似ているが、あくまで体型の話だ。痩せれば印象は大きく変わるかもしれない。何より、異母弟の耳の輪郭は父によく似ている。

「母君のことは何て呼んでるのかな?」

「グレナーテひでんか」

「母上とは呼ばない?」

「だれもよばないから」

「…そう」

 グレナート妃本人が直そうとしないのだから、それでいいのだろう。母とは呼ばれたくないのかもしれない。もし、甘やかさないよう距離をとるためだというのなら、そもそも子供の癇癪くらいで周囲を叱責したりしないだろう。

 家庭教師が続かないということは、継続した教育が成り立っていないということ。結果、カイエルのお手本は周囲によくいる大人なのだが、使用人たちは口を開かず、側妃は口が悪い。しかも異母弟は幼い子供なのに、両親との距離が随分と遠くはないだろうか。むしろ“あにうえ”と呼ばれている自分が一番身近にいるような気がする。

 あの毒婦から、この弟を守ろう。自身の母は王妃を勤める以上、異母兄弟の交流を表だって反対はしないに違いない。

 この日、シューゼルは、初めて心から“兄”というものになった。








 赤と白の二色で支配された後宮の西棟が側妃であるグレナーテの領域だ。埃一つなく磨き抜かれた白色の彫刻が品よく並び、赤い花々が贅沢に飾り付けられている。ただし、そこに薔薇だけは一輪もない。主に飾られているのはアネモネの花だ。この大量の生花を維持するだけで労力も費用も計り知れない。

 そんな贅沢極まりない空間にて。傍から見ればソファーにて優雅に寛いでいるようにしか見えないグレナーテは、内心苛立ち、荒ぶっていた。その鬱憤がいつ飛んで来るかと、控えるメイドたちは怯えを隠しきれない。熱い紅茶の入ったカップが飛んで来ることもあるし、扇子が飛んで来ることもある、平手打ちはまだ可愛い(所詮お嬢様育ちなので痛くない)、罵倒されるだけで済むのは珍しい。何も飛んで来ない日などあっただろうか、今日は一体何が飛んで来るのか。

 先日催された、第二王子の婚約者を決めるためのお茶会の日は、ターゲットにされた年若いメイドが平手打ちにされ、足蹴にされ、罵倒されていた。あの日の暴れようは本当に手がつけられなかった。その日は確か精密な細工が瞬きすら許さぬほどに美しかったガラス製の置時計が飛んで粉々に砕け散った。



 そもそも、第二王子に婚約者を、というのがグレナーテには気に入らなかった。第一王子にもまだいない婚約者を、何故先に第二王子へ与えようとするのか。王の考えが読めない。

 周辺国へ使者を送っている動きもあり、他国の王女を第一王子と結婚させようとしているのではないか、とグレナーテは勘繰っている。第二王子には王家の血を流出させないよう国内で婚約させてから、第一王子と他国の王女を婚約させる気なのだろうか。そうなってしまえば、簡単には取り消せない上に、嫁の品格による絶対的な差が要因となり第一王子が立太子するだろう。許せるはずもない。

 その上、肝心の第二王子が気に入った娘は伯爵家。しかもそれが、貴族としてのプライドも品格もなく公爵家に仕えるリデュール家の娘なのだから機嫌も地を這う。母親に依存する人形になるよう、第二王子を育ててきたはずなのに、誤算もいいところだ。

「ぐ、グレナーテ妃殿下、陛下がお話ししたいといらしております」

 グレナーテに話しかけるメイドの声は若干震えている。それでもプロか!と説教したいところだが、告げられた内容が内容なだけに今はそれどころではない。

「お通しして」

 王が前触れもなく訪れるのは初めてのことだ。身構える、しかし、それを表に出してはいけない。あくまで、優雅に、優しく、柔らかくいなくては。



 姿を見せた男性は、ミルクティー色の柔らかな髪の青年だ。実年齢より若く見える整った容貌。年下である大公や妃たちより若々しい。

 正直隣に並びたくない。この美貌の隣に立って夢見心地でいられるのは鏡も見えないほど脳内お花畑な女だけだろう。どんな女も青年の引き立て役にしかなれないし、霞む。彼の碧眼より美しい宝石をグレナーテは知らない。

 そんな彼こそ、グレナーテの夫であり、この国の頂点に立つ国王、ルグナス陛下だ。

「あぁ、グレナーテ!君は今日も美しいね」

「は、恥ずかしいからお止めください」

 夫からの賛辞に、顔を真っ赤にし頬に手を当てて恥じらって見せる。心の中では、お前に言われても嫌味にしか聞こえないわ!とブリザードが吹き荒れていた。

「ねぇ、聞いて、グレナーテ」

 ソファに座るなり、メイドの給仕も待たずに話し始める夫は、まるで幼い子供のよう。威厳など見当たらないし、まるで大きな息子ができたようで、グレナーテとしては非常に嫌な光景だ。

「ふふ、余程喜ばしいことがあったのですね?まるで子供のようですわ。もったいぶらずに早くお聞かせくださいませ」

 グレナーテは、貴方が嬉しいと私も嬉しい、と表情と態度で訴えて話を急かす。もちろん、心はブリザードで、大嵐で、氷山ががっつんがっつん衝突を繰り返している。

「今日、執務室に、カイエルが来たんだ」

「まあ!あの子が!お仕事の邪魔をしませんでしたか?私の目が届かず申し訳ございません」

 執務棟に、カイエルが行くなど今までなかった。子供の好奇心故か、あるいは誰かの入れ知恵か。いづれにせよ、王子付きの侍女たちは全員処分が必要だ。奥歯をギリギリと噛み締めることで何とか表面を取り繕う。

「カイエルを怒らないでやってくれ。あの子は真っ赤な顔をして泣きながら私に『ちちうえ、と呼んでも、いいですか?』って…!もう、かわいいの、なんのって!恥じらう顔が君にそっくりで、しかもそれだけのためにわざわざ私のところにまで来たと言うじゃないか!!思わず抱き締めてしまったよ!!ああ、もう、本当にカイエルは可愛い。あんなに可愛い一面があるなんて初めて知ったよ!!今まで精一杯背伸びしてたんだろう、健気で可愛い!」

「……………」

 話ながらどんどん加速していく興奮ぶりに、グレナーテは拍子抜けして、素でドン引きした。可愛いを連呼されても、正直、あのコロコロした子供の何が可愛いのか。腹を痛めて生んだ子だし、自身の行く末を左右する鍵であるという点では執着しているが『可愛い』と思ったことはない。そんなことを考えている間も、ひたすら夫による息子自慢は止まらない。正直こんなによく話す夫を見たのは初めてだ。

「…あー、すまない。暴走してしまったな」

「いえ、正直安心致しました。今まであまり貴方の口からカイエルの話を聞かないので、第一王子の方が大切なのかと、実は不安に思っていましたの。もちろん、王というお立場故、どちらかに肩入れしないようにしているのだと、頭では理解しているのですが…」

 眦に涙を滲ませて、伏せがちに言葉を紡ぐ。───もちろん、演技である。

「すまない、私の配慮が足りなかった。シューゼルも、カイエルも、私はどちらも可愛いと思っている。カイエルの話をしなかったのは、その…、君以外の人の話をすると君が拗ねるから」

「ど、どうせ、わたくしはヤキモチやきですわ」

 口を尖らせて、拗ねてみせる。お決まりのように、頬にバードキスの雨が降ってきた。実にワンパターンな男だ、面白味もない、扱いやすい。

「私はそんな君が愛しくて仕方ないよ」

「すぐそうやって誤魔化す!」

「そう、それでね、シューゼルとカイエルを一緒に勉強させようと思うんだ」

「───は?」

 何がどうしてそういう話になったのか。驚いている間にも、夫は上機嫌で話を進める。

「カイエルの家庭教師は皆続かないだろう?家庭教師のフォローが及ばないところでも、子供同士なら補い合えるかもしれない。物は試しだ。何より兄弟で過ごす時間を与えた方が、カイエルに寂しい思いをさせなくて済むんじゃないかと思ってね」

「─────で、でも、シューゼル殿下のご迷惑になりませんか?」

 何がどうしてそうなった!!あの女の子供と並べて私の子の出来の悪さを浮き彫りにして嘲笑いたいのか!!一体誰の策略だ!!と、火を吐く勢いで罵倒したいのを懸命に堪える。その額には汗が滲んでいた。

 愚鈍な夫がそんな妻の様子に気づくはずもなく、

「シューゼルに話したらね、『僕も一緒だと嬉しいです』って、凄く喜んでくれたんだ。セイシェルにも了承は得ているよ。研鑽を積むためにも競う相手は必要だとね」

「セイシェル王妃様まで…」

 競う相手、といいつつ鼻で笑う王妃を想像したグレナーテの頬がひきつる。

「だから、何も心配要らないよ」

 まるで春の日差しのように、夫は微笑む。



 氷付けにして粉砕してやりたい。

 グレナーテは心の底から呪いつつ、にっこりと微笑み返した。



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