俺の周りは女装好きだらけ?!

棚田 野乃子

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オトコからの卒業

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「そういえば、ご褒美まだだったね~」

なんて俺の言葉もスルーで、ついて来て?と言われたので、言われるがままについて行く。
ついて行った先は姉の部屋のクローゼット。

「じゃじゃーん!」

姉はクローゼットを開けると女性物の服が沢山。まぁ、ここまではごく普通の話。

ここからは察したくない。

「着て?」

と、一言。

「はぁぁぁぁ?!俺?!」
何から何まで唐突すぎるぞ。俺の姉。
「なんで俺?!俺が着るの!?つか、女性モンじゃん。姉ちゃんの服でしょ?私服とロリータ?ゴスロリ?…え?メイド服?いやいやいや、意味わからない…ていうか、ヴィッグもあんの?じゃなくて、なんなの?その『えー着てくれないの?』みたいな顔。分かってるからね?そのポーカーフェイスの奥には残念そうな気持ちが湧き上がってんだろ?最悪」

ノンブレスでツッコミを。
真夏のエアコンのない部屋でツッコミが追いつかない。というかギリギリだ。

姉はすごく不服そうな顔してる。俺も負けず劣らず、そういう顔をする。

「あのさァ。この服たちは確かに可愛い。可愛いよ。姉ちゃんのセンスは抜群だよ。だけどさ、その前にひとつ聞いていいか?」

ジロっと目を細めて睨む。

「俺は男か女、どっちだよ。」

「女の子!」姉、即答。


「俺は女の子じゃねぇよ……」
なんか、腹の煮えくり返ってきてたのがシュン、と冷えてきた。
沸点が高いなぁ…怒りが冷めちゃっただろ。
いかにも堂々たるドヤ顔で「女だ」と言われたら自分が情けなくなってきた。
ちらっと姉を見る。何だかどす黒い笑顔が見えた。
あ、まずい。俺の本能が察して、俺は後退る。
姉はゆっくり近寄る。
ニタニタ顔でとてもどす黒いオーラを背負って、手にはセーラー服が見えた。
俺はドン引きしている。

そこへ母が「もうそろそろ夕飯よー!2人とも2階から降りてきなさーい?」なんて声があった。
ナイス母!!
俺は今この空間から逃げることが出来……、

ワイワイきゃぁきゃぁしてるもんだから、母は2階にやって来た。

嘘だろ……母さん。この異空間とも言える姉の部屋に来たら……俺は逃げ道がない……。

「ねぇ!見てみて!お母さん!祐也ったら、こんな思い出の写真見てたんだよ?」

母が姉の部屋へ入ってくるなり、あの例の写真を見せた。

「あら~。懐かしいわね!この時の佑ちゃん、本当に女の子みたいだったわ~!本当可愛いんだから!今も可愛いから安心してね?」


まっっったく安心できないよ、母さん!
俺のライフはもうゼロだ……。

この人は天然の末期だったな。
母さん、俺は残念でならないよ。

姉と母は楽しそうな顔を俺に見せてきた。

「流石は祐也。今決めたんだけどさ、私が服をプロデュースしてあげるから!今から“妹”に可愛く育ててあげるんだから、女装して過ごしたらいいと思うの」

いや、良くない。その方向性は間違っている。
形から入るのは大事だとか、誰か言ってたけど。何から何までこれは全部間違っている。

なんなんだその目標。もうとっくにツッコミができない。声にもならない。
妹じゃないんですけど。れっきとした弟なんですけど。弟だと不満なのかね姉は。

「不満?何も無いよ?寧ろ自慢の弟。勉強できるし頭いいし、力仕事もできるし、お手伝いもできるし、なにより可愛くて、女の子みたいで、確かに子供の頃は妹欲しかったなって思ったけど。でもこんな可愛いんだから、本当に自慢しかない。」

お褒めの言葉ありがとう。前半の言葉は嬉しいけど後半は複雑だ。

「いいわねぇ。可愛いなら何でもありよ」

母さん。姉ちゃんのノリに乗らんでもらっても?
ああ、ダメだ……聞いちゃない。
俺の話はスルーかよ!!

なにか2人で話し合ってる。
俺の命もこれまでか。

覚悟を決めたが、2人に羽交い締めされ、夕方の空に俺の悲鳴が広がったのは言うまでもない。
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