45 / 52
第三章
机に伏せて寝ると型がつく。
しおりを挟む教室に着くもセレナの姿はなかった。
探しに行こうとするが授業が始まり、セレナは体調を崩して早退したと言われた。
授業が終わり、急いでセレナの寮の部屋に向かった。
「セレナ、大丈夫?」
ドアをノックして返事を待つ。少しして、セレナがドアを開けてセレナが顔を出す。
泣いていたようで、目が赤くなっていた。
「大丈夫よ。」
「そんな顔には見えないけど、ちょっと話せる?」
部屋を開けて迎え入れてくれた。中に入るとセレナから口を開いてくれた。
「レミジオに対して、あんな態度を取るつもりはなかったのよ。」
「存在無視してたもんね……」
話を聞くと、予想通りレミジオがモテてのヤキモチからの行動だったらしい。
こちらに来ていた留学生は積極的でレミジオに対して「輝いてる人」とみんな夢中になってたようだ。
「私なんて、堕ちてるって言われましたけどね。」
「えぇ、ジュリアまでそんな侮辱をされていたの!」
「ジュリアまでって、まさかセレナも言われたの?」
「私ではないのだけど、事件の事を先生から伝えられた時に、留学生の方達がニーナのことを堕ちてたと……」
「えっと、こっち側にはヒミコっていう視える人がいたんだけど……そんな人がいたってこと……?」
「詳しくはわからないけど……それで私が怒って注意したらレミジオは文化の違いだからと……でもニーナが不憫で……」
なるほど、単なるヤキモチだけでなく、ニーナへの気持ちもあったのか。
しかしレミジオも真っ直ぐな性格だから、セレナの言うとおり留学生がニーナを侮辱するようなことを言ってたら怒りそうな気もする。
またレミジオの方にも話を聞いてみようと思い、今日はセレナの話に付き合うことにした。
次の日、早めに教室に行くとレミジオがすでに来ていた。早く来てるのは知っていたが、一番に来ていたようで他にはまだ誰も来ていない。
「おはよう、ジュリア」
「おはよう、早いね。」
「あぁ、普段からあまり寝る習慣がなくてね。今日は特に、花を変えてあげようと思ってね。」
ニーナの机には花が飾ってあった。どうやらレミジオが置いてくれてたようだ。
「ありがとう、ニーナも喜んでるよ。」
「そうだといいな……アルベルトも、気づいてやれなかったしね。」
「……それはレミジオの責任じゃないよ。」
「……」
レミジオが何か言おうとしたが、ドアが開くのを見て口を閉じてしまった。
「おはよー。あれ、ジュリア珍しく早いじゃん。」
「ジュリオこそ、いつも遅刻ギリギリの癖に今日に限って早いのね。」
「いやー、ジュリアがフラれるのが見れる気がしてね。」
ジュリオを無視してレミジオに話の続きを聞きたかったが、授業の準備をする為に教室から出ていってしまった。
「……で、レミジオから何か聞けたの?」
「え?」
「ジュリアもレミジオと話をしようとして、早く来たんだろ?まさか本当に告白でもしてたとか。」
「そんな訳ないでしょ。話って言ってもアルベルトとニーナに申し訳ないなって感じの話でジュリオが来たから、何も重要なことは話してないよ。」
「そっか……じゃ、俺はちょっと寝るから授業始まったら起こしてよ。」
そういうとジュリオは机に伏せて眠ってしまった。
「え、早く来たのに寝るの。」
「だって誰かのせいでレミジオと話出来なかったからねー。」
自分だったらもっと話出来てたってか。
授業が始まっても起こさずに放置することにした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
28
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる