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第一章・覚醒 編
第2話:ゴミ山は宝の山、そして狼の少女
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「―――ハァッ!」
俺は、錆びた短剣をゴブリンの首筋に突き立てていた。
断末魔の叫びを上げる間もなく、魔物は緑色の血飛沫を上げて倒れ伏す。
返り血が頬にかかるが、不思議と不快感はなかった。むしろ、生きていることを実感する熱がそこにあった。
「……ふぅ。これで三匹目」
俺は短剣を抜き、その死体に無造作に手をかざした。
もう、この行為にためらいはない。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:ゴブリンの死体』
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
脳内に響く声。
これで、ゴブリンから得た【敏捷】の欠片は合計(3/5)になった。
最初の一匹目を倒した後、俺はまるで何かに取り憑かれたかのように、この「迷いの洞窟」の中層を徘徊し、ゴブリンを狩り続けていた。
今の俺は、レベルこそ40だが、身体能力はゴミ同然。
だが、スキルが二つある。
オークキングの牙から得た【怪力 LV1】の欠片(1/10)。
そして、レオンに踏み折られた錆びた短剣から拾得した、【高速思考 LV1】。
この【高速思考】が、とんでもないチカラだった。
スキルが発動すると、俺の頭脳は水を得た魚のように冴えわたる。
敵の動き、息遣い、視線の先、重心の移動――その全てが、まるでスローモーションのように認識できるのだ。
今までの俺は、ゴブリンと遭遇しただけで腰を抜かしていた。
だが、今の俺には、ゴブリンが棍棒を振りかぶる軌道が、ハッキリと見えた。
(右肩が下がる。狙いは俺の左足。踏み込みが甘い。カウンターだ)
そう思考し、体が動く。
相手の攻撃を最小限の動きで躱し、がら空きになった脇腹や首筋に、錆びた短剣を叩き込む。
この短剣も、もはや「ゴミ」ではなかった。
【高速思考】を拾得した後も、俺が持ち続けることで、錆びた刃は俺の微かな魔力に反応し、わずかに切れ味を取り戻し始めていた。
【万物拾得】の真価は、まだこんなものではない。俺は直感的にそう感じていた。
「グルァ!」
「――遅い」
背後から飛びかかってきた四匹目のゴブリン。
振り向かずに体を開き、すれ違いざまに喉を切り裂く。
これも【高速思考】のおかげだ。敵意や殺気といった、今まで感じ取れなかったものを、肌で感じ取れるようになっていた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:ゴブリンの死体』
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
これで(4/5)。あと一匹。
(レオン……リリア……ガイル……)
俺は、ゴブリンの血糊を振り払いながら、俺をゴミと罵った連中の顔を思い出す。
(あんたたちは、戦闘中の俺を『棒立ちの置物』と笑ったな)
当たり前だ。
勇者レオンの【聖剣技】は、ただ力任せに振り回すだけ。
魔術師リリアの【炎獄魔術】は、敵味方の区別なく広範囲を焼き払う。
戦士ガイルの【金剛不壊】は、ただ耐えるだけ。
あいつらの戦闘は、高ランクスキルに任せた、あまりにも雑な「ゴリ押し」だった。
そんな中で、ステータスがゴミな俺が戦闘に参加できるはずがなかった。
だが、今ならわかる。
あいつらの動きは、デタラメだ。隙だらけだ。
もし今、俺がレオンと一対一で戦ったなら――
(……いや、まだだ)
俺はかぶりを振った。
今の俺のステータスでは、【高速思考】でレオンの攻撃が見切れたとしても、それを回避する身体能力が追いつかない。
奴の【聖剣技】の速度は、ゴブリンの比ではない。
俺には、もっと力が必要だ。
もっとスキルが。
もっと、あいつらを見返すだけの、圧倒的な力が。
「……いた」
洞窟の曲がり角。五匹目のゴブリンが、仲間がやられたことに気づかず、壁に向かって何かを漁っている。
無防備な背中。
俺は音を殺して近づき、一息に心臓を貫いた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:ゴブリンの死体』
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
その瞬間。
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片が(5/5)に到達しました』
『スキル【敏捷 LV1】を習得しました』
キタッ……!
全身の血が沸騰するような感覚。
体が、羽のように軽くなる。
今までまとわりついていた重い枷が、ガラガラと音を立てて外れていくようだ。
俺はステータスウィンドウを開いた。
-----------------------------
エディ・ウォーカー LV40
HP: 300/300
MP: 100/100
(ステータスは変化なし)
スキル:
【万物拾得(オールゲッター)】LV1
【高速思考】LV1 (New!)
【敏捷】LV1 (New!)
(所持スキルの欠片)
【怪力】LV1 (1/10)
-----------------------------
ステータスの「敏捷」の数値は「20」のままだ。
だが、スキル【敏捷 LV1】の効果で、俺の実際の動きは、数値以上の速度を発揮できる。
【高速思考】と【敏捷】。この二つのシナジーは計り知れない。
思考が加速し、体がそれに応えてくれる。
これなら、このダンジョンの次の階層の魔物とも渡り合えるかもしれない。
(地上に戻るか? いや……)
俺は、ダンジョンの奥へと続く暗い道を見つめた。
地上に戻れば、安全かもしれない。だが、そこにあいつらがいるとは限らない。
それに、王都に戻ったところで、俺には何もない。
追放された俺を、ギルドが再び冒険者として雇ってくれるとも思えない。
なら、答えは一つだ。
(強く、なる)
あいつらに復讐するために。
いや、それだけじゃない。
二度と、誰にも俺を「ゴミ」だなんて言わせないために。
俺は、ダンジョンの深層へと足を踏み入れた。
地上への道ではなく、より強大な魔物が、そして、より多くの「ゴミ」が眠る場所へ。
中層から下層へと続く道は、明らかに魔物の質が変わった。
ゴブリンに代わり、ホブゴブリンやオークが姿を見せ始める。
だが、俺は冷静だった。
【高速思考】と【敏捷】を駆使し、真正面から戦わず、一体ずつ確実に仕留めていく。
『【怪力 LV1】のスキルの欠片(1/10)を拾得しました』
『【頑強 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
オークの死体からは【怪力】ではなく、【頑強】(防御力アップ)のスキルが手に入った。魔物によって、拾えるスキルが違うらしい。
面白い。
まるで、失われたピースを集めるパズルのようだ。
数時間ほど探索を続けた頃、俺は開けた空間に出た。
そこは、ひどい場所だった。
異様な悪臭が鼻をつく。
そして、おびただしい数の「ガラクタ」が散乱していた。
折れた剣。砕けた盾。引きちぎられた鎧。
そして、その傍らには、無数の白骨死体。
(冒険者の……墓場か)
ダンジョン攻略に失敗し、全滅したパーティーの成れの果てだ。
ここは「迷いの洞窟」の中でも有名な難所、「オーク将軍」の縄張り。
レオンたち「暁の聖剣」は、この場所をスキルとステータスのゴリ押しで突破したが、並大抵のパーティーでは全滅は免れない。
レオンたちは、ここにある「ゴミ」には目もくれなかった。
彼らにとって価値があるのは、魔石や、破損していない魔道具だけ。
彼らが「不要」と判断し、捨て置いたモノたち。
だが、俺にとっては。
「……宝の、山だ」
俺は、まるで宝物を前にした子供のように、興奮に打ち震えた。
俺は、一体の白骨死体の前で膝をついた。
その骸が握りしめていたのは、刀身が半ばから折れた、立派な装飾の剣だった。
(すまない。だが、あんたの無念は、俺が力に変えさせてもらう)
心の中で手を合わせ、その折れた剣に触れた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:名工の剣(破損)』
『他者が「不要(所有権喪失)」と判断したこのアイテムから、【真の能力】を拾得します』
『【剣術 LV3】のスキルを拾得しました』
「なっ……!?」
思わず声が出た。
欠片じゃない。
いきなり、レベル3のスキルだと!?
『【剣術 LV3】:剣術の基本的な型と心得を習得する』
脳内に、膨大な情報が流れ込んでくる。
剣の握り方、振り下ろし方、受け流し方。
まるで、何年も修行を積んだかのように、その知識が俺の体に馴染んでいく。
すごい。
この剣の持ち主は、相当な手練れだったに違いない。
その人間の努力の結晶が、今、俺のものになった。
俺は興奮を抑えきれず、次々と「ゴミ」に手をかざしていく。
穴だらけの金属製の盾。
『【盾術 LV2】のスキルを拾得しました』
ボロボロに引き裂かれた魔術師のローブ。
『【魔力操作 LV1】のスキルを拾得しました』
矢筒に残っていた、羽が取れた矢。
『【弓術 LV1】のスキルを拾得しました』
拾えば拾うほど、俺は強くなる。
今までFランクスキルと馬鹿にされ、何の役にも立てなかった俺が、この世の理をすべて手に入れていくようだ。
(ハハ……ハハハ……!)
笑いがこみ上げてくる。
(最高だ。最高じゃないか……!)
レオン。あんたは俺を追放して、俺が持っていたガラクタを踏み砕いた。
あの時、もしあんたが、あの「魔石のカケラ」を「不要」と捨てずに、懐に入れていたら。
もしあんたが、俺のスキルが覚醒するまで、俺をパーティーに置いていたら。
俺のこの力は、あんたたちのものになっていたかもしれない。
(だが、もう遅い)
あんたたちは、自ら最強の切り札を捨てたんだ。
ゴミとして。
俺は、一際立派な鎧を身に着けた、パーティーリーダーらしき骸に近づいた。
その指には、くすんだ銀色の指輪がはまっている。
何の変哲もない、安物の指輪だ。
俺は、その指輪に触れた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:誓いの銀輪(汚染)』
『他者が「不要(所有権喪失)」と判断したこのアイテムから、【真の能力】を拾得します』
『【空間収納(アイテムボックス) LV5】のスキルを拾得しました』
「―――ッッ!!」
キタアアアアアアアアアアアアアアア!!!
俺は、心のなかで絶叫した。
空間収納! いわゆるアイテムボックス!
Aランク以上の冒険者か、大商人しか持てないとされる、超希少スキルだ!
しかも、いきなりレベル5!
俺は震える手で、スキルを発動してみた。
目の前に、俺にしか見えない半透明のウィンドウが開く。
中は、まるで無限に広がるかのような空間だった。
俺は、試しに、背負っていたボロボロの背嚢を掴み、「収納」と念じた。
背嚢は、俺の手からふっと消え、アイテムボックスのウィンドウの中にアイコンとして表示された。
「……マジかよ」
背中が、圧倒的に軽くなる。
俺は、レオンたちに「荷物持ち」として使われてきた。
いつも背中には、数十キロにも及ぶ荷物。
あの重圧から、俺は完全に解放された。
俺は、この「墓場」に散らばっていた、折れた剣や盾を、片っ端からアイテムボックスに収納していく。
今はただの「ゴミ」でも、いつか何かの役に立つかもしれない。
いや、このスキルがあれば、この「ゴミ」からさらに別の能力を拾得できる可能性もある。
俺は、自分が最強へと至る道を、ハッキリと視認した。
「ギャイン!」
その時、だった。
「墓場」の出口、深層へと続く通路の方から、甲高い悲鳴と、魔物の咆哮が聞こえてきた。
(戦闘……?)
こんな場所に、俺以外の人間が?
俺は、【敏捷】スキルを使い、音を殺してそちらへ向かった。
【高速思考】が、状況を冷静に分析する。
(魔物の数は三。ホブゴブリンだ。人間の反応は……一人。手負いか?)
岩陰からそっと覗き込むと、そこには、信じられない光景が広がっていた。
三匹のホブゴブリンに囲まれ、壁際に追い詰められている、一人の少女。
年は、俺と同じか、少し下くらい。
ボロボロになった軽鎧。腰には短剣が一本。
そして、何より目を引いたのは、ピンと張った獣の耳と、フサフサとした灰色の尻尾。
(獣人……狼族か)
彼女は、その身の丈には不釣り合いな大盾を構え、必死にホブゴブリンの棍棒を受け止めていた。
だが、その左腕は赤黒く染まり、深く傷ついているのがわかった。
盾を持つ腕が、ガクガクと震えている。
「くっ……!」
少女は歯を食いしばる。
「なぜ……! なぜ戻ってこない、アルト……!」
その叫びに、俺は足を止めた。
アルト?
仲間を呼んでいるのか。
「グガガ!」
ホブゴブリンの一匹が、大盾の隙間を狙って腕を伸ばす。
「きゃあ!」
少女は尻尾を逆立たせ、なんとか短剣で薙ぎ払うが、体勢が崩れた。
そこへ、残りの二匹が同時に棍棒を振り上げる。
(まずい……!)
間に合わない。
俺は、助けるべきか一瞬迷った。
赤の他人だ。俺には関係ない。
俺は、レオンたちに捨てられた。
人間なんて、もう信じない。
――なぜ戻ってこない、アルト!
少女の悲痛な叫びが、耳にこびりつく。
その顔が、絶望に歪む。
その顔は、追放を宣告された時の、俺の顔とそっくりだった。
「……チッ!」
俺は、岩陰から飛び出していた。
【高速思考】、【敏捷】、そして【剣術 LV3】。
俺の持てる全てを、発動する。
(狙いは右の一匹! あいつがリーダー格だ!)
俺は、アイテムボックスから、先ほど拾った「折れた名工の剣」を取り出した。
錆びた短剣より、よほどマシだ。
「――そこまでだ、化け物ども!」
俺が大声で叫ぶと、ホブゴブリンたちの注意が一斉にこちらに向いた。
少女も、信じられないという顔で俺を見ている。
「グギ!?」
俺は、一番手前のホブゴブリンの懐に、一直線に飛び込んだ。
【敏捷 LV1】の速度は、奴らの認識を上回る。
棍棒を振り上げるより早く、俺の折れた剣が、その喉を深々と貫いていた。
一匹、瞬殺。
「なっ……!?」
少女が息を呑む。
俺自身が、一番驚いていた。
【剣術 LV3】のスキルが、俺の体を勝手に動かしてくれたのだ。
これが、スキルの力。
「ガアアア!」
残りの二匹が、仲間をやられた怒りで、同時に俺に襲い掛かってくる。
(速い……! ゴブリンとは比べ物にならない!)
だが、【高速思考】が、二つの攻撃軌道を完璧に読み切る。
(右の棍棒を、左の棍棒で受け流させる……!)
俺は、右のホブゴブリンの攻撃を、バックステップで紙一重で回避。
空振りした棍棒が、横から迫っていたもう一匹のホブゴブリンの側頭部を、鈍い音を立てて強打した。
「ギッ!?」
同士討ち。
一瞬、動きが止まった二匹。
その隙を、俺が見逃すはずがない。
「――喰らえ!」
俺は、折れた剣を逆手に持ち替え、一体の心臓に突き刺し、そのまま返す刃で、もう一体の首を刎ねた。
すべてが、コンマ数秒の出来事だった。
……シーン。
ホブゴブリンの巨体が倒れる音だけが響く。
俺は、荒い息をつきながら、剣についた血を振るった。
体が熱い。アドレナリンが全身を駆け巡っている。
やった。俺が、一人で、ホブゴブリン三匹を倒した。
「あ……」
か細い声がして、俺は振り返った。
狼族の少女が、大盾を落とし、その場にへたり込んでいた。
傷ついた左腕を押さえ、怯えと、驚愕と、そしてわずかな安堵が入り混じった目で、俺をじっと見つめている。
「……大丈夫か?」
俺は、できるだけ穏やかな声を出そうとした。
だが、興奮で声が上ずってしまったかもしれない。
少女は、コクリと一度頷いた。
そして、震える声で、言った
「あ、あなたは……一体、誰……ですか? なぜ、ここに……?」
俺は、折れた剣をアイテムボックスにしまいながら、どう答えるべきか迷った。
「暁の聖剣」を追放された、ゴミ拾いです、とでも言えばいいのか。
いや、違う。
俺はもう、ゴミ拾いじゃない。
「エディだ」
俺は、短く名乗った。
「エディ・ウォーカー。……あんたと同じ、ここに捨てられた者だ」
少女の琥珀色の瞳が、俺の言葉に反応して、大きく見開かれた。
俺は、錆びた短剣をゴブリンの首筋に突き立てていた。
断末魔の叫びを上げる間もなく、魔物は緑色の血飛沫を上げて倒れ伏す。
返り血が頬にかかるが、不思議と不快感はなかった。むしろ、生きていることを実感する熱がそこにあった。
「……ふぅ。これで三匹目」
俺は短剣を抜き、その死体に無造作に手をかざした。
もう、この行為にためらいはない。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:ゴブリンの死体』
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
脳内に響く声。
これで、ゴブリンから得た【敏捷】の欠片は合計(3/5)になった。
最初の一匹目を倒した後、俺はまるで何かに取り憑かれたかのように、この「迷いの洞窟」の中層を徘徊し、ゴブリンを狩り続けていた。
今の俺は、レベルこそ40だが、身体能力はゴミ同然。
だが、スキルが二つある。
オークキングの牙から得た【怪力 LV1】の欠片(1/10)。
そして、レオンに踏み折られた錆びた短剣から拾得した、【高速思考 LV1】。
この【高速思考】が、とんでもないチカラだった。
スキルが発動すると、俺の頭脳は水を得た魚のように冴えわたる。
敵の動き、息遣い、視線の先、重心の移動――その全てが、まるでスローモーションのように認識できるのだ。
今までの俺は、ゴブリンと遭遇しただけで腰を抜かしていた。
だが、今の俺には、ゴブリンが棍棒を振りかぶる軌道が、ハッキリと見えた。
(右肩が下がる。狙いは俺の左足。踏み込みが甘い。カウンターだ)
そう思考し、体が動く。
相手の攻撃を最小限の動きで躱し、がら空きになった脇腹や首筋に、錆びた短剣を叩き込む。
この短剣も、もはや「ゴミ」ではなかった。
【高速思考】を拾得した後も、俺が持ち続けることで、錆びた刃は俺の微かな魔力に反応し、わずかに切れ味を取り戻し始めていた。
【万物拾得】の真価は、まだこんなものではない。俺は直感的にそう感じていた。
「グルァ!」
「――遅い」
背後から飛びかかってきた四匹目のゴブリン。
振り向かずに体を開き、すれ違いざまに喉を切り裂く。
これも【高速思考】のおかげだ。敵意や殺気といった、今まで感じ取れなかったものを、肌で感じ取れるようになっていた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:ゴブリンの死体』
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
これで(4/5)。あと一匹。
(レオン……リリア……ガイル……)
俺は、ゴブリンの血糊を振り払いながら、俺をゴミと罵った連中の顔を思い出す。
(あんたたちは、戦闘中の俺を『棒立ちの置物』と笑ったな)
当たり前だ。
勇者レオンの【聖剣技】は、ただ力任せに振り回すだけ。
魔術師リリアの【炎獄魔術】は、敵味方の区別なく広範囲を焼き払う。
戦士ガイルの【金剛不壊】は、ただ耐えるだけ。
あいつらの戦闘は、高ランクスキルに任せた、あまりにも雑な「ゴリ押し」だった。
そんな中で、ステータスがゴミな俺が戦闘に参加できるはずがなかった。
だが、今ならわかる。
あいつらの動きは、デタラメだ。隙だらけだ。
もし今、俺がレオンと一対一で戦ったなら――
(……いや、まだだ)
俺はかぶりを振った。
今の俺のステータスでは、【高速思考】でレオンの攻撃が見切れたとしても、それを回避する身体能力が追いつかない。
奴の【聖剣技】の速度は、ゴブリンの比ではない。
俺には、もっと力が必要だ。
もっとスキルが。
もっと、あいつらを見返すだけの、圧倒的な力が。
「……いた」
洞窟の曲がり角。五匹目のゴブリンが、仲間がやられたことに気づかず、壁に向かって何かを漁っている。
無防備な背中。
俺は音を殺して近づき、一息に心臓を貫いた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:ゴブリンの死体』
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
その瞬間。
『【敏捷 LV1】のスキルの欠片が(5/5)に到達しました』
『スキル【敏捷 LV1】を習得しました』
キタッ……!
全身の血が沸騰するような感覚。
体が、羽のように軽くなる。
今までまとわりついていた重い枷が、ガラガラと音を立てて外れていくようだ。
俺はステータスウィンドウを開いた。
-----------------------------
エディ・ウォーカー LV40
HP: 300/300
MP: 100/100
(ステータスは変化なし)
スキル:
【万物拾得(オールゲッター)】LV1
【高速思考】LV1 (New!)
【敏捷】LV1 (New!)
(所持スキルの欠片)
【怪力】LV1 (1/10)
-----------------------------
ステータスの「敏捷」の数値は「20」のままだ。
だが、スキル【敏捷 LV1】の効果で、俺の実際の動きは、数値以上の速度を発揮できる。
【高速思考】と【敏捷】。この二つのシナジーは計り知れない。
思考が加速し、体がそれに応えてくれる。
これなら、このダンジョンの次の階層の魔物とも渡り合えるかもしれない。
(地上に戻るか? いや……)
俺は、ダンジョンの奥へと続く暗い道を見つめた。
地上に戻れば、安全かもしれない。だが、そこにあいつらがいるとは限らない。
それに、王都に戻ったところで、俺には何もない。
追放された俺を、ギルドが再び冒険者として雇ってくれるとも思えない。
なら、答えは一つだ。
(強く、なる)
あいつらに復讐するために。
いや、それだけじゃない。
二度と、誰にも俺を「ゴミ」だなんて言わせないために。
俺は、ダンジョンの深層へと足を踏み入れた。
地上への道ではなく、より強大な魔物が、そして、より多くの「ゴミ」が眠る場所へ。
中層から下層へと続く道は、明らかに魔物の質が変わった。
ゴブリンに代わり、ホブゴブリンやオークが姿を見せ始める。
だが、俺は冷静だった。
【高速思考】と【敏捷】を駆使し、真正面から戦わず、一体ずつ確実に仕留めていく。
『【怪力 LV1】のスキルの欠片(1/10)を拾得しました』
『【頑強 LV1】のスキルの欠片(1/5)を拾得しました』
オークの死体からは【怪力】ではなく、【頑強】(防御力アップ)のスキルが手に入った。魔物によって、拾えるスキルが違うらしい。
面白い。
まるで、失われたピースを集めるパズルのようだ。
数時間ほど探索を続けた頃、俺は開けた空間に出た。
そこは、ひどい場所だった。
異様な悪臭が鼻をつく。
そして、おびただしい数の「ガラクタ」が散乱していた。
折れた剣。砕けた盾。引きちぎられた鎧。
そして、その傍らには、無数の白骨死体。
(冒険者の……墓場か)
ダンジョン攻略に失敗し、全滅したパーティーの成れの果てだ。
ここは「迷いの洞窟」の中でも有名な難所、「オーク将軍」の縄張り。
レオンたち「暁の聖剣」は、この場所をスキルとステータスのゴリ押しで突破したが、並大抵のパーティーでは全滅は免れない。
レオンたちは、ここにある「ゴミ」には目もくれなかった。
彼らにとって価値があるのは、魔石や、破損していない魔道具だけ。
彼らが「不要」と判断し、捨て置いたモノたち。
だが、俺にとっては。
「……宝の、山だ」
俺は、まるで宝物を前にした子供のように、興奮に打ち震えた。
俺は、一体の白骨死体の前で膝をついた。
その骸が握りしめていたのは、刀身が半ばから折れた、立派な装飾の剣だった。
(すまない。だが、あんたの無念は、俺が力に変えさせてもらう)
心の中で手を合わせ、その折れた剣に触れた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:名工の剣(破損)』
『他者が「不要(所有権喪失)」と判断したこのアイテムから、【真の能力】を拾得します』
『【剣術 LV3】のスキルを拾得しました』
「なっ……!?」
思わず声が出た。
欠片じゃない。
いきなり、レベル3のスキルだと!?
『【剣術 LV3】:剣術の基本的な型と心得を習得する』
脳内に、膨大な情報が流れ込んでくる。
剣の握り方、振り下ろし方、受け流し方。
まるで、何年も修行を積んだかのように、その知識が俺の体に馴染んでいく。
すごい。
この剣の持ち主は、相当な手練れだったに違いない。
その人間の努力の結晶が、今、俺のものになった。
俺は興奮を抑えきれず、次々と「ゴミ」に手をかざしていく。
穴だらけの金属製の盾。
『【盾術 LV2】のスキルを拾得しました』
ボロボロに引き裂かれた魔術師のローブ。
『【魔力操作 LV1】のスキルを拾得しました』
矢筒に残っていた、羽が取れた矢。
『【弓術 LV1】のスキルを拾得しました』
拾えば拾うほど、俺は強くなる。
今までFランクスキルと馬鹿にされ、何の役にも立てなかった俺が、この世の理をすべて手に入れていくようだ。
(ハハ……ハハハ……!)
笑いがこみ上げてくる。
(最高だ。最高じゃないか……!)
レオン。あんたは俺を追放して、俺が持っていたガラクタを踏み砕いた。
あの時、もしあんたが、あの「魔石のカケラ」を「不要」と捨てずに、懐に入れていたら。
もしあんたが、俺のスキルが覚醒するまで、俺をパーティーに置いていたら。
俺のこの力は、あんたたちのものになっていたかもしれない。
(だが、もう遅い)
あんたたちは、自ら最強の切り札を捨てたんだ。
ゴミとして。
俺は、一際立派な鎧を身に着けた、パーティーリーダーらしき骸に近づいた。
その指には、くすんだ銀色の指輪がはまっている。
何の変哲もない、安物の指輪だ。
俺は、その指輪に触れた。
『スキル【万物拾得】が発動します』
『対象:誓いの銀輪(汚染)』
『他者が「不要(所有権喪失)」と判断したこのアイテムから、【真の能力】を拾得します』
『【空間収納(アイテムボックス) LV5】のスキルを拾得しました』
「―――ッッ!!」
キタアアアアアアアアアアアアアアア!!!
俺は、心のなかで絶叫した。
空間収納! いわゆるアイテムボックス!
Aランク以上の冒険者か、大商人しか持てないとされる、超希少スキルだ!
しかも、いきなりレベル5!
俺は震える手で、スキルを発動してみた。
目の前に、俺にしか見えない半透明のウィンドウが開く。
中は、まるで無限に広がるかのような空間だった。
俺は、試しに、背負っていたボロボロの背嚢を掴み、「収納」と念じた。
背嚢は、俺の手からふっと消え、アイテムボックスのウィンドウの中にアイコンとして表示された。
「……マジかよ」
背中が、圧倒的に軽くなる。
俺は、レオンたちに「荷物持ち」として使われてきた。
いつも背中には、数十キロにも及ぶ荷物。
あの重圧から、俺は完全に解放された。
俺は、この「墓場」に散らばっていた、折れた剣や盾を、片っ端からアイテムボックスに収納していく。
今はただの「ゴミ」でも、いつか何かの役に立つかもしれない。
いや、このスキルがあれば、この「ゴミ」からさらに別の能力を拾得できる可能性もある。
俺は、自分が最強へと至る道を、ハッキリと視認した。
「ギャイン!」
その時、だった。
「墓場」の出口、深層へと続く通路の方から、甲高い悲鳴と、魔物の咆哮が聞こえてきた。
(戦闘……?)
こんな場所に、俺以外の人間が?
俺は、【敏捷】スキルを使い、音を殺してそちらへ向かった。
【高速思考】が、状況を冷静に分析する。
(魔物の数は三。ホブゴブリンだ。人間の反応は……一人。手負いか?)
岩陰からそっと覗き込むと、そこには、信じられない光景が広がっていた。
三匹のホブゴブリンに囲まれ、壁際に追い詰められている、一人の少女。
年は、俺と同じか、少し下くらい。
ボロボロになった軽鎧。腰には短剣が一本。
そして、何より目を引いたのは、ピンと張った獣の耳と、フサフサとした灰色の尻尾。
(獣人……狼族か)
彼女は、その身の丈には不釣り合いな大盾を構え、必死にホブゴブリンの棍棒を受け止めていた。
だが、その左腕は赤黒く染まり、深く傷ついているのがわかった。
盾を持つ腕が、ガクガクと震えている。
「くっ……!」
少女は歯を食いしばる。
「なぜ……! なぜ戻ってこない、アルト……!」
その叫びに、俺は足を止めた。
アルト?
仲間を呼んでいるのか。
「グガガ!」
ホブゴブリンの一匹が、大盾の隙間を狙って腕を伸ばす。
「きゃあ!」
少女は尻尾を逆立たせ、なんとか短剣で薙ぎ払うが、体勢が崩れた。
そこへ、残りの二匹が同時に棍棒を振り上げる。
(まずい……!)
間に合わない。
俺は、助けるべきか一瞬迷った。
赤の他人だ。俺には関係ない。
俺は、レオンたちに捨てられた。
人間なんて、もう信じない。
――なぜ戻ってこない、アルト!
少女の悲痛な叫びが、耳にこびりつく。
その顔が、絶望に歪む。
その顔は、追放を宣告された時の、俺の顔とそっくりだった。
「……チッ!」
俺は、岩陰から飛び出していた。
【高速思考】、【敏捷】、そして【剣術 LV3】。
俺の持てる全てを、発動する。
(狙いは右の一匹! あいつがリーダー格だ!)
俺は、アイテムボックスから、先ほど拾った「折れた名工の剣」を取り出した。
錆びた短剣より、よほどマシだ。
「――そこまでだ、化け物ども!」
俺が大声で叫ぶと、ホブゴブリンたちの注意が一斉にこちらに向いた。
少女も、信じられないという顔で俺を見ている。
「グギ!?」
俺は、一番手前のホブゴブリンの懐に、一直線に飛び込んだ。
【敏捷 LV1】の速度は、奴らの認識を上回る。
棍棒を振り上げるより早く、俺の折れた剣が、その喉を深々と貫いていた。
一匹、瞬殺。
「なっ……!?」
少女が息を呑む。
俺自身が、一番驚いていた。
【剣術 LV3】のスキルが、俺の体を勝手に動かしてくれたのだ。
これが、スキルの力。
「ガアアア!」
残りの二匹が、仲間をやられた怒りで、同時に俺に襲い掛かってくる。
(速い……! ゴブリンとは比べ物にならない!)
だが、【高速思考】が、二つの攻撃軌道を完璧に読み切る。
(右の棍棒を、左の棍棒で受け流させる……!)
俺は、右のホブゴブリンの攻撃を、バックステップで紙一重で回避。
空振りした棍棒が、横から迫っていたもう一匹のホブゴブリンの側頭部を、鈍い音を立てて強打した。
「ギッ!?」
同士討ち。
一瞬、動きが止まった二匹。
その隙を、俺が見逃すはずがない。
「――喰らえ!」
俺は、折れた剣を逆手に持ち替え、一体の心臓に突き刺し、そのまま返す刃で、もう一体の首を刎ねた。
すべてが、コンマ数秒の出来事だった。
……シーン。
ホブゴブリンの巨体が倒れる音だけが響く。
俺は、荒い息をつきながら、剣についた血を振るった。
体が熱い。アドレナリンが全身を駆け巡っている。
やった。俺が、一人で、ホブゴブリン三匹を倒した。
「あ……」
か細い声がして、俺は振り返った。
狼族の少女が、大盾を落とし、その場にへたり込んでいた。
傷ついた左腕を押さえ、怯えと、驚愕と、そしてわずかな安堵が入り混じった目で、俺をじっと見つめている。
「……大丈夫か?」
俺は、できるだけ穏やかな声を出そうとした。
だが、興奮で声が上ずってしまったかもしれない。
少女は、コクリと一度頷いた。
そして、震える声で、言った
「あ、あなたは……一体、誰……ですか? なぜ、ここに……?」
俺は、折れた剣をアイテムボックスにしまいながら、どう答えるべきか迷った。
「暁の聖剣」を追放された、ゴミ拾いです、とでも言えばいいのか。
いや、違う。
俺はもう、ゴミ拾いじゃない。
「エディだ」
俺は、短く名乗った。
「エディ・ウォーカー。……あんたと同じ、ここに捨てられた者だ」
少女の琥珀色の瞳が、俺の言葉に反応して、大きく見開かれた。
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