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第六十九話 回復薬作り
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私はエイベルに薬の分析を頼まれました。
せっかくの教材なのでベリーも誘いました。治癒魔導士は医療や薬の知識は持っていて損はありません。
「レティシア様、どうしてあえて苦みを出しているんですか?」
「わかりません。この回復薬と同等の効力で苦くないものならビアードにもあります。ですがエイベルはこの薬を量産したいそうです。ただ問題なのはこの苦み成分のある薬草はビアードにはありません。わざわざ栽培させても利益が出るか」
「取り寄せるほどの価値があるかですよね。種だけ手に入れて鉢で育ててみますか。種はルーン領に行かないと手に入りませんね」
「何してるんだ?」
レオ様が訪問されました。
「エイベルが苦い回復薬の量産を希望しているんですが、この苦みの薬草はビアードにはありません」
図鑑を見せるとレオ様が覗き込みました。
「学園に生えてるけど」
「それは分けていただくことはできますか?お金は払います。とりあえず鉢で育ててみようかと」
「研究棟に行くか」
レオ様が瞳と髪の色を変えました。ベリーもレオ様のことは知っているので驚きません。
研究棟には薬草園もあります。
「レオ様、どうしたんですか?」
「回復薬の調合で苦みを出したい。薬草の解説を彼女達にしてくれないか?」
「わかりました。どうぞ」
レオ様にお友達がいました。研究生と親しそうに話している姿に感動しました。変装しているのに偽名は使わないんですね。第二王子の名前を知らないんでしょうか。
男子生徒が薬草の解説をしてくれます。私が欲しかった薬草は非常に育てることが難しいそうです。綺麗な大量の水が育てるのに必要です。不純物の混ざった水だと育たない。水の魔導士が育てる薬草ですね。気つけ効果があるのは魅力的です。
でも私なら育てられますわ。水から不純物を抜くのも良い訓練になりますわ。
詳しく育て方を聞きました。
薬草と種をわけてくださると言うのでお礼に魔石をいくつか渡しました。
水の魔石の使い道は多いので、役に立つでしょう。
レオ様とベリーと荷物を抱えて部屋に帰りました。
せっかく土属性のレオ様がいるので鉢に種を埋めてもらいました。土属性は植物に愛されるので、きっとすくすくと育つでしょう。
鉢植えを二つもらったのでベリーと一つづつ育てることにしました。
魔法で水を出すのは簡単ですがせっかくなので、水道水から不純物を取り除く訓練をすることにしました。ベリーは繊細な魔法操作が得意なので簡単でしょう。
三日目に小さい芽が出ました。
日に日に大きくなる薬草を見るのは中々楽しいです。育てて二週間すると立派な草が生えていました。
ベリーの鉢には10本の薬草が生い茂ってます。私の薬草も昨日までは薬草が生い茂ってました。ただ今は1本もありません。鉢には平らな土があります。
「レティ、あれ、本棚の上」
ディーネに言われて見ると小さい木が歩いています。
「ディーネ、あれはなんでしょうか?」
「木?」
水魔法で捕まえて増殖されたら困ります。
「ディーネ、エイベルとレオ様呼んできて」
私は気配を消して動く木を見守ることにします。
森の国には魔木と呼ばれる魔法をかけてはいけない動く木があります。
魔法をかけると魔力が吸収されます。
特に水や土属性の魔導士は魔木に気に入られると吸収されることもあります。エイベルじゃなくてフィルのほうが良かったでしょうか…。
エイベルとレオ様が入ってきました。一緒にいたんですね。
「木が動いてるんです。どうすればいいか。安易に魔法を使って増殖されたら困ります」
エイベルは目を見張ってレオ様は興味深そうに笑いました。
「レティシア、あれは俺がもらってもいい?」
「どうぞ。私のものではありませんが…」
レオ様が袋の中からガラス瓶を取り出しました。
「エイベル、あの木をこの瓶の中にいれてほしい。できれば魔法は使わず」
頷いたエイベルが木にゆっくりと近づいて行きました。
瓶にいれようとすると木が逃げました。意思があるんでしょうか。エイベルが木と追いかけっこしてます。全然捕まえられません。笑いが堪えられません。
「レオ様、私に瓶を貸してください」
レオ様に渡された瓶に綺麗な水を入れます。部屋の真ん中に瓶を置いてエイベルの手を引いて離れます。
「あんなに動いたらお腹が減ると思うんですよ」
しばらくじっと見守ると木が瓶の中に入りました。エイベルが近づき蓋をしました。
「あれはなんだ?」
「わかりません。私の育てた薬草がなくなり、気付いたら木が歩いていました。薬草は収穫時期を間違えると動く木になるんでしょうか…」
瓶の中で木が暴れているけど平気なんでしょうか…。
レオ様は上機嫌に瓶を抱えて出て行きました。私はベリーが来たので薬草を収穫しました。
「回復薬はできそうか?」
「あとは調合だけです。あの薬草の栽培もビアード領で考えたんですが動く木になったら怖いのでやめましょう」
私はベリーとエイベルと薬の調合を始めました。部屋が苦い臭いで広がっています。できた薬を瓶に移してエイベルに渡します。
「エイベル、苦くなければ同等の効果のものはビアードにもありますよ。どうして苦みにこだわるんですか?」
「これなら気絶してもすぐに目覚める。これを飲んだら訓練し放題。ルーンでは常用されているらしい」
上機嫌な顔に呆れました。
そんな訓練方法は生前に聞いたことありません。エイベルはポンコツな上にバカなんでしょうか。
「気絶したら休んでください。回復薬を返してください。捨てます。必要な薬草は水魔導士でないと育てられません。そんなバカなことするならビアードでは絶対に育てません。今後は絶対に調合しません」
「父上も絶対に喜ぶよ」
確かにビアード公爵も喜々として常用しそうです。エイベルと同じで訓練が趣味ですから。
「お母様は許しません。今後一切その回復薬は作りません」
調合を書いた紙を破きました。
「何するんだよ!!」
「過度な訓練はいけません。薬や魔法は必要以上に使うべきではありません」
「戦場でも役に立つ。眠りからすぐに目覚めて動けるんだ」
「でしたらその回復薬の管理は私とお母様でします。訓練で使うことは許しません」
エイベルがため息をつきましたがため息をつきたいのは私です。
いい加減にしてくださいませ。
強くなるために努力する姿は称賛します。
ですが無理すべきではありません。
今度からは分析を頼まれたら意図を聞くことを決めました。エイベルとの回復薬の意見の相違についてビアード公爵夫人にお手紙を送ったら屋敷で夫婦喧嘩が始まったそうです。
結局ビアード公爵夫人が勝利し、苦い回復薬は非常時のみ使用が許されたそうです。
当分は薬草はルーン領から買い取ることになりました。私は歩く木になる薬草なんてビアードで育ててほしくありません。
木の大群に襲われたらと思うとぞっとします。ビアード公爵になるならきちんと危機感を持ってくださいませ。
私はポンコツでおバカなエイベルは放っておいて、普通の回復薬の調合を始めました。
どんなに言われても怪しい回復薬は作りませんよ。でもエイベルに作れない高度な回復薬は調合して部屋に隠しておくので、私がいなくなったら使ってください。私と同等の治癒魔導士が育てばいいんですが、なかなか…。ルーンと違って治癒魔法と相性が悪い方が多いので才能のある治癒魔導士はビアードには存在しません。土地柄というものなんでしょうか?
ビアードの未来が不安でたまりませんわ。
せっかくの教材なのでベリーも誘いました。治癒魔導士は医療や薬の知識は持っていて損はありません。
「レティシア様、どうしてあえて苦みを出しているんですか?」
「わかりません。この回復薬と同等の効力で苦くないものならビアードにもあります。ですがエイベルはこの薬を量産したいそうです。ただ問題なのはこの苦み成分のある薬草はビアードにはありません。わざわざ栽培させても利益が出るか」
「取り寄せるほどの価値があるかですよね。種だけ手に入れて鉢で育ててみますか。種はルーン領に行かないと手に入りませんね」
「何してるんだ?」
レオ様が訪問されました。
「エイベルが苦い回復薬の量産を希望しているんですが、この苦みの薬草はビアードにはありません」
図鑑を見せるとレオ様が覗き込みました。
「学園に生えてるけど」
「それは分けていただくことはできますか?お金は払います。とりあえず鉢で育ててみようかと」
「研究棟に行くか」
レオ様が瞳と髪の色を変えました。ベリーもレオ様のことは知っているので驚きません。
研究棟には薬草園もあります。
「レオ様、どうしたんですか?」
「回復薬の調合で苦みを出したい。薬草の解説を彼女達にしてくれないか?」
「わかりました。どうぞ」
レオ様にお友達がいました。研究生と親しそうに話している姿に感動しました。変装しているのに偽名は使わないんですね。第二王子の名前を知らないんでしょうか。
男子生徒が薬草の解説をしてくれます。私が欲しかった薬草は非常に育てることが難しいそうです。綺麗な大量の水が育てるのに必要です。不純物の混ざった水だと育たない。水の魔導士が育てる薬草ですね。気つけ効果があるのは魅力的です。
でも私なら育てられますわ。水から不純物を抜くのも良い訓練になりますわ。
詳しく育て方を聞きました。
薬草と種をわけてくださると言うのでお礼に魔石をいくつか渡しました。
水の魔石の使い道は多いので、役に立つでしょう。
レオ様とベリーと荷物を抱えて部屋に帰りました。
せっかく土属性のレオ様がいるので鉢に種を埋めてもらいました。土属性は植物に愛されるので、きっとすくすくと育つでしょう。
鉢植えを二つもらったのでベリーと一つづつ育てることにしました。
魔法で水を出すのは簡単ですがせっかくなので、水道水から不純物を取り除く訓練をすることにしました。ベリーは繊細な魔法操作が得意なので簡単でしょう。
三日目に小さい芽が出ました。
日に日に大きくなる薬草を見るのは中々楽しいです。育てて二週間すると立派な草が生えていました。
ベリーの鉢には10本の薬草が生い茂ってます。私の薬草も昨日までは薬草が生い茂ってました。ただ今は1本もありません。鉢には平らな土があります。
「レティ、あれ、本棚の上」
ディーネに言われて見ると小さい木が歩いています。
「ディーネ、あれはなんでしょうか?」
「木?」
水魔法で捕まえて増殖されたら困ります。
「ディーネ、エイベルとレオ様呼んできて」
私は気配を消して動く木を見守ることにします。
森の国には魔木と呼ばれる魔法をかけてはいけない動く木があります。
魔法をかけると魔力が吸収されます。
特に水や土属性の魔導士は魔木に気に入られると吸収されることもあります。エイベルじゃなくてフィルのほうが良かったでしょうか…。
エイベルとレオ様が入ってきました。一緒にいたんですね。
「木が動いてるんです。どうすればいいか。安易に魔法を使って増殖されたら困ります」
エイベルは目を見張ってレオ様は興味深そうに笑いました。
「レティシア、あれは俺がもらってもいい?」
「どうぞ。私のものではありませんが…」
レオ様が袋の中からガラス瓶を取り出しました。
「エイベル、あの木をこの瓶の中にいれてほしい。できれば魔法は使わず」
頷いたエイベルが木にゆっくりと近づいて行きました。
瓶にいれようとすると木が逃げました。意思があるんでしょうか。エイベルが木と追いかけっこしてます。全然捕まえられません。笑いが堪えられません。
「レオ様、私に瓶を貸してください」
レオ様に渡された瓶に綺麗な水を入れます。部屋の真ん中に瓶を置いてエイベルの手を引いて離れます。
「あんなに動いたらお腹が減ると思うんですよ」
しばらくじっと見守ると木が瓶の中に入りました。エイベルが近づき蓋をしました。
「あれはなんだ?」
「わかりません。私の育てた薬草がなくなり、気付いたら木が歩いていました。薬草は収穫時期を間違えると動く木になるんでしょうか…」
瓶の中で木が暴れているけど平気なんでしょうか…。
レオ様は上機嫌に瓶を抱えて出て行きました。私はベリーが来たので薬草を収穫しました。
「回復薬はできそうか?」
「あとは調合だけです。あの薬草の栽培もビアード領で考えたんですが動く木になったら怖いのでやめましょう」
私はベリーとエイベルと薬の調合を始めました。部屋が苦い臭いで広がっています。できた薬を瓶に移してエイベルに渡します。
「エイベル、苦くなければ同等の効果のものはビアードにもありますよ。どうして苦みにこだわるんですか?」
「これなら気絶してもすぐに目覚める。これを飲んだら訓練し放題。ルーンでは常用されているらしい」
上機嫌な顔に呆れました。
そんな訓練方法は生前に聞いたことありません。エイベルはポンコツな上にバカなんでしょうか。
「気絶したら休んでください。回復薬を返してください。捨てます。必要な薬草は水魔導士でないと育てられません。そんなバカなことするならビアードでは絶対に育てません。今後は絶対に調合しません」
「父上も絶対に喜ぶよ」
確かにビアード公爵も喜々として常用しそうです。エイベルと同じで訓練が趣味ですから。
「お母様は許しません。今後一切その回復薬は作りません」
調合を書いた紙を破きました。
「何するんだよ!!」
「過度な訓練はいけません。薬や魔法は必要以上に使うべきではありません」
「戦場でも役に立つ。眠りからすぐに目覚めて動けるんだ」
「でしたらその回復薬の管理は私とお母様でします。訓練で使うことは許しません」
エイベルがため息をつきましたがため息をつきたいのは私です。
いい加減にしてくださいませ。
強くなるために努力する姿は称賛します。
ですが無理すべきではありません。
今度からは分析を頼まれたら意図を聞くことを決めました。エイベルとの回復薬の意見の相違についてビアード公爵夫人にお手紙を送ったら屋敷で夫婦喧嘩が始まったそうです。
結局ビアード公爵夫人が勝利し、苦い回復薬は非常時のみ使用が許されたそうです。
当分は薬草はルーン領から買い取ることになりました。私は歩く木になる薬草なんてビアードで育ててほしくありません。
木の大群に襲われたらと思うとぞっとします。ビアード公爵になるならきちんと危機感を持ってくださいませ。
私はポンコツでおバカなエイベルは放っておいて、普通の回復薬の調合を始めました。
どんなに言われても怪しい回復薬は作りませんよ。でもエイベルに作れない高度な回復薬は調合して部屋に隠しておくので、私がいなくなったら使ってください。私と同等の治癒魔導士が育てばいいんですが、なかなか…。ルーンと違って治癒魔法と相性が悪い方が多いので才能のある治癒魔導士はビアードには存在しません。土地柄というものなんでしょうか?
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