8 / 154
1-07 夜の会談
しおりを挟む
「――カペル・リューグ様」
大きな椅子に腰掛けながら一人で静寂を嗜んでいる空間の中、ある男の名前を呼ぶ声が響くことによって、その静寂は壊された。その男が出した声はそんなにも大きな声ではなかったのだが、カペル・リューグと呼ばれた男が満喫していた時間を壊すには十分すぎるほどだった。
声を出した男は部屋の入口の前で、膝を付いている。彼は、夕刻にクルムを突き飛ばした張本人であり、名前はハワードである。
その声を聞くと、カペルは椅子に座ったまま、声が聞こえた方向を振り向く。部屋が暗いため、カペルの表情はよく見えないが、恐らく気分はよくない。カペルから感じ取れるものが、不機嫌そのものしかないからだ。
その緊張感の中、ハワードはカペルの動きをただ黙って待つしかなかった。間違った行動をすれば、自分の身が危ういからだ。
「おい」
「はっ!」
カペルの低い声が、この空間に圧し掛かる。ハワードはカペルの言葉に、即座に反応を示した。
すると、ハワードの後ろで何かが割れる音がした。
それと同時に、ハワードは頬に変な感覚を味わう。
ハワードは頭を上げずに目線だけでその音の出先を追うと、そこには割れたグラスの破片があった。
どうしてそうなったのかは、直感的に分かっていた。
「昔の名前を呼ぶな、と何度言えば分かるんだ? 今の俺の名前は、シエル・クヴントだ。二度と間違えるんじゃねぇ」
低く、冷たく、重い音がハワードの耳を殴りつける。
それは英雄列書に登場するシエル・クヴントの姿とは全くかけ離れている目の前の男、カペル・リューグが発した声だった。
まさしく、この男こそが今回のオリエンスに一波乱を起こしている元凶である。
「……も、申し訳ございません。シエル・クヴント様」
ハワードは地に頭を擦り、カペルに謝罪をした。頭を下げると、床に血が滴り落ちているのが見えた。先ほど、カペルが投げたコップで頬が切れ、そこから血が流れているのだ。一心に土下座をするハワードの体は小刻みに震えており、頭が地面についていなかったなら、もっと震えていただろう。
その姿を見て、カペルは声を上げて笑う。カペルの下品な笑い声だけが、この部屋に満ちている。
カペルは笑う。笑い続ける。
しかし、その目には、慈愛やら哀れみといった感情は一切籠っていない。仮にもハワードはカペルに従う者という立場なはずにも関わらず、だ。
「……で。俺の機嫌を損ねに来た、だけじゃねぇよな? 俺も、これからオリエンスの奴らに『希望』を見せつけるのに忙しいんだから、そこまで暇じゃねぇんだよ。もし、それだけだというのなら――」
笑いが治まったカペルは、一切の温度を消して、冷酷にハワードに告げた。カペルの傍にはグラスなどといった小物はもうなく、あるのはカペルの手に届く範囲に置いてある剣だけだった。
言葉を誤ったなら、この男は間違いなくその剣を自分に向けるだろう――、ハワードはそう思い、慎重に言葉を選ぶ。そして、頭を地につけながら言葉を始めた。
「きょ、今日、この町に何でも屋と名乗る人物が現れました。オリエンスの人間は奴と取り合うことはなかったのですが、少なからず奴の存在を認めたことだと思います。それで、奴と接触し、好き勝手出来ないように痛めつけました」
「……で?」
カペルは興味がなさそうに椅子の肘掛けに頬杖をつきながら、先の言葉を促す。
ハワードはごくりと唾を飲み込むと、一層気を引き締めて、言葉を続けた。
「それだけならば、私も報告はしなかったのですが、少々危うい点が幾つかありまして……」
ハワードは一瞬言葉を詰まらせた。今日の出来事を告げるべきか、迷ったのだ。
しかし、これでカペル・リューグという人間は、察しの良い男だ。隠したことを後でバレた時の方が怖い。このまま騙し通すのは、カペルにもハワードにも得はない。
そう判断し、ハワードは一度息を吸って、吐き、報告を続ける決心をする。
「あいつが、いの一番に何でも屋の男と接触しました。そこで何があったというわけではないのですが」
「……ち。誰が救ってやったのか、教えてやらねぇとな」
そう言うカペルは、誰から見ても明らかなほどに怒りを露わに出していた。
カペル・リューグが最も嫌いなこと、それは仲間の裏切りである。
仲間が自分の元から離れようとするならば、どんな手を使ってでも、その考えを改めさせる。もし、それでも裏切ろうとするのなら、自らの手で裏切ろうとする仲間の命を奪ってしまう。その様は、まるで拷問だ。
ハワードは予想していた事態に、心の中で思い描く人物に一言詫びを入れる。そして、更に報告を続けた。
「そして、何でも屋の男は去り際に、女と一緒に世界政府の拠点へと入っていくことを確認しました。おそらく――」
「待て」
その時、カペルの一声が入り、ハワードは声を止める。
「何でも屋の男が世界政府に繋がるのを、お前は指を咥えて見ていたってことか?」
「そ、それは……」
弁明しようと、下げていた頭を思わずカペルに向けた。
カペルは横に置いてある剣を手にしており、鞘から刀身を出そうとしているところだった。
ハワードはカペルの目を見つめた。その瞳には一切の色がなく、まるで何かに憑りつかれているかのように、この世ならざる雰囲気を発していた。
「す、全ては私の独断でやったことです。カペ……シエル様なら、誰が相手でも問題がないと思ってしまい……どんな処罰もお受けいたします」
ハワードは心に思っていることを、正直に話した。
目の前にいる男ならば、どんな相手が来たとしても、絶対に負けることはないだろう。武力、カリスマ、手下の数など、並大抵のものには絶対に及ばないほど多くのものを持っている。――そう信頼しての行動だった。
実際に、一か月以上もオリエンスの町を占領し続けていることが動かぬ証拠だ。
その言葉を聞くと、カペルは舌打ちをし、剣の刀身を鞘に納めた。禍々しい雰囲気が少しだけ和らぐ。
「何でも屋が一人、世界政府と繋がろうとどうでもいいが、俺の計画に瑕でも入ったらただじゃ済まさねぇぞ」
「申し訳ございません」
カペルの許しを受け、ハワードは先ほどよりも深く頭を下げた。だが、許してもらったとしても完全に許されたわけではない。いつ、カペルから難解な要求が来るか分からないのだ。
ハワードは、カペルの一つ一つの挙動に細心の注意を払おうと決めた――
「……寛大な俺が、哀れなお前にチャンスを恵んでやろう」
――その矢先だった。カペルから意外な一言が発せられた。
「チャンス……でございますか?」
カペルが発した言葉を繰り返すことで、ハワードはどんな命令をも受け入れる心構えをする。
目の前で座っているカペルは、その口元を僅かに歪めていた。その姿は寛大さとは全くかけ離れているが、ハワードはそのことを口が裂けても言えない。
「今すぐこの町にいる俺の駒……いや、信者様をここに集めろ」
あえて信者様と言い直すあたり、カペルが自分に従う者たちを、本当に私利私欲を満たすための道具としてしか見なしていないことが窺える。
このオリエンスの町で、カペルが演じている英雄シエル・クヴントを信じる者は百人余りいる。その大半が、カペルの行ないを見てついて行こうと決めた者たちだった。彼らは居住区に帰ることは許諾されていないので、商業区か、もしくはこの建物のどこかにはいるだろう。
今までカペルがこのような招集をかけたことはなかった。
つまり、よほどの緊急事態だということだ。もしくは、緊急事態になることを起こそうとしている。
これからどんなことが起こるのか、先の分からない未来にハワードは恐れを感じる。
「いつまでもこの場所にはいられねぇし、丁度いい。多少早いが、明日の夜、計画を始める」
「はっ」
ハワードは返事をすると、急いで体を起こし、行動を始めた。カペルの命令通り、オリエンスでカペルに従う信者たちを一か所に集めるためだ。
カペルが言う計画とはハワードには分からない。
しかし、その疑問を口には出すことはしない。
カペルの性格からその計画に残虐さが混ざっているのは火を見るより明らかだ。それを聞いて、平静に命令を遂行する自信はない。それに加え、下手に口を出してこの部屋を穏便に出られる機会を逃したくないという本音もある。
「それでは、失礼いたします。……シエル・クヴント様」
ハワードは急いで部屋の外へ出ようとしながらも、ゆっくりと部屋の扉を閉めた。
扉が閉まるにつれ、部屋の中に光源がなくなっていく。一人残されたカペルは、深く深い闇に堕ちてゆくかのようだった。
「せっかく得た自由と権利だ。誰にも渡さねぇ」
薄暗い静寂の空間の中で、カペルの呟きは闇に溶け込むように消えた。
大きな椅子に腰掛けながら一人で静寂を嗜んでいる空間の中、ある男の名前を呼ぶ声が響くことによって、その静寂は壊された。その男が出した声はそんなにも大きな声ではなかったのだが、カペル・リューグと呼ばれた男が満喫していた時間を壊すには十分すぎるほどだった。
声を出した男は部屋の入口の前で、膝を付いている。彼は、夕刻にクルムを突き飛ばした張本人であり、名前はハワードである。
その声を聞くと、カペルは椅子に座ったまま、声が聞こえた方向を振り向く。部屋が暗いため、カペルの表情はよく見えないが、恐らく気分はよくない。カペルから感じ取れるものが、不機嫌そのものしかないからだ。
その緊張感の中、ハワードはカペルの動きをただ黙って待つしかなかった。間違った行動をすれば、自分の身が危ういからだ。
「おい」
「はっ!」
カペルの低い声が、この空間に圧し掛かる。ハワードはカペルの言葉に、即座に反応を示した。
すると、ハワードの後ろで何かが割れる音がした。
それと同時に、ハワードは頬に変な感覚を味わう。
ハワードは頭を上げずに目線だけでその音の出先を追うと、そこには割れたグラスの破片があった。
どうしてそうなったのかは、直感的に分かっていた。
「昔の名前を呼ぶな、と何度言えば分かるんだ? 今の俺の名前は、シエル・クヴントだ。二度と間違えるんじゃねぇ」
低く、冷たく、重い音がハワードの耳を殴りつける。
それは英雄列書に登場するシエル・クヴントの姿とは全くかけ離れている目の前の男、カペル・リューグが発した声だった。
まさしく、この男こそが今回のオリエンスに一波乱を起こしている元凶である。
「……も、申し訳ございません。シエル・クヴント様」
ハワードは地に頭を擦り、カペルに謝罪をした。頭を下げると、床に血が滴り落ちているのが見えた。先ほど、カペルが投げたコップで頬が切れ、そこから血が流れているのだ。一心に土下座をするハワードの体は小刻みに震えており、頭が地面についていなかったなら、もっと震えていただろう。
その姿を見て、カペルは声を上げて笑う。カペルの下品な笑い声だけが、この部屋に満ちている。
カペルは笑う。笑い続ける。
しかし、その目には、慈愛やら哀れみといった感情は一切籠っていない。仮にもハワードはカペルに従う者という立場なはずにも関わらず、だ。
「……で。俺の機嫌を損ねに来た、だけじゃねぇよな? 俺も、これからオリエンスの奴らに『希望』を見せつけるのに忙しいんだから、そこまで暇じゃねぇんだよ。もし、それだけだというのなら――」
笑いが治まったカペルは、一切の温度を消して、冷酷にハワードに告げた。カペルの傍にはグラスなどといった小物はもうなく、あるのはカペルの手に届く範囲に置いてある剣だけだった。
言葉を誤ったなら、この男は間違いなくその剣を自分に向けるだろう――、ハワードはそう思い、慎重に言葉を選ぶ。そして、頭を地につけながら言葉を始めた。
「きょ、今日、この町に何でも屋と名乗る人物が現れました。オリエンスの人間は奴と取り合うことはなかったのですが、少なからず奴の存在を認めたことだと思います。それで、奴と接触し、好き勝手出来ないように痛めつけました」
「……で?」
カペルは興味がなさそうに椅子の肘掛けに頬杖をつきながら、先の言葉を促す。
ハワードはごくりと唾を飲み込むと、一層気を引き締めて、言葉を続けた。
「それだけならば、私も報告はしなかったのですが、少々危うい点が幾つかありまして……」
ハワードは一瞬言葉を詰まらせた。今日の出来事を告げるべきか、迷ったのだ。
しかし、これでカペル・リューグという人間は、察しの良い男だ。隠したことを後でバレた時の方が怖い。このまま騙し通すのは、カペルにもハワードにも得はない。
そう判断し、ハワードは一度息を吸って、吐き、報告を続ける決心をする。
「あいつが、いの一番に何でも屋の男と接触しました。そこで何があったというわけではないのですが」
「……ち。誰が救ってやったのか、教えてやらねぇとな」
そう言うカペルは、誰から見ても明らかなほどに怒りを露わに出していた。
カペル・リューグが最も嫌いなこと、それは仲間の裏切りである。
仲間が自分の元から離れようとするならば、どんな手を使ってでも、その考えを改めさせる。もし、それでも裏切ろうとするのなら、自らの手で裏切ろうとする仲間の命を奪ってしまう。その様は、まるで拷問だ。
ハワードは予想していた事態に、心の中で思い描く人物に一言詫びを入れる。そして、更に報告を続けた。
「そして、何でも屋の男は去り際に、女と一緒に世界政府の拠点へと入っていくことを確認しました。おそらく――」
「待て」
その時、カペルの一声が入り、ハワードは声を止める。
「何でも屋の男が世界政府に繋がるのを、お前は指を咥えて見ていたってことか?」
「そ、それは……」
弁明しようと、下げていた頭を思わずカペルに向けた。
カペルは横に置いてある剣を手にしており、鞘から刀身を出そうとしているところだった。
ハワードはカペルの目を見つめた。その瞳には一切の色がなく、まるで何かに憑りつかれているかのように、この世ならざる雰囲気を発していた。
「す、全ては私の独断でやったことです。カペ……シエル様なら、誰が相手でも問題がないと思ってしまい……どんな処罰もお受けいたします」
ハワードは心に思っていることを、正直に話した。
目の前にいる男ならば、どんな相手が来たとしても、絶対に負けることはないだろう。武力、カリスマ、手下の数など、並大抵のものには絶対に及ばないほど多くのものを持っている。――そう信頼しての行動だった。
実際に、一か月以上もオリエンスの町を占領し続けていることが動かぬ証拠だ。
その言葉を聞くと、カペルは舌打ちをし、剣の刀身を鞘に納めた。禍々しい雰囲気が少しだけ和らぐ。
「何でも屋が一人、世界政府と繋がろうとどうでもいいが、俺の計画に瑕でも入ったらただじゃ済まさねぇぞ」
「申し訳ございません」
カペルの許しを受け、ハワードは先ほどよりも深く頭を下げた。だが、許してもらったとしても完全に許されたわけではない。いつ、カペルから難解な要求が来るか分からないのだ。
ハワードは、カペルの一つ一つの挙動に細心の注意を払おうと決めた――
「……寛大な俺が、哀れなお前にチャンスを恵んでやろう」
――その矢先だった。カペルから意外な一言が発せられた。
「チャンス……でございますか?」
カペルが発した言葉を繰り返すことで、ハワードはどんな命令をも受け入れる心構えをする。
目の前で座っているカペルは、その口元を僅かに歪めていた。その姿は寛大さとは全くかけ離れているが、ハワードはそのことを口が裂けても言えない。
「今すぐこの町にいる俺の駒……いや、信者様をここに集めろ」
あえて信者様と言い直すあたり、カペルが自分に従う者たちを、本当に私利私欲を満たすための道具としてしか見なしていないことが窺える。
このオリエンスの町で、カペルが演じている英雄シエル・クヴントを信じる者は百人余りいる。その大半が、カペルの行ないを見てついて行こうと決めた者たちだった。彼らは居住区に帰ることは許諾されていないので、商業区か、もしくはこの建物のどこかにはいるだろう。
今までカペルがこのような招集をかけたことはなかった。
つまり、よほどの緊急事態だということだ。もしくは、緊急事態になることを起こそうとしている。
これからどんなことが起こるのか、先の分からない未来にハワードは恐れを感じる。
「いつまでもこの場所にはいられねぇし、丁度いい。多少早いが、明日の夜、計画を始める」
「はっ」
ハワードは返事をすると、急いで体を起こし、行動を始めた。カペルの命令通り、オリエンスでカペルに従う信者たちを一か所に集めるためだ。
カペルが言う計画とはハワードには分からない。
しかし、その疑問を口には出すことはしない。
カペルの性格からその計画に残虐さが混ざっているのは火を見るより明らかだ。それを聞いて、平静に命令を遂行する自信はない。それに加え、下手に口を出してこの部屋を穏便に出られる機会を逃したくないという本音もある。
「それでは、失礼いたします。……シエル・クヴント様」
ハワードは急いで部屋の外へ出ようとしながらも、ゆっくりと部屋の扉を閉めた。
扉が閉まるにつれ、部屋の中に光源がなくなっていく。一人残されたカペルは、深く深い闇に堕ちてゆくかのようだった。
「せっかく得た自由と権利だ。誰にも渡さねぇ」
薄暗い静寂の空間の中で、カペルの呟きは闇に溶け込むように消えた。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
『紅茶の香りが消えた午後に』
柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。
けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。
誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる