76 / 154
3-09 異能の力
しおりを挟む
***
己、という存在を自覚してから、生きることに喜びを見い出せなかった。かといって、死ぬことに意義も見い出せない。
だから、ただ己の生にだけ執着する獣の如く、暗い世界でなりふり構わず他の命を奪い続けていた。
この先に何があるか分からないが、湧き上がる本能に忠実に従う。
生きる気なんてないくせに相手の命を傷付け、死ぬ気なんてないくせに自分の命を傷付けていく。
次第に心が壊死していくのが分かった。体は生きているはずなのに、地に足がついていない感覚が襲う。空虚、空虚、空虚。修復が不可能だと思うほど心に穴が開いていく。
そんな屍のような生を生きていた時、待ち望んでいた光が差し込んで――。
「行くぜ、アーレントォォ!」
クルムの前三メートルほどの距離でオレオルは急にブレーキを掛けると、スピードに乗ったまま武器である槍を左腰の方に構えた。槍の石突が見えるだけで、その切っ先はオレオルの体に隠されて目視することは出来ない。
クルムも銃を構え、オレオルの技に対抗出来るように注意を払う。
しかし、オレオルがニヤリと口を歪めたことで、クルムは自分の判断に誤りがあったことを悟った。
「遅ェ! 必殺・真閃!」
オレオルはそう叫ぶと、まるで剣士が居合切りを放つように、目にも留まらぬ速さで槍を鋭く振るう。
槍の切っ先が横薙ぎにクルムの胴を襲いに来た。このままオレオルの「真閃」に当たれば、クルムの胴体が真っ二つになることは間違いないだろう。
上に跳ぶか、下にしゃがむか、左右に身を転がすか――、クルムの中に様々な選択肢が生まれる中、
「っ」
敢えてクルムは前へと走ると、軽やかに槍の柄に触れ、高く飛んだ。
刹那でもタイミングを間違えると、自分の身が危うまれる賭けのような挑戦だったが、クルムは見事躱すことに成功した。
「ちィッ!」
オレオルは舌打ちを鳴らし、空を見上げた。クルムが空にいる。先ほどオレオルが跳躍したよりも、その高さは僅かに上だ。
「だがなァ! 空中だと身動きは取れねェだろ! 格好の獲物だぜ!」
槍を投げてクルムを打ち落とす算段なのだろう――、オレオルが空に向けて槍を構えた。その時、突如、一発の銃声が空から降り注がれた。見ると、クルムが銃の反動を利用して、空中を移動しているところだった。
オレオルは再び舌打ちをする。今ここで槍を投げても、きっとクルムには届かない。むしろ、武器を手放すことにより余計にクルムに隙を与えてしまうことになる。オレオルは力強く槍を握りしめながら、再び空に銃声が響くのを耳にした。
何発か銃声が響いた後、クルムは空から姿を消し、岩場の中へと身を隠した。
「姿を晦ましやがったか……」
荒地に広がる岩場を見つめながら、オレオルは小さく呟いた。
そして、オレオルは深く息を吸うと、
「おい! お前らの連れがこの俺に恐れをなして逃げやがったぞ!」
クルムを煽る様に、リッカとシンクに向けて言葉を放った。
しかし、そんな言葉を真に受けるリッカとシンクではない。二人は全く動じることなく、むしろオレオルを睨みつけている。
あのクルムが尻尾を巻いて逃げることなどあり得ないことだ。
きっと今頃は、岩の裏で時間を稼ぎ、誰も傷つかないでこの場を切り抜ける作戦を考えていることだろう。
「はッ、どうやらアーレントを信頼しているようだな。……だが、このままじゃ埒が明かねェ」
オレオルは首を鳴らすと、溜め息交じりに呟いた。
そして、まるで最終手段だと言いたいように、ゆっくりと漆黒の左目へと手を持っていき、
「身を潜めれば居場所が分からない――……、本気でそう考えてるのか? アーレント」
冷たい声がすっかり夜になった荒地に響いた。
無論、身を潜めるクルムからは言葉は返って来ない。わざわざ声を出して、自分の場所を相手に伝える人間がどこにいるだろうか。幸い、このバルット荒地一帯には岩が多くあるのだ。この中でクルムというたった一人の人間を探し当てるのは容易ではないだろう。
「だとしたら――」
言葉を区切るオレオルから異様な空気が発せられた。否、異様な空気がオレオルの左目に集っていく。
リッカとシンクは息を呑んでオレオルの動向を見ることしか出来なかった。この先何が起こるのか、二人には予想することも叶わない。ただ嫌な予感がすることだけは間違いなかった。
そんな二人の予感を助長するように、オレオルは左手を下ろし、漆黒の目を露わにすると、
「――今の俺の敵じゃねェ」
言葉を放った瞬間、オレオルの左目から一筋のか細い赤の光が顕現した。
その光は曲線を描きながら、様々な障害を越えて伸びていく。まるで血に飢えた蛇が獲物を強かに探すように艶めかしく進んでいき――、一つの岩に辿り着いた。
そして、導かれるように、光が当てられた岩へとオレオルの顔が向きを変える。
その仕草に、岩場から盗み見ていたクルムは目を開き、驚きの表情を見せた。
「言っただろ? 全部見えてるって」
まるで本当にすべてを見通しているかのように、オレオルは言葉を紡ぐ。しかし、そう言うオレオルの表情は、相当無理をしているのか、苦痛に歪んでいた。顔には汗も滴っている。
それでも、オレオルは全てを振り払って、まさに獲物を前にした狼のように歯を剝き出しにすると、
「必殺・崩牙葬鋼戟ィ!」
体がねじ切れると思わせるほど限界まで体を捻り、その勢い、槍を投げ飛ばした。
投げ飛ばされた槍はあまりの速さからか、風を、空気を無音で貫いていく。そして、クルムが身を潜めている岩まで達すると、頑丈な岩を物ともせずに、まるで砂を崩すように軽々しく貫通した。頑丈であるはずの岩を貫いても尚、槍の推進力は留まることを知らず、更に一個、二個、三個の岩を貫き、ようやく四個目の岩で槍はその勢いを止めた。
しかし、この槍の軌道は常人の目には捉えることが出来ない。実際、オレオルが投擲した瞬間を見ていたリッカとシンクにも槍の行方がどうなったのか分かっていなかった。
それでも槍の軌跡を説明出来る確かな証拠は――、
「ッ!」
時間差を伴って、岩が次々と崩れ落ちたのだ。岩が崩れることで、あちこちから砂塵が舞い、視界が悪くなる。それが、オレオルの放った技「崩牙葬鋼戟」の軌跡であることは確かだった。
そして、その砂塵の中に一人分の人影が立ち尽くしていた。
「クルムッ!」
リッカは思わずその人影の名を呼んだ。クルムの名前を呼ぶ声が震える。
砂塵に紛れるクルムは左肩を抑えていたのだ。
先ほどオレオルが放った技「崩牙葬鋼戟」により、クルムの左肩は負傷していた。出血が止まらず、見るのも憚れるほどの生々しい傷だ。
しかし、これでもまだマシな傷だった。「崩牙葬鋼戟」は音を立てずにクルムの心臓を抉り取ろうと迫っていた。直前までクルムがオレオルがどのように攻撃を仕掛けたのか分からなかった。
ならば、どうして反応出来たのか――、それは槍が岩を貫通する瞬間の音を、クルムは耳にしたからだ。些細な音を頼りに反射的に体を動かして、なんとか直撃だけは避けた。だが、直撃を免れただけで切っ先に掠めてしまった結果、左肩の一部が抉られてしまった。
クルムは声を上げず、右手で損傷した左肩を抑えている。けれども、体を労わる時間など、オレオルが与える訳がない。
オレオルはゆっくりと歩き始めると、
「はっ、どうよ。そろそろ負けを認める気になったか?」
余裕の表情を浮かべるオレオルに対し、クルムは小さく首を横に振った。
そして、クルムは一度だけ目を瞑り、再び開くと、
「事情が変わりました。――あなたには悪魔がいます」
オレオルに向けて衝撃的な一言を、確信を伴ったように断言したのだった。
己、という存在を自覚してから、生きることに喜びを見い出せなかった。かといって、死ぬことに意義も見い出せない。
だから、ただ己の生にだけ執着する獣の如く、暗い世界でなりふり構わず他の命を奪い続けていた。
この先に何があるか分からないが、湧き上がる本能に忠実に従う。
生きる気なんてないくせに相手の命を傷付け、死ぬ気なんてないくせに自分の命を傷付けていく。
次第に心が壊死していくのが分かった。体は生きているはずなのに、地に足がついていない感覚が襲う。空虚、空虚、空虚。修復が不可能だと思うほど心に穴が開いていく。
そんな屍のような生を生きていた時、待ち望んでいた光が差し込んで――。
「行くぜ、アーレントォォ!」
クルムの前三メートルほどの距離でオレオルは急にブレーキを掛けると、スピードに乗ったまま武器である槍を左腰の方に構えた。槍の石突が見えるだけで、その切っ先はオレオルの体に隠されて目視することは出来ない。
クルムも銃を構え、オレオルの技に対抗出来るように注意を払う。
しかし、オレオルがニヤリと口を歪めたことで、クルムは自分の判断に誤りがあったことを悟った。
「遅ェ! 必殺・真閃!」
オレオルはそう叫ぶと、まるで剣士が居合切りを放つように、目にも留まらぬ速さで槍を鋭く振るう。
槍の切っ先が横薙ぎにクルムの胴を襲いに来た。このままオレオルの「真閃」に当たれば、クルムの胴体が真っ二つになることは間違いないだろう。
上に跳ぶか、下にしゃがむか、左右に身を転がすか――、クルムの中に様々な選択肢が生まれる中、
「っ」
敢えてクルムは前へと走ると、軽やかに槍の柄に触れ、高く飛んだ。
刹那でもタイミングを間違えると、自分の身が危うまれる賭けのような挑戦だったが、クルムは見事躱すことに成功した。
「ちィッ!」
オレオルは舌打ちを鳴らし、空を見上げた。クルムが空にいる。先ほどオレオルが跳躍したよりも、その高さは僅かに上だ。
「だがなァ! 空中だと身動きは取れねェだろ! 格好の獲物だぜ!」
槍を投げてクルムを打ち落とす算段なのだろう――、オレオルが空に向けて槍を構えた。その時、突如、一発の銃声が空から降り注がれた。見ると、クルムが銃の反動を利用して、空中を移動しているところだった。
オレオルは再び舌打ちをする。今ここで槍を投げても、きっとクルムには届かない。むしろ、武器を手放すことにより余計にクルムに隙を与えてしまうことになる。オレオルは力強く槍を握りしめながら、再び空に銃声が響くのを耳にした。
何発か銃声が響いた後、クルムは空から姿を消し、岩場の中へと身を隠した。
「姿を晦ましやがったか……」
荒地に広がる岩場を見つめながら、オレオルは小さく呟いた。
そして、オレオルは深く息を吸うと、
「おい! お前らの連れがこの俺に恐れをなして逃げやがったぞ!」
クルムを煽る様に、リッカとシンクに向けて言葉を放った。
しかし、そんな言葉を真に受けるリッカとシンクではない。二人は全く動じることなく、むしろオレオルを睨みつけている。
あのクルムが尻尾を巻いて逃げることなどあり得ないことだ。
きっと今頃は、岩の裏で時間を稼ぎ、誰も傷つかないでこの場を切り抜ける作戦を考えていることだろう。
「はッ、どうやらアーレントを信頼しているようだな。……だが、このままじゃ埒が明かねェ」
オレオルは首を鳴らすと、溜め息交じりに呟いた。
そして、まるで最終手段だと言いたいように、ゆっくりと漆黒の左目へと手を持っていき、
「身を潜めれば居場所が分からない――……、本気でそう考えてるのか? アーレント」
冷たい声がすっかり夜になった荒地に響いた。
無論、身を潜めるクルムからは言葉は返って来ない。わざわざ声を出して、自分の場所を相手に伝える人間がどこにいるだろうか。幸い、このバルット荒地一帯には岩が多くあるのだ。この中でクルムというたった一人の人間を探し当てるのは容易ではないだろう。
「だとしたら――」
言葉を区切るオレオルから異様な空気が発せられた。否、異様な空気がオレオルの左目に集っていく。
リッカとシンクは息を呑んでオレオルの動向を見ることしか出来なかった。この先何が起こるのか、二人には予想することも叶わない。ただ嫌な予感がすることだけは間違いなかった。
そんな二人の予感を助長するように、オレオルは左手を下ろし、漆黒の目を露わにすると、
「――今の俺の敵じゃねェ」
言葉を放った瞬間、オレオルの左目から一筋のか細い赤の光が顕現した。
その光は曲線を描きながら、様々な障害を越えて伸びていく。まるで血に飢えた蛇が獲物を強かに探すように艶めかしく進んでいき――、一つの岩に辿り着いた。
そして、導かれるように、光が当てられた岩へとオレオルの顔が向きを変える。
その仕草に、岩場から盗み見ていたクルムは目を開き、驚きの表情を見せた。
「言っただろ? 全部見えてるって」
まるで本当にすべてを見通しているかのように、オレオルは言葉を紡ぐ。しかし、そう言うオレオルの表情は、相当無理をしているのか、苦痛に歪んでいた。顔には汗も滴っている。
それでも、オレオルは全てを振り払って、まさに獲物を前にした狼のように歯を剝き出しにすると、
「必殺・崩牙葬鋼戟ィ!」
体がねじ切れると思わせるほど限界まで体を捻り、その勢い、槍を投げ飛ばした。
投げ飛ばされた槍はあまりの速さからか、風を、空気を無音で貫いていく。そして、クルムが身を潜めている岩まで達すると、頑丈な岩を物ともせずに、まるで砂を崩すように軽々しく貫通した。頑丈であるはずの岩を貫いても尚、槍の推進力は留まることを知らず、更に一個、二個、三個の岩を貫き、ようやく四個目の岩で槍はその勢いを止めた。
しかし、この槍の軌道は常人の目には捉えることが出来ない。実際、オレオルが投擲した瞬間を見ていたリッカとシンクにも槍の行方がどうなったのか分かっていなかった。
それでも槍の軌跡を説明出来る確かな証拠は――、
「ッ!」
時間差を伴って、岩が次々と崩れ落ちたのだ。岩が崩れることで、あちこちから砂塵が舞い、視界が悪くなる。それが、オレオルの放った技「崩牙葬鋼戟」の軌跡であることは確かだった。
そして、その砂塵の中に一人分の人影が立ち尽くしていた。
「クルムッ!」
リッカは思わずその人影の名を呼んだ。クルムの名前を呼ぶ声が震える。
砂塵に紛れるクルムは左肩を抑えていたのだ。
先ほどオレオルが放った技「崩牙葬鋼戟」により、クルムの左肩は負傷していた。出血が止まらず、見るのも憚れるほどの生々しい傷だ。
しかし、これでもまだマシな傷だった。「崩牙葬鋼戟」は音を立てずにクルムの心臓を抉り取ろうと迫っていた。直前までクルムがオレオルがどのように攻撃を仕掛けたのか分からなかった。
ならば、どうして反応出来たのか――、それは槍が岩を貫通する瞬間の音を、クルムは耳にしたからだ。些細な音を頼りに反射的に体を動かして、なんとか直撃だけは避けた。だが、直撃を免れただけで切っ先に掠めてしまった結果、左肩の一部が抉られてしまった。
クルムは声を上げず、右手で損傷した左肩を抑えている。けれども、体を労わる時間など、オレオルが与える訳がない。
オレオルはゆっくりと歩き始めると、
「はっ、どうよ。そろそろ負けを認める気になったか?」
余裕の表情を浮かべるオレオルに対し、クルムは小さく首を横に振った。
そして、クルムは一度だけ目を瞑り、再び開くと、
「事情が変わりました。――あなたには悪魔がいます」
オレオルに向けて衝撃的な一言を、確信を伴ったように断言したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
『紅茶の香りが消えた午後に』
柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。
けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。
誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる