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第15話後編 休養日
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イリアナはアマルに護身術を教えることを決めた。
昼食を終え、イリアナはアマルと市に向かった。
市を歩いているとイリアナは自分を呼ぶ声に振り返った。
「ラーナ!!」
「ヒューゴ?」
「休みに会うなんて初めてだな。こいつは?」
明るく声を掛けてきたヒューゴの問いにイリアナは悩む。
訳ありのイリアナの関係者は危険に巻き込まれる可能性がある。
積極的に面倒を見る気持ちはなくても、騎士道精神は持っているイリアナはアマルを守る義務を自覚しているため、ヒューゴが危険人物考え、頷いた。
指導係としてお世話になっているヒューゴの面倒見の良さを実感しているイリアナは紹介しても問題ないかと判断した。
「アマルです。うーん、弟子?です」
「ラーナの弟子か。俺はヒューゴ、ラーナの仕事仲間だ。よろしくな」
笑顔で握手を求めるヒューゴをアマルは警戒した顔で見ている。
「人見知りするのか。ラーナ達は買い物か?」
「はい。この子の剣を探しに」
「まずは木剣からだろ?うち、鍛冶屋だから来いよ」
市には日用品や旅商人が売る珍しい物は売っているが、実用的な剣は売っていなかった。
いわくがありそうな剣はあったが、訓練向きのものではなかった。
「アマル、いい?」
「うん」
「ヒューゴは予定はいいんですか?」
「ああ。時間潰しに散歩してただけだし」
市と職場、王宮以外は知らないイリアナはヒューゴの誘いに頷いた。
「ヒューゴ、鍛冶屋さんって包丁とかも作れますか?」
「ああ。親父はなんでもできる。ここだ」
案内されたのはラーナ侯爵家の猟犬達の小屋より狭い小さな工房。中には狭い工房に不釣り合いな熊のような男がいた。
熊のように大柄できちんとした筋肉がついているので、鍛冶師向きの体系かとイリアナは頷いた。
「親父、客だ」
「子供だと?」
「後輩騎士のラーナ、欲しいものがあるんだと」
「お初にお目にかかります。イリアナ・ラーナと申します。いつもヒューゴ様にお世話になっております。持ち合わせはありますので、相談を聞いていただけますか?」
「ああ、あんたが」
頷いた男がイリアナを知っている雰囲気だったので、イリアナは社交用の微笑みを浮かべる。
ラーナ領は一級品の鍛冶職人を抱えており、鍛冶職人への支援も手厚く、鍛冶職人達には有名である。
イリアナは自分のことがどこまで知られているかわからないが、わざわざ調べるほど興味のあることではなかった。
「この子専用の調理用の包丁と剣を作っていただけませんか?」
「坊主にか?」
「私の弟分です。料理に興味がありますが、子供の手には大きい包丁しかありませんので、彼の手に合うサイズのものがほしくて。そろそろ剣も教えようかと」
「姉ちゃん、本気か?」
「この子がやりたいことはやらせるって決めてますから」
「剣は息子のお古を貸してやるよ。坊主来い」
鍛冶師の男は真顔でアマルを見ている。
イリアナは熊のような大柄な男に睨まれ、怖がり不安そうなアマルの手を繋いだ。
「姉ちゃん、この子がどんな子でも面倒みる気があるのか?」
イリアナは鍛冶師の男に睨まれたが、怖さは欠片もなかった。
イリアナとアマルは外見が違いすぎて親戚には見えない。未成年が幼い子供を保護していれば訳ありと思われても当然である。
アマルの手が震えた。
イリアナは怯えているアマルの頭を撫でて鍛冶師の男に向き直った。
「この子が私の傍にいたいと望んでくれるなら、私から手を離すことはありません」
「イリア」
イリアナはアマルの震えている手を握る力に少し力をいれた。
「アマル、手の大きさに合う道具は大事よ。これからもご飯を作ってくれる?」
「うん」
手の震えが収まり、泣きそうな顔で頷いたアマルを鍛冶師の前に連れていき、イリアナは手を解いた。
イリアナはアマルの後ろで二人が相談しているのを見守ることにした。
「ラーナ、これ使って」
ヒューゴは木剣2本と子供用の剣を抱えていた。
「いいんですか?」
「うちで剣術に興味あるの俺だけなんだよ。使わなくなったら返してくれればいい」
イリアナは懐から財布を取り出そうとするとヒューゴが首を横に振った。
「これのお代はいらないよ。お前の弟は俺の弟みたいなもんだしな」
「ヒューゴは大家族なんですね。後輩だけでなくその家族までとは。つぶれないように応援しますわ」
「いや、そうゆう意味じゃないんだけど」
「イリア!!」
イリアナは抱きついてくるアマルを抱きとめる。
アマルはヒューゴをじっとみつめ、ヒューゴもアマルを見つめ返した。
「いつの間にか仲良くなったのね」
「え?」
「は?」
「一週間後にはできるから、取りに来い」
イリアナの感心した様子に見つめ合っていた二人が声を上げた。
次の休養日に取りに来ることを伝え帰ろうとするとイリアナの荷物をヒューゴが取り上げた。
「送るよ」
「明日仕事でしょ?」
「お前もな。こんなに荷物を持って襲われたら自衛できんの?」
辺りは真っ暗だった。
夜道を子供と女が歩くのには危険を伴い、成人した男が傍にいるだけでリスクは減る。
イリアナは対処できても、わざわざアマルに怖い思いはさせたくないので、ヒューゴの言葉にイリアナは首を横に振った。
「ほらな。送る」
「ありがとうございます」
「いつも言うけど、先輩には素直に甘えればいい」
「ありがとうございます。アマル、帰りましょう」
ヒューゴに荷物を任せて、アマルの手を握り帰路につこうとしたイリアナの足が止まった。
帰り道を思い出しているイリアナを見かねたアマルが手を引く。
「イリア、こっち」
「買い物まだなら、付き合うぞ?まだ持てるし、」
ヒューゴの言葉に甘えていくつか買い足しているとイリアナは思いついた。
「ヒューゴ、ご飯食べていきますか?」
「え?いいの?」
「アマル、いい?」
「イリアが言うなら別に」
ヒューゴは王族の所有地に住んでいるイリアナに驚いたが、何も言わなかった。
荷物を置くとアマルが食事の支度を始めた。
「そこ、座ってください」
イリアナは椅子に座らせたヒューゴにお茶を出した。
「食事ってアマルが作るのか?」
「はい」
「ラーナがいつも食事の誘いを断るのは、アマルがいるから?」
「食に興味がありませんし、遠征は仕方ありませんけど……」
「一人にはできないもんな。アマルも一緒ならいいの?」
「アマルも一緒なら構いません。でもアマルが私の関係者と知って面倒なことにならないか心配で」
「嫌われてるもんな」
「気にしても仕方ありません。今後も手出し不要です」
イリアナへの第一騎士団の嫌がらせにヒューゴが抗議したい気持ちを知っているのでイリアナは警告する。
アマルの料理が並び、三人で食事を始めた。
「ヒューゴ、お味はどうですか?」
「美味いよ」
「アマル、良かったね」
「イリア、勘違いしてない?」
「私以外にもアマルの料理を食べてもらいたかったの」
「俺は他の奴の評価なんてどうでもいいのに」
アマルの呟きはイリアナには聞こえなかった。
「また来てもいいか?」
「アマルに胃袋を掴まれたんですね。歓迎しますよ。ヒューゴならアマルと二人でお出かけしても構いませんよ」
「俺はイリアといる!!」
「お友達に歳の差など些細な事よ」
アマルにとってイリアナ以外の評価など価値がないことも、ヒューゴはイリアナと一緒にいるために誘っていることにもイリアナだけが気づいていなかった。
そしてアマルとヒューゴが友達だと思っているのはイリアナだけだった。
昼食を終え、イリアナはアマルと市に向かった。
市を歩いているとイリアナは自分を呼ぶ声に振り返った。
「ラーナ!!」
「ヒューゴ?」
「休みに会うなんて初めてだな。こいつは?」
明るく声を掛けてきたヒューゴの問いにイリアナは悩む。
訳ありのイリアナの関係者は危険に巻き込まれる可能性がある。
積極的に面倒を見る気持ちはなくても、騎士道精神は持っているイリアナはアマルを守る義務を自覚しているため、ヒューゴが危険人物考え、頷いた。
指導係としてお世話になっているヒューゴの面倒見の良さを実感しているイリアナは紹介しても問題ないかと判断した。
「アマルです。うーん、弟子?です」
「ラーナの弟子か。俺はヒューゴ、ラーナの仕事仲間だ。よろしくな」
笑顔で握手を求めるヒューゴをアマルは警戒した顔で見ている。
「人見知りするのか。ラーナ達は買い物か?」
「はい。この子の剣を探しに」
「まずは木剣からだろ?うち、鍛冶屋だから来いよ」
市には日用品や旅商人が売る珍しい物は売っているが、実用的な剣は売っていなかった。
いわくがありそうな剣はあったが、訓練向きのものではなかった。
「アマル、いい?」
「うん」
「ヒューゴは予定はいいんですか?」
「ああ。時間潰しに散歩してただけだし」
市と職場、王宮以外は知らないイリアナはヒューゴの誘いに頷いた。
「ヒューゴ、鍛冶屋さんって包丁とかも作れますか?」
「ああ。親父はなんでもできる。ここだ」
案内されたのはラーナ侯爵家の猟犬達の小屋より狭い小さな工房。中には狭い工房に不釣り合いな熊のような男がいた。
熊のように大柄できちんとした筋肉がついているので、鍛冶師向きの体系かとイリアナは頷いた。
「親父、客だ」
「子供だと?」
「後輩騎士のラーナ、欲しいものがあるんだと」
「お初にお目にかかります。イリアナ・ラーナと申します。いつもヒューゴ様にお世話になっております。持ち合わせはありますので、相談を聞いていただけますか?」
「ああ、あんたが」
頷いた男がイリアナを知っている雰囲気だったので、イリアナは社交用の微笑みを浮かべる。
ラーナ領は一級品の鍛冶職人を抱えており、鍛冶職人への支援も手厚く、鍛冶職人達には有名である。
イリアナは自分のことがどこまで知られているかわからないが、わざわざ調べるほど興味のあることではなかった。
「この子専用の調理用の包丁と剣を作っていただけませんか?」
「坊主にか?」
「私の弟分です。料理に興味がありますが、子供の手には大きい包丁しかありませんので、彼の手に合うサイズのものがほしくて。そろそろ剣も教えようかと」
「姉ちゃん、本気か?」
「この子がやりたいことはやらせるって決めてますから」
「剣は息子のお古を貸してやるよ。坊主来い」
鍛冶師の男は真顔でアマルを見ている。
イリアナは熊のような大柄な男に睨まれ、怖がり不安そうなアマルの手を繋いだ。
「姉ちゃん、この子がどんな子でも面倒みる気があるのか?」
イリアナは鍛冶師の男に睨まれたが、怖さは欠片もなかった。
イリアナとアマルは外見が違いすぎて親戚には見えない。未成年が幼い子供を保護していれば訳ありと思われても当然である。
アマルの手が震えた。
イリアナは怯えているアマルの頭を撫でて鍛冶師の男に向き直った。
「この子が私の傍にいたいと望んでくれるなら、私から手を離すことはありません」
「イリア」
イリアナはアマルの震えている手を握る力に少し力をいれた。
「アマル、手の大きさに合う道具は大事よ。これからもご飯を作ってくれる?」
「うん」
手の震えが収まり、泣きそうな顔で頷いたアマルを鍛冶師の前に連れていき、イリアナは手を解いた。
イリアナはアマルの後ろで二人が相談しているのを見守ることにした。
「ラーナ、これ使って」
ヒューゴは木剣2本と子供用の剣を抱えていた。
「いいんですか?」
「うちで剣術に興味あるの俺だけなんだよ。使わなくなったら返してくれればいい」
イリアナは懐から財布を取り出そうとするとヒューゴが首を横に振った。
「これのお代はいらないよ。お前の弟は俺の弟みたいなもんだしな」
「ヒューゴは大家族なんですね。後輩だけでなくその家族までとは。つぶれないように応援しますわ」
「いや、そうゆう意味じゃないんだけど」
「イリア!!」
イリアナは抱きついてくるアマルを抱きとめる。
アマルはヒューゴをじっとみつめ、ヒューゴもアマルを見つめ返した。
「いつの間にか仲良くなったのね」
「え?」
「は?」
「一週間後にはできるから、取りに来い」
イリアナの感心した様子に見つめ合っていた二人が声を上げた。
次の休養日に取りに来ることを伝え帰ろうとするとイリアナの荷物をヒューゴが取り上げた。
「送るよ」
「明日仕事でしょ?」
「お前もな。こんなに荷物を持って襲われたら自衛できんの?」
辺りは真っ暗だった。
夜道を子供と女が歩くのには危険を伴い、成人した男が傍にいるだけでリスクは減る。
イリアナは対処できても、わざわざアマルに怖い思いはさせたくないので、ヒューゴの言葉にイリアナは首を横に振った。
「ほらな。送る」
「ありがとうございます」
「いつも言うけど、先輩には素直に甘えればいい」
「ありがとうございます。アマル、帰りましょう」
ヒューゴに荷物を任せて、アマルの手を握り帰路につこうとしたイリアナの足が止まった。
帰り道を思い出しているイリアナを見かねたアマルが手を引く。
「イリア、こっち」
「買い物まだなら、付き合うぞ?まだ持てるし、」
ヒューゴの言葉に甘えていくつか買い足しているとイリアナは思いついた。
「ヒューゴ、ご飯食べていきますか?」
「え?いいの?」
「アマル、いい?」
「イリアが言うなら別に」
ヒューゴは王族の所有地に住んでいるイリアナに驚いたが、何も言わなかった。
荷物を置くとアマルが食事の支度を始めた。
「そこ、座ってください」
イリアナは椅子に座らせたヒューゴにお茶を出した。
「食事ってアマルが作るのか?」
「はい」
「ラーナがいつも食事の誘いを断るのは、アマルがいるから?」
「食に興味がありませんし、遠征は仕方ありませんけど……」
「一人にはできないもんな。アマルも一緒ならいいの?」
「アマルも一緒なら構いません。でもアマルが私の関係者と知って面倒なことにならないか心配で」
「嫌われてるもんな」
「気にしても仕方ありません。今後も手出し不要です」
イリアナへの第一騎士団の嫌がらせにヒューゴが抗議したい気持ちを知っているのでイリアナは警告する。
アマルの料理が並び、三人で食事を始めた。
「ヒューゴ、お味はどうですか?」
「美味いよ」
「アマル、良かったね」
「イリア、勘違いしてない?」
「私以外にもアマルの料理を食べてもらいたかったの」
「俺は他の奴の評価なんてどうでもいいのに」
アマルの呟きはイリアナには聞こえなかった。
「また来てもいいか?」
「アマルに胃袋を掴まれたんですね。歓迎しますよ。ヒューゴならアマルと二人でお出かけしても構いませんよ」
「俺はイリアといる!!」
「お友達に歳の差など些細な事よ」
アマルにとってイリアナ以外の評価など価値がないことも、ヒューゴはイリアナと一緒にいるために誘っていることにもイリアナだけが気づいていなかった。
そしてアマルとヒューゴが友達だと思っているのはイリアナだけだった。
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