シングルマザー 子供と、異世界へ行く!【完結】

チャップスティック

文字の大きさ
27 / 43

26

しおりを挟む

しゅるしゅる… 
と手のひらで遊ぶ白い蛇、 

舌をチョロチョロっと 
出して首を少し傾ける。 




「こうしてみると蛇も可愛いね~」 

アダムの 
服の中にいた一匹なのだが、
 
テイムを、 
終えても私達から離れず 
こうして一緒に魔王城へと向かう事になった。


冷たい肌で 
しゅるしゅると腕をのぼって、 
服の中に入って行く白蛇、

「あっ…ンッンッ…あっ…くすぐったい…あんっ…まっ…くすぐったいって…」


今は脇の下辺りを 
移動している動きに思わず 
声が出てしまう。


「…こいつ、オスか?やけにテクニシャンだな、スケベ蛇めっ」 
 


裾から出て来た 
蛇を掴むとアダムに突き返す。  




「それにしてもアダムはすごいんだね~!!あんなに沢山の蛇を味方にするなんて!メデューサも驚いてたよね!」

蛇が出て来た裾を直しながら 
アダムを褒める。
 

「いやいや!そんなことないです!」

彼は頰を赤らめながら両手を横に振る。 
  



「謙遜する事はない。あの数を一気にテイムするのは至難の技だ。さすがテイマーズ家の者だ」

と大賢人のスワロフが褒めると 
アダムは嬉しそうに 
手に乗せた白蛇を見つめていた。 

 
「ちなみにアダムは魔獣もいけるんだよな?」

ロジャーは仲間が褒められるのが 
嬉しい様で自慢気にそう言った


「魔獣なら数は限られますが、テイム出来ますよ」

というのがアダムの答えだった。

 
 
「いいなぁ…アダムばっかり~俺も褒められたいな~」

なにも見せ場の無かった 
ジャスティンは、 
またメンドクサイ男になっていた。
 



クール風に見えて、 
 
いろんな一面がある彼を 
かわいいと思ってしまう 
私は変わっているのだと思う。 

 


最初の頃は 
顔を合わせればケンカばかりで、 
合わない人だと思っていたが、 
少しずつ打ち解けてくれたのが 
嬉しく思う 



「はいはい、ジャンも次頑張って下さいね」
 



…チュ

そう言うと 
背伸びをして 
ジャスティンの頰に軽くキスをする。
 



メデューサに襲われる前に、 
手を握るだけじゃ足らないって 
言っていたのを覚えていたからだ。
 


皆の前で少し恥ずかしいが、 
これで元通りの 
勇ましい騎士団長になるのなら 
お安いご用と思った。


ジャスティンは 
目を丸くし一瞬驚いた表情をしていた。 
 


ギラリと眼を光らせ、 
するどくこちらを見てくる。 
 



「…コレでも足りない」 

いらないスイッチを押してしまった様だ 

 




「ジャン、また邪魔が来たようだぜ?」

山の上から魔獣の姿が見える、 




「あら?こっちからも?」

今歩いてきた道からも、

「こちらからもだ」

川からも、

「うわー、空からも来てます~!」


休むことない戦いが続く。 

皆は各々の特技で魔獣を倒して行く。  魔獣レベルは 
サラリと準備運動の様に躱す5人。
 



一息ついて、また襲われる。
昼も夜も 
物影からいきなり魔獣がやってくる。
 



人同士では 
味わえないスリルに 
皆、少し楽しんでいる様にも見える、
 





「お前はここにいろっ」
 


ジャスティンの腕の中で 
匿われながら身を隠す 
足手まといの私だが、
 



彼の起爆剤になるのなら 

ちゃんと役割を果たそうと思う 




しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?

エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。  文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。  そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。  もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。 「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」  ......って言われましても、ねぇ?  レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。  お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。  気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!  しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?  恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!? ※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした

鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、 幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。 アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。 すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。 ☆他投稿サイトにも掲載しています。 ☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。

処理中です...