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4-10 その手で掴みたいのは
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「甘ェ!」
「ッ!」
突如、ガルフは剣を手放し、そのままクルムに向かって拳を振り抜いた。銃身の間を掻い潜って、クルムに建物を崩すほどの威力を持った拳がぶつかる。先ほど斬撃を喰らった左脇腹に、再び拳を浴びたクルムは耐え切れず、血反吐を吐いた。
全身に痛覚が走り、その痛みを少しでも逃がそうと反射的に体を屈めようと――、
「ハッ、休んでる暇はねェぞ!」
――する暇も与えずに、ガルフがクルムに連打を仕掛けた。クルムは痛みに意識を向けることを止め、ガルフの攻撃に対応する。
しかし、剣という重量を捨てたガルフの攻撃は、先ほどと比較して速くなっていただけでなく、拳が一発一発放たれる度に空を切り裂く轟音を奏でている。クルムは身を屈めたり、銃身でガルフの拳を防いだりするも、全てを躱すことは出来なかった。
クルムの体にみるみると生々しい傷が増えていった。
「お前の信念は知ってる! 何も失うことなく、全てを救いたいと!」
ガルフは拳を振るいながら叫ぶ。
「けどなァ、お前のやり方じゃ全員を救うことは出来ねェ! いや、誰にだって全部を救うことなんて不可能なことなんだよ!」
骨と骨がぶつかり合う嫌な音が、次第に大きくなっていく。振るわれる拳に、ガルフの想いが呼応しているかのようだ。
殴打の雨に耐え忍びながら、クルムは黙ってガルフの言葉に耳を傾けている。
「人間は小っちェ! その手で掴めるものなんて限られてる! なら、何かを捨てて、得るべき最善のものを得る! ……そうだろッ、アーレント!」
拳を連続して振ることに疲れたのか、ガルフは攻撃を止めて叫んでいた。否、ガルフはたったこれだけの攻撃で疲労することはない。ガルフが息を切らしているのは、感情に任せて、言葉を吐き続けたからだ。
「ガルフさんの仰る通り、取捨選択は……大事です」
クルムはゆっくりと息を吐くと、ガルフの言葉を肯定した。クルムが言葉を紡ぐ度、全身が大きく動く。
オーヴでの戦闘、ガルフとの攻防、限界を超えた反撃、それすらも超えるガルフの殴打。クルムの体力は、もうほとんど残されていないのだ。むしろ、これだけ連続した状況の中で、よくぞここまで持ち堪えた方だろう。
クルムの言葉に、ガルフは自分の拳から視線を上へと向けた。
「なら――」
「だからこそ、一人で苦しんでいる悪魔人を、僕は切り捨てることは出来ません。たとえ、僕の命を捨てることになろうとも、僕は最後まで手を伸ばします」
傷だらけの体で、なおクルムは宣ってみせた。
「ハ、ハハッ……」
ガルフは意図せずに乾いた笑いを漏らす。
圧倒的な実力差を見せつけても、クルムの意志は変わらない。
ガルフがクルムと終の夜という組織の中で初めて出会った時からそうだった。
人にへりくだるような話し方をするくせに、自分が正しいと思ったことは絶対に意見を曲げない。
争いが苦手そうな表情をしているくせに、誰かが争いを始めるといの一番に止めに入る。
クルムのやること成すことは、すべて模範解答の如く完璧だった。
まるで、クルムと周囲の人間には、高く超えられない壁が隔てられているかのようだった。
昔も、今も、そしてこれからもクルムは変わらないだろう。
そして、全てを一蹴するように短く「ハッ」と笑ってみせると、
「悪魔人になる奴は、それだけ悪魔に魅入られるような罪を犯し、そうなる理由がある。同情の余地もねェ! 俺達に出来ることは、一刻も早く悪魔ごと悪魔人を滅ぼし、二度と罪を犯させないようにすること! そして、人々の平和を守ること! そうだろォ!」
先ほどの感情の起伏を引き継いで、ガルフは声を荒げ、必死にクルムを解き伏そうとする。しかし、クルムはガルフと違って、落ち着いた様子で首を横に振る。
「違います。誰だって変わることは出来る。悪魔人となってしまった人だって、彼らの心から悪魔を退かせれば、再び罪を償うことも出来る。誰にだって可能性の芽を潰す権利なんてありません」
冷静に言葉を紡ぐクルムだが、その双眸の奥は熱い意志で燃えていた。
「だから、僕は終の夜を抜け、独りになるとしても悪魔を滅ぼす道を選びました。悪魔人となってしまった人達を、本当の意味で救うために!」
クルムの熱意に押され、ガルフは動くことが出来なかった。
ほとんど傷を負っていないガルフに対し、目の前にいるクルムは満身創痍に陥っている。状況だけを見るなら、圧倒的にガルフの方が有利だ。それでも、ガルフは自身がクルムに対して敗北感を抱いていることを否めなかった。
言いたいことを言い終わったのか、律儀にもクルムはガルフの言葉を待っていた。けれど、クルムの心はここにあらず、別のところへと向いていた。
もちろん、知る由もないガルフは、
「……ッ、お前の話を聞いて、はいそうですかと言うとでも思っているのか? 俺は何度でも言うぜ。お前は甘い。同情や憐憫なんて切り捨てろ。それがダオレイスの平和のためになる! 悪魔を完膚なきまでに滅ぼすことが、俺の、終の夜の使命だァ!」
熱く語るも、ガルフの言葉にクルムは頷くことはしなかった。むしろ、クルムの瞳はペシャルの残党がいる方角を向いている。
今だって、こうして話し合う余裕がクルムにはないのだ。
悪魔に憑かれてしまった人間は、一刻も早く悪魔から救い出さなければ、状況が悪くなってしまう。
しかし、そのことがガルフにとって、眼中にないと言われているようで癪に障った。
「よそ見してる暇が――」
「ガルフさんが、終の夜でどれだけ死線を掻い潜って来たのかは知っています」
吼えるガルフの言葉を、クルムは落ち着いた声音で遮る。クルムの目からは、嘘偽りの色が見えない。過去のガルフを認め、そして今のガルフの実力を認めての言葉だ。
「……俺の実力が分かって命乞いでもする気になったか?」
皮肉めいたガルフに、クルムはしっかりと首を横に振った。
「ですが、今のガルフさんの行動は間違っています」
「……あァ?」
「先ほど悪魔を滅ぼせるのは僕達だけ、と言いましたよね。なら、僕達は一人でも多くの悪魔人を悪魔の手から解放させなければいけません。私利私欲で悪魔人を苦しめるのも、悪魔人を殺してしまうのも、全部違っています。この瞬間にだって彼は苦しんでいるんです!」
悪魔を見抜くクルムの目に当てられて、ガルフは思わず動きを止めた。この暗く絶望に満ちた世界に明るい希望を照らすかのような黄色い瞳に惹き込まれてしまう。
その隙を見計らって、クルムはガルフから離れ、悪魔人がいる町の方へ向かおうとする。
クルムがダイバースに足を向けたところで、ようやくガルフは我に返った。
「……ハッ、そんなことは知ってらァ。だがな……、いくら正論を並べ立てたところで、お前の言葉は、都合のいい理想論にしか聞こえねェんだよ!」
幾度となく戦場に足を運んだガルフは、クルムの言葉が実現不可能なことを知っていた。
悪魔は、人と相容れない存在だ。ならば、その悪魔に憑かれた悪魔人も、人と相容れない存在になる。こちらが可哀想に思って、一度同情でもするものなら、悪魔人は狡猾にこちらの厚意を利用し、更に人々を苦しめる。自分の首すらも危うい立場に晒されてしまうことにだってなる。
終の夜の初期の頃、ガルフは何度か悪魔人に心を許したせいで痛い目に実際あった。
だから、悪魔人は完膚なきまでに滅ぼさなければならない。そうしなければ、関係のない人間が悪魔人の歯牙に掛けられてしまうからだ。
ガルフは先ほど手放した剣を掴むと、持ち前の速さを活かし、背を向けるクルムに接近した。
「言いたいことだけ言って敵に背を向けるとは、俺も随分舐められたもんだなァ! その甘さが、お前を敗北へと導く!」
そして、そのまま背中を見せるクルムに剣を振り下ろそうと――、
「いえ、この勝負の勝敗は悪魔をどっちが先に滅ぼすか、ということにあります。なので――、僕は先に行かせて頂きます」
その瞬間、雷鳴が轟き、世界が光に包まれた。その眩しさに、ガルフは一瞬だが目を閉じてしまった。ガルフは思わずゴーグルを外さなければ良かったと後悔した。
「ッ」
そして、世界が元の色を取り戻し、段々と目が慣れていくと、ガルフの前にはクルムの姿がなくなっていた。
クルムはあのボロボロの姿で悪魔人の元へと向かったのだ。
雨を一身に浴びながら誰もいなくなった空間を見つめると、ガルフは大きく溜め息を吐いた。
「……やっぱ、お前は甘ェ。だから、簡単に裏切られ苦しめられるんだよ、……アーレント」
「ッ!」
突如、ガルフは剣を手放し、そのままクルムに向かって拳を振り抜いた。銃身の間を掻い潜って、クルムに建物を崩すほどの威力を持った拳がぶつかる。先ほど斬撃を喰らった左脇腹に、再び拳を浴びたクルムは耐え切れず、血反吐を吐いた。
全身に痛覚が走り、その痛みを少しでも逃がそうと反射的に体を屈めようと――、
「ハッ、休んでる暇はねェぞ!」
――する暇も与えずに、ガルフがクルムに連打を仕掛けた。クルムは痛みに意識を向けることを止め、ガルフの攻撃に対応する。
しかし、剣という重量を捨てたガルフの攻撃は、先ほどと比較して速くなっていただけでなく、拳が一発一発放たれる度に空を切り裂く轟音を奏でている。クルムは身を屈めたり、銃身でガルフの拳を防いだりするも、全てを躱すことは出来なかった。
クルムの体にみるみると生々しい傷が増えていった。
「お前の信念は知ってる! 何も失うことなく、全てを救いたいと!」
ガルフは拳を振るいながら叫ぶ。
「けどなァ、お前のやり方じゃ全員を救うことは出来ねェ! いや、誰にだって全部を救うことなんて不可能なことなんだよ!」
骨と骨がぶつかり合う嫌な音が、次第に大きくなっていく。振るわれる拳に、ガルフの想いが呼応しているかのようだ。
殴打の雨に耐え忍びながら、クルムは黙ってガルフの言葉に耳を傾けている。
「人間は小っちェ! その手で掴めるものなんて限られてる! なら、何かを捨てて、得るべき最善のものを得る! ……そうだろッ、アーレント!」
拳を連続して振ることに疲れたのか、ガルフは攻撃を止めて叫んでいた。否、ガルフはたったこれだけの攻撃で疲労することはない。ガルフが息を切らしているのは、感情に任せて、言葉を吐き続けたからだ。
「ガルフさんの仰る通り、取捨選択は……大事です」
クルムはゆっくりと息を吐くと、ガルフの言葉を肯定した。クルムが言葉を紡ぐ度、全身が大きく動く。
オーヴでの戦闘、ガルフとの攻防、限界を超えた反撃、それすらも超えるガルフの殴打。クルムの体力は、もうほとんど残されていないのだ。むしろ、これだけ連続した状況の中で、よくぞここまで持ち堪えた方だろう。
クルムの言葉に、ガルフは自分の拳から視線を上へと向けた。
「なら――」
「だからこそ、一人で苦しんでいる悪魔人を、僕は切り捨てることは出来ません。たとえ、僕の命を捨てることになろうとも、僕は最後まで手を伸ばします」
傷だらけの体で、なおクルムは宣ってみせた。
「ハ、ハハッ……」
ガルフは意図せずに乾いた笑いを漏らす。
圧倒的な実力差を見せつけても、クルムの意志は変わらない。
ガルフがクルムと終の夜という組織の中で初めて出会った時からそうだった。
人にへりくだるような話し方をするくせに、自分が正しいと思ったことは絶対に意見を曲げない。
争いが苦手そうな表情をしているくせに、誰かが争いを始めるといの一番に止めに入る。
クルムのやること成すことは、すべて模範解答の如く完璧だった。
まるで、クルムと周囲の人間には、高く超えられない壁が隔てられているかのようだった。
昔も、今も、そしてこれからもクルムは変わらないだろう。
そして、全てを一蹴するように短く「ハッ」と笑ってみせると、
「悪魔人になる奴は、それだけ悪魔に魅入られるような罪を犯し、そうなる理由がある。同情の余地もねェ! 俺達に出来ることは、一刻も早く悪魔ごと悪魔人を滅ぼし、二度と罪を犯させないようにすること! そして、人々の平和を守ること! そうだろォ!」
先ほどの感情の起伏を引き継いで、ガルフは声を荒げ、必死にクルムを解き伏そうとする。しかし、クルムはガルフと違って、落ち着いた様子で首を横に振る。
「違います。誰だって変わることは出来る。悪魔人となってしまった人だって、彼らの心から悪魔を退かせれば、再び罪を償うことも出来る。誰にだって可能性の芽を潰す権利なんてありません」
冷静に言葉を紡ぐクルムだが、その双眸の奥は熱い意志で燃えていた。
「だから、僕は終の夜を抜け、独りになるとしても悪魔を滅ぼす道を選びました。悪魔人となってしまった人達を、本当の意味で救うために!」
クルムの熱意に押され、ガルフは動くことが出来なかった。
ほとんど傷を負っていないガルフに対し、目の前にいるクルムは満身創痍に陥っている。状況だけを見るなら、圧倒的にガルフの方が有利だ。それでも、ガルフは自身がクルムに対して敗北感を抱いていることを否めなかった。
言いたいことを言い終わったのか、律儀にもクルムはガルフの言葉を待っていた。けれど、クルムの心はここにあらず、別のところへと向いていた。
もちろん、知る由もないガルフは、
「……ッ、お前の話を聞いて、はいそうですかと言うとでも思っているのか? 俺は何度でも言うぜ。お前は甘い。同情や憐憫なんて切り捨てろ。それがダオレイスの平和のためになる! 悪魔を完膚なきまでに滅ぼすことが、俺の、終の夜の使命だァ!」
熱く語るも、ガルフの言葉にクルムは頷くことはしなかった。むしろ、クルムの瞳はペシャルの残党がいる方角を向いている。
今だって、こうして話し合う余裕がクルムにはないのだ。
悪魔に憑かれてしまった人間は、一刻も早く悪魔から救い出さなければ、状況が悪くなってしまう。
しかし、そのことがガルフにとって、眼中にないと言われているようで癪に障った。
「よそ見してる暇が――」
「ガルフさんが、終の夜でどれだけ死線を掻い潜って来たのかは知っています」
吼えるガルフの言葉を、クルムは落ち着いた声音で遮る。クルムの目からは、嘘偽りの色が見えない。過去のガルフを認め、そして今のガルフの実力を認めての言葉だ。
「……俺の実力が分かって命乞いでもする気になったか?」
皮肉めいたガルフに、クルムはしっかりと首を横に振った。
「ですが、今のガルフさんの行動は間違っています」
「……あァ?」
「先ほど悪魔を滅ぼせるのは僕達だけ、と言いましたよね。なら、僕達は一人でも多くの悪魔人を悪魔の手から解放させなければいけません。私利私欲で悪魔人を苦しめるのも、悪魔人を殺してしまうのも、全部違っています。この瞬間にだって彼は苦しんでいるんです!」
悪魔を見抜くクルムの目に当てられて、ガルフは思わず動きを止めた。この暗く絶望に満ちた世界に明るい希望を照らすかのような黄色い瞳に惹き込まれてしまう。
その隙を見計らって、クルムはガルフから離れ、悪魔人がいる町の方へ向かおうとする。
クルムがダイバースに足を向けたところで、ようやくガルフは我に返った。
「……ハッ、そんなことは知ってらァ。だがな……、いくら正論を並べ立てたところで、お前の言葉は、都合のいい理想論にしか聞こえねェんだよ!」
幾度となく戦場に足を運んだガルフは、クルムの言葉が実現不可能なことを知っていた。
悪魔は、人と相容れない存在だ。ならば、その悪魔に憑かれた悪魔人も、人と相容れない存在になる。こちらが可哀想に思って、一度同情でもするものなら、悪魔人は狡猾にこちらの厚意を利用し、更に人々を苦しめる。自分の首すらも危うい立場に晒されてしまうことにだってなる。
終の夜の初期の頃、ガルフは何度か悪魔人に心を許したせいで痛い目に実際あった。
だから、悪魔人は完膚なきまでに滅ぼさなければならない。そうしなければ、関係のない人間が悪魔人の歯牙に掛けられてしまうからだ。
ガルフは先ほど手放した剣を掴むと、持ち前の速さを活かし、背を向けるクルムに接近した。
「言いたいことだけ言って敵に背を向けるとは、俺も随分舐められたもんだなァ! その甘さが、お前を敗北へと導く!」
そして、そのまま背中を見せるクルムに剣を振り下ろそうと――、
「いえ、この勝負の勝敗は悪魔をどっちが先に滅ぼすか、ということにあります。なので――、僕は先に行かせて頂きます」
その瞬間、雷鳴が轟き、世界が光に包まれた。その眩しさに、ガルフは一瞬だが目を閉じてしまった。ガルフは思わずゴーグルを外さなければ良かったと後悔した。
「ッ」
そして、世界が元の色を取り戻し、段々と目が慣れていくと、ガルフの前にはクルムの姿がなくなっていた。
クルムはあのボロボロの姿で悪魔人の元へと向かったのだ。
雨を一身に浴びながら誰もいなくなった空間を見つめると、ガルフは大きく溜め息を吐いた。
「……やっぱ、お前は甘ェ。だから、簡単に裏切られ苦しめられるんだよ、……アーレント」
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