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第二章
行きはよいよい帰りはしんどい。
しおりを挟む煙を見て、先生たちはすぐにやって来てくれた。
道からそれた私達を怒ろうとしたが、イージッタの姿を確認して顔を曇らせどうするか話し始めた。
「とりあえず、君たちは僕と一緒に学校に戻ろうか。」
シャマリオ先生に声をかけられるままに、昨日まで歩いた道を引き返す。
「先生、イージッタは……」
もしかしたら、死んだフリで、構ってほしくて演技してたんじゃと。あり得ないとわかっていながら聞いてしまう。
「一応病院に連れて行くみたいだけど、ダメだろうね。」
「だろうね、あんな姿じゃ。」
アルベルトのお陰で私は直視せずにはすんだが、直に見た他の三人も年齢の割に落ち着いている。
「この山は君たち生徒に危害が加わらないように、部外者が入ってこれないように管理されていた。その上、現地には君たち以外の生徒は全員たどり着いていた。」
「何がいいてぇんだよ。」
「いやいや、険しい道を通れば、もちろん誰だって山に入ることは出来るさ。」
「先生は僕達を疑ってるんですか。」
さすがのレミジオも気分を悪くしたようで先生を睨みつける。そりゃ容疑者にされたら怒るか。
「そんなわけないじゃないか。可愛い生徒を疑うなんて。」
「僕達はイージッタとはぐれた後、暗闇で動けなくなり待機しました。朝になってイージッタを見つけるまでずっと四人です。」
各自の姿が見えなかったのは、暗闇の中でだが、光りもなくイージッタの所まで行き、戻るなんて人の目には不可能だ。
何なら私と誰かは一緒に寝てたから、名乗ってくれればお互い証明出来るだろう。恥ずかしいけど。
「うんうん、昨日は月も出てなかったよね。ごめんね、ショックだろうに変なこと言って。」
シャマリオ先生はどこ吹く風だ。
先生なのに、この人はフォローをする気もないらしい。
「そんなことないよ、君たちのことはとっても心配してる。」
「だから心読まないでください。」
「僕たちは警察じゃないからね、真実を知ってれば助けれることもある。それだけだよ。」
「僕達は何も知らない、それが真実ですよ。」
レミジオは言い捨てて、それ以上口を開くことはなかった。
道なりに歩いて、行きより長いようで短い時間で学校に着いた。
先生達から連絡が行ってたようで、警察がすでに待機していた。
学校では生徒とはいえ、レミジオは王子だ。
一通り簡単なボディチェックをした後、先に身支度を整えたり食事をさせて貰えた。
警察の人に呼ばれて話をするも、私が話せるのもレミジオが先生に話してた事と同じだ。
警察の人も、不審者が入ってきたのだろうと、不運な出来事だと、以前聞いたことのあるセリフで答えてくれた。
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