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しおりを挟むこのやたらめったら美しくて可憐な外見をした男は、俺の従兄であり幼馴染だ。
特出すべきはなにより容貌。
本当に同じ男か?と疑問を抱かずにはいられないほど、それこそ神の創り上げた芸術品だなんて囁かれる美しさ。
王族である俺自身や周囲も容姿は人並み以上に整っている。だが美形は見慣れている俺でさえ目を見張る美しさであることは事実だ。
…………もはや見慣れてるから特になにを思うこともないが。
それでも初めて見た時は衝撃だった。
不覚にも俺の初恋はコイツだ。
一目見た瞬間に「天使がいる……」と恋に堕ちた。
その後すぐに性別を知って崩れ落ちたが……。
初恋が男、しかもコイツ……。
出来ればなかったことにしたい黒歴史だが、頬をバラ色に染めて見惚れる俺の反応はとてもわかりやすかったようで……いまだにその場にいた母さんたちに揶揄われるのはマジなんとかしたい。
勘弁してくれ。
容貌に次いで、なんならコイツの中身を知る奴なら1番に掲げるべき特徴。
それが異常なまでの睡眠欲求。
とにかく眠る。
ひたすら眠る。
いっそ病気じゃないか?って不安になるぐらいに睡眠欲求に溢れ、忠実。
そんでもって性格もなんか独特だ。
天然っていうか、天才っていうか……ガキがそのまま大きくなったというのか……。
なんて表現すればいいかよくわからんが、とにかく感性だの行動だのがわりと独特。
美しく、才能に溢れる病弱で大人しい公爵家の子息。
それが世間一般のセレナードの評価。
だけど俺に言わせれば、全然違う。
美しさと才能は紛れもない事実だ。
俺の淡い初恋を奪った美しさも、睡眠学習なんてふざけた学習法で学年一位をキープしてやがる理不尽な優秀さも認める。
だけどコイツは全然大人しいどころかむしろ5歳児並みに落ち着きがないからな?!
公爵家の息子として本性出すのは色々アレだから外では猫被らせてるだけだし、よくふらつくのも病弱とかじゃなく眠ぃだけだから!
容姿のせいもあって周囲がことごとくいいように誤解してるだけだ。
セレナードを一言で表すなら、
たぐいまれな美貌と無駄なスペックを与えられた “神に愛されしアホ” だ。
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