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第33話 誰かのせい
「ユーリちゃんの衣装の肩紐、まるで鋭利な刃物で切り口を入れられていたみたいな痕跡があったわ。アナタがやったのね? ミドリちゃん」
えっ?
「……何のことだか」
「とぼけても無駄よ。その件はともかく、そっちは現行犯でしょう」
蝶野先輩が、合図を送るように御影さんの方を見た。御影さんは頷き返し、言葉を継ぐ。
「二回目のダンス披露の際、この方が不審な動きをしていたので後を尾けたところ、校庭の散水コントローラーを弄ろうとしたのでお止め致しました。どうやら、スプリンクラーを作動させるつもりだったようです」
「何だって? そんなことしたら校庭中水浸しになって、体育祭どころじゃなくなるぞ」
オレ達だけじゃなくて、一般の観客達までびしょ濡れコースだろう。
「衣装を脱がせて恥をかかせるつもりだったのに、ユーリちゃんが気にせず踊り続けたから、別の手段で邪魔をしようとしたのかしら。それとも、初めからスプリンクラーも使う計画だったの?」
ミドリさんは何も答えない。誰からも目を逸らしたまま、放心状態で地面を眺めている。蝶野先輩が深く溜め息を吐いた。
「アナタが衣装を見たいって言ったから、姫時代を懐かしんでいるんだと思って、衣装室に案内してしまった……アタシの判断ミスね。目を離した隙に、ユーリちゃんの衣装に細工をしたんでしょう? どうして、そんなことをしたの?」
「…………」
「ミドリちゃん!」
ここで、棗先輩が嘆息混じりに口を挟んだ。 やれやれと、呆れたように肩を竦めて。
「そんなの、わかりきったことじゃん。どうせ、ボクへの逆恨みでしょ? くだらない」
「逆恨み……?」
突如、ミドリさんの様子が変わった。
「違う! 逆恨みなんかじゃない! これは、正当な復讐だ!」
声を荒げ、棗先輩を睨む。その瞳に宿る、怒りの炎。見詰めた相手を燃やし尽くしてしまいそうな程に、苛烈な熱量。先まで抜け殻だったのが突然魂が戻って来たような豹変っぷりに、オレは息を呑んだ。
「小学校の頃の僕は、パッとしなかった。自分の女顔がコンプレックスで、俯いて顔を隠すばかりで、ずっとこそこそと日陰の中で生きてきた。四季折に入ったのも親の意向で、別に姫になれるなんて期待もしていなかった。そんな自信も無かったし……実際、選ばれたのは別の子だった」
語り出すミドリさん。その視線は、今度は何もない虚空へと向かった。まるでそこに、己の過去の映像でも見えているかのように。
「だけど、思いがけず転機がやって来た。最初に選ばれた子が、何故だか姫を辞退して転校したらしい。空席になった姫の座に、まさかの僕が選ばれることになった。……僕を見出してくれたのは、蝶野先輩でしたね。僕は、嬉しかった」
「ミドリちゃん……」
名指しされた蝶野先輩が、複雑そうな表情をする。対してミドリさんは、暗色の瞳をキラキラと輝かせた。
「姫になったら、世界が変わったんだ。皆、僕を可愛いって褒めてくれる。ずっと光の当たらない場所に居た僕に、スポットライトが当たったんだ。空っぽだった自信が、埋まっていくように感じた。……でも、それは最初の内だけだった」
不意に、失せる光。再びそこに宿ったのは、怒りの炎だった。
「最初の姫が居なくなった理由は、すぐに分かった。……お前だ、棗 夕莉。意地悪な先輩による理不尽な扱いに耐えられなくなって、辞めてったんだ。僕も、それを身をもって体験させられる羽目になった」
無視、イヤミ、悪口、非協力、妨害……それらの被害を一つ一つ、ミドリさんは溜まった鬱憤を吐き出すように訴えた。オレもいくつか身に覚えがある。同じように心を病み、悩まされたから、彼の気持ちは少し分かる気もした。
――それで結局、ミドリさんは前任と同じように、姫を辞めてしまった。
「高等部になってもそいつと一緒だなんて耐えられなくて、僕は別の高校に行くことにした。だけど、そのせいで……僕は不幸になった」
今の学校で、ミドリさんはいじめに遭っているのだという。
「この顔が女みたいだって、弄られて馬鹿にされて……おかしいだろ、四季折では逆にそれがステータスだったのに! あのまま四季折に居れば、姫で居れば、僕はこんな思いをすることはなかった! 再び自信を失うこともなかったんだ! お前のせいだ!」
びしりと、突きつけられる人差し指。棗先輩は微動だにせず、表情一つ変えなかった。
「お前が僕を追い出したりしなければ、こんなことにはならなかった! 全部、お前のせいだ!」
それを聞いて、オレは――。
「違う」
思わず、言葉が口を衝いて出た。何かを言おうとしていた棗先輩が、驚いたようにオレの方を見る。オレは、ミドリさんを見据えたまま、続けた。
「そんなの、間違ってる! やっぱり、逆恨みじゃんか!」
「なにっ!?」
「そりゃ、棗先輩も悪いよ!? オレだって、散々意地悪されて心折れかけたことあるし! ミドリさんの気持ちも、少しは分かる」
でも……でもさ。
「だからって、全部人のせいにするのは違うだろ!? 最終的に姫を辞めたのも、別の高校に行ったのも、自分の判断じゃん! もう少し四季折で姫として頑張るって選択肢もあった訳じゃん? 棗先輩とちゃんと向き合って、話し合うことだって出来ただろ? それをしなかったのは、あんただ」
この人は、まるで過去のオレだ。
オレも、最初は棗先輩のことを知ろうともせずに、分かり合えない相手だと勝手に決めつけて遠ざけていた。……だからだろうか、無性に腹が立った。
「新しい学校で酷い目に遭ったのも同情するけど、だったら、そのいじめっ子達にこそ立ち向かうべきだろ!? こうやって、過去に切り捨てた相手に陰湿な嫌がらせしてる暇があったらさ! 現状をもっと良くする為に闘えよ!」
ミドリさんは、ぐっと声を詰まらせた。痛い所を突いたらしい。
「そんな簡単に……っ」
「勿論、簡単な問題じゃないのは分かってる。もし、相談する相手が居ないとかなら、オレが話し相手になるからさ。オレにも出来ることは限られてるけど、友達くらいにはなれるし、友達を馬鹿にする奴に、文句言うくらいは出来る!」
「な……っ」
――また四季折の皆に会いたくなって。
ミドリさんが語ったあの言葉は、本音だったんだと思う。今の学校に居場所が作れなくて、自分に優しくしてくれた四季折の人達に、無意識に助けを求めて来たんじゃないか。
きっと、誰かのせいにしなければいられないくらい、辛かったんだろう。棗先輩を恨むことで、壊れそうな心を繋ぎ止めていたのかもしれない。
だったら、突き放すんじゃなくて……。
「友達になろう! ミドリさん」
えっ?
「……何のことだか」
「とぼけても無駄よ。その件はともかく、そっちは現行犯でしょう」
蝶野先輩が、合図を送るように御影さんの方を見た。御影さんは頷き返し、言葉を継ぐ。
「二回目のダンス披露の際、この方が不審な動きをしていたので後を尾けたところ、校庭の散水コントローラーを弄ろうとしたのでお止め致しました。どうやら、スプリンクラーを作動させるつもりだったようです」
「何だって? そんなことしたら校庭中水浸しになって、体育祭どころじゃなくなるぞ」
オレ達だけじゃなくて、一般の観客達までびしょ濡れコースだろう。
「衣装を脱がせて恥をかかせるつもりだったのに、ユーリちゃんが気にせず踊り続けたから、別の手段で邪魔をしようとしたのかしら。それとも、初めからスプリンクラーも使う計画だったの?」
ミドリさんは何も答えない。誰からも目を逸らしたまま、放心状態で地面を眺めている。蝶野先輩が深く溜め息を吐いた。
「アナタが衣装を見たいって言ったから、姫時代を懐かしんでいるんだと思って、衣装室に案内してしまった……アタシの判断ミスね。目を離した隙に、ユーリちゃんの衣装に細工をしたんでしょう? どうして、そんなことをしたの?」
「…………」
「ミドリちゃん!」
ここで、棗先輩が嘆息混じりに口を挟んだ。 やれやれと、呆れたように肩を竦めて。
「そんなの、わかりきったことじゃん。どうせ、ボクへの逆恨みでしょ? くだらない」
「逆恨み……?」
突如、ミドリさんの様子が変わった。
「違う! 逆恨みなんかじゃない! これは、正当な復讐だ!」
声を荒げ、棗先輩を睨む。その瞳に宿る、怒りの炎。見詰めた相手を燃やし尽くしてしまいそうな程に、苛烈な熱量。先まで抜け殻だったのが突然魂が戻って来たような豹変っぷりに、オレは息を呑んだ。
「小学校の頃の僕は、パッとしなかった。自分の女顔がコンプレックスで、俯いて顔を隠すばかりで、ずっとこそこそと日陰の中で生きてきた。四季折に入ったのも親の意向で、別に姫になれるなんて期待もしていなかった。そんな自信も無かったし……実際、選ばれたのは別の子だった」
語り出すミドリさん。その視線は、今度は何もない虚空へと向かった。まるでそこに、己の過去の映像でも見えているかのように。
「だけど、思いがけず転機がやって来た。最初に選ばれた子が、何故だか姫を辞退して転校したらしい。空席になった姫の座に、まさかの僕が選ばれることになった。……僕を見出してくれたのは、蝶野先輩でしたね。僕は、嬉しかった」
「ミドリちゃん……」
名指しされた蝶野先輩が、複雑そうな表情をする。対してミドリさんは、暗色の瞳をキラキラと輝かせた。
「姫になったら、世界が変わったんだ。皆、僕を可愛いって褒めてくれる。ずっと光の当たらない場所に居た僕に、スポットライトが当たったんだ。空っぽだった自信が、埋まっていくように感じた。……でも、それは最初の内だけだった」
不意に、失せる光。再びそこに宿ったのは、怒りの炎だった。
「最初の姫が居なくなった理由は、すぐに分かった。……お前だ、棗 夕莉。意地悪な先輩による理不尽な扱いに耐えられなくなって、辞めてったんだ。僕も、それを身をもって体験させられる羽目になった」
無視、イヤミ、悪口、非協力、妨害……それらの被害を一つ一つ、ミドリさんは溜まった鬱憤を吐き出すように訴えた。オレもいくつか身に覚えがある。同じように心を病み、悩まされたから、彼の気持ちは少し分かる気もした。
――それで結局、ミドリさんは前任と同じように、姫を辞めてしまった。
「高等部になってもそいつと一緒だなんて耐えられなくて、僕は別の高校に行くことにした。だけど、そのせいで……僕は不幸になった」
今の学校で、ミドリさんはいじめに遭っているのだという。
「この顔が女みたいだって、弄られて馬鹿にされて……おかしいだろ、四季折では逆にそれがステータスだったのに! あのまま四季折に居れば、姫で居れば、僕はこんな思いをすることはなかった! 再び自信を失うこともなかったんだ! お前のせいだ!」
びしりと、突きつけられる人差し指。棗先輩は微動だにせず、表情一つ変えなかった。
「お前が僕を追い出したりしなければ、こんなことにはならなかった! 全部、お前のせいだ!」
それを聞いて、オレは――。
「違う」
思わず、言葉が口を衝いて出た。何かを言おうとしていた棗先輩が、驚いたようにオレの方を見る。オレは、ミドリさんを見据えたまま、続けた。
「そんなの、間違ってる! やっぱり、逆恨みじゃんか!」
「なにっ!?」
「そりゃ、棗先輩も悪いよ!? オレだって、散々意地悪されて心折れかけたことあるし! ミドリさんの気持ちも、少しは分かる」
でも……でもさ。
「だからって、全部人のせいにするのは違うだろ!? 最終的に姫を辞めたのも、別の高校に行ったのも、自分の判断じゃん! もう少し四季折で姫として頑張るって選択肢もあった訳じゃん? 棗先輩とちゃんと向き合って、話し合うことだって出来ただろ? それをしなかったのは、あんただ」
この人は、まるで過去のオレだ。
オレも、最初は棗先輩のことを知ろうともせずに、分かり合えない相手だと勝手に決めつけて遠ざけていた。……だからだろうか、無性に腹が立った。
「新しい学校で酷い目に遭ったのも同情するけど、だったら、そのいじめっ子達にこそ立ち向かうべきだろ!? こうやって、過去に切り捨てた相手に陰湿な嫌がらせしてる暇があったらさ! 現状をもっと良くする為に闘えよ!」
ミドリさんは、ぐっと声を詰まらせた。痛い所を突いたらしい。
「そんな簡単に……っ」
「勿論、簡単な問題じゃないのは分かってる。もし、相談する相手が居ないとかなら、オレが話し相手になるからさ。オレにも出来ることは限られてるけど、友達くらいにはなれるし、友達を馬鹿にする奴に、文句言うくらいは出来る!」
「な……っ」
――また四季折の皆に会いたくなって。
ミドリさんが語ったあの言葉は、本音だったんだと思う。今の学校に居場所が作れなくて、自分に優しくしてくれた四季折の人達に、無意識に助けを求めて来たんじゃないか。
きっと、誰かのせいにしなければいられないくらい、辛かったんだろう。棗先輩を恨むことで、壊れそうな心を繋ぎ止めていたのかもしれない。
だったら、突き放すんじゃなくて……。
「友達になろう! ミドリさん」
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