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波乱の建国記念式典
俺の急変を目の当たりにした兄弟たち
皇族用控え室での父上との会話は続く。
「話は変わるが、今回のお前の衣装は奇っ怪だな」
「奇っ怪とは失礼ですね。珍妙と仰ってください。ペッテリ自慢の1品ですよ」
父上がまじまじと俺の衣装を見たので、俺はくるりと一回転し、父上の言葉にムスッとした。確かに珍しいけど、奇っ怪はペッテリに失礼だぞ!
「……ペッテリ?衣装職人のペッテリとは、ペッテリ・アウッティのことでしょうか?」
するとずっと外野だったこの国の第一皇子のエドヴァルド・ユハナ・ハンナマリ・ニコ・ハーララか会話に参加して来た。ちなみに彼が皇太子候補筆頭で、以前の俺にとっては最大の敵だった。
冷静沈着で温厚な性格だとは言われているが、本当のところはわからない。彼はいつも笑顔だが、その裏に何を隠しているのかはわからないのだ。それが末恐ろしい。と言うか第一皇子なんて立場、次期皇帝の座に近すぎて暗殺が絶えないに違いない。それを彼は笑顔で受け流す。相当の実力をもっているのだろう。まあ今になってはただの異母兄の一人ではあるが。
そんなことより、彼が何故商会長の五男を知っているのだろうか。ペッテリって有名人?まああんな奇行を繰り返していたらクチコミで有名になるか。
「ええ。そうですよ、エドヴァルド兄上」
「……兄上?」
エドヴァルド兄上は俺の兄上呼びに笑顔を固めて首を傾げた。ありゃ?やっぱカレルヴォ兄上の時みたいに行かない?以前まで敵同然の関係だから許せないのか?
「いけませんでしたか?ならエドヴァルドさんと呼びますが」
「……いや、別に兄上呼びでも構わないけど……。エルネスティは良いのかい?」
「ええ。良くなければ自分からそんな呼び方しませんよ」
エドヴァルド兄上は貼り付けたような笑みのまま俺の顔をじっと見て真意を読み取ろうとしている。真意も何も、本当のことしか言ってないんだけどね。今までの俺の印象で、何か裏があるとでも考えているんだろう。そう言った誤解は時間がいずれ解いてくれるかな。
「ふむふむ。珍妙ではあるが良くお前に合っているな。我の目に狂いはなかったようだ」
「はい。ペッテリをご紹介してくださり、本当にありがとうございます」
「なっ!?父上が紹介されたのですか!?」
驚きの声を出したのはこの国の第二皇子であるアルットゥリ・ミエス・ビルギッタ・ニコ・ハーララだ。効率主義の頭脳派であり、エドヴァルド兄上に次いで皇帝の座に近い存在だ。以前の俺とは犬猿の仲で、出会うだけでその場の空気が5度下がっていた。懐かしいなあ(棒)
「ああ。頼めるような職人の伝手がないと思ってな。我が紹介してやった」
「……父上直々に……ですか」
「ああ。そうだな」
アルットゥリ兄上は顎に手を添えてブツブツ何かを呟きながら考え込んだ。今まで父上に見向きもされてなかった俺がいきなり親密になったから、彼の中の計算が狂ったのだろう。大丈夫だよ、アルットゥリ兄上!俺は皇帝の座になんて興味ないから!
「異国風の装いだな。……む?その刺繍は……」
「気づきました?見てください!二重魔法陣の模様ですよ!これは私がリクエストしました!ペッテリ力作ですぞ!こんなに複雑な模様をこんなに綺麗に刺繍出来るだなんて!ペッテリは神の手の持ち主です!」
「ああ、そうだな。とりあえず落ち着け」
父上が魔法陣の刺繍に気づいて指摘した。俺は待ってましたと言わんばかりにずいずいっと身を乗り出して魔法陣の素晴らしさを語ることにした。
「聞いてくたされ父上殿!先日とある実験を致しまして、二重魔法陣を発動させるには版画が有効だという結論が出ました!それどころか効力が上がりすぎて使い物にならないという贅沢な問題も浮上したのです!相乗効果か版画特典か定かではありませんが、ここに断言致します!版画魔法陣は世界を変えますぞ!」
「ああ、良かったな。とりあえず落ち着け」
「今はヤルノに一重魔法陣の版画板を大量に依頼しているので、これが完成したら効力の増進の理由が何かハッキリするでしょうな!効力の鈍感化もただ今研究中ですぞ!着実に実用化に進んでおります!」
「おお、それは良い知らせだ。とりあえず落ち着け」
「ああ!魔法陣は本当に美しいと思いません!?法則に沿って寸分の狂いもなく敷き詰められた線がどんな魔力も受け入れ、少ない魔力で、適正属性以外の魔法が簡単に使えるようになるのですぞ!ひとつひとつの線に、形に意味が込められている!素晴らしい!ああ!興奮で空を飛びそうだ!」
「カレルヴォ。落ち着かせろ」
「御意」
魔法陣の素晴らしさについて語っていると、カレルヴォ兄上に頭を殴られた。痛い!痛いって!手加減してくだされ!
「好きなことに一直線なことは良いが、時と場所と場合を弁えろ」
「……申し訳ございません」
俺は殴られたことでちょっと冷静さを取り戻した。別に俺の奇行を見られることに抵抗はないけど、ここには皇族が集結してた。あまり皇族に有るまじき行動をとっていたら、変なところで目をつけられるかもしれない。反省反省。以後気をつけます。
ですから皆様口をあんぐり開けてこちらを凝視するの止めてくれません?
「……父上、私の話ばかりで宜しいのですか?他の方とお話ししては……?」
「一人一人との会話はそれはもう済ませてある。お前が最後だ」
「……そうですか」
しれっと言ったが多分違う。エドヴァルド兄上とかアルットゥリ兄上からの視線が怖い。会話したと言っても一言二言で、こんな長々話してないでしょ、絶対!
「……我慢なりません!父上!エルネスティ兄上に一言申し上げる許可を!」
大声でそう言い出したのは俺の同母弟のアウクスティだ。その隣では第二皇妃がギョッとしてアウクスティを止めようとしていた。だがアウクスティがズカズカと俺の前へ歩いて行くため、ドレスで動きにくい第二皇妃は止めることが出来ない。
「……どうした?アウクスティ。別に発言に我の許可は必要ないが」
「ありがとうございます!兄上!いい加減にしてください!」
「……何がでしょうか?」
アウクスティは俺をビシッと指差して苦言を呈す。俺はぽかんとしてしまった。あれ?俺、なんかアウクスティにしたっけ?
「偉大なる母上の息子でありながら!好き勝手に動いて母上の評判を落として!ふざけるな!兄上の身体は兄上だけのものではない!」
……アウクスティの洗脳は確実に進んでいるようだ。
「話は変わるが、今回のお前の衣装は奇っ怪だな」
「奇っ怪とは失礼ですね。珍妙と仰ってください。ペッテリ自慢の1品ですよ」
父上がまじまじと俺の衣装を見たので、俺はくるりと一回転し、父上の言葉にムスッとした。確かに珍しいけど、奇っ怪はペッテリに失礼だぞ!
「……ペッテリ?衣装職人のペッテリとは、ペッテリ・アウッティのことでしょうか?」
するとずっと外野だったこの国の第一皇子のエドヴァルド・ユハナ・ハンナマリ・ニコ・ハーララか会話に参加して来た。ちなみに彼が皇太子候補筆頭で、以前の俺にとっては最大の敵だった。
冷静沈着で温厚な性格だとは言われているが、本当のところはわからない。彼はいつも笑顔だが、その裏に何を隠しているのかはわからないのだ。それが末恐ろしい。と言うか第一皇子なんて立場、次期皇帝の座に近すぎて暗殺が絶えないに違いない。それを彼は笑顔で受け流す。相当の実力をもっているのだろう。まあ今になってはただの異母兄の一人ではあるが。
そんなことより、彼が何故商会長の五男を知っているのだろうか。ペッテリって有名人?まああんな奇行を繰り返していたらクチコミで有名になるか。
「ええ。そうですよ、エドヴァルド兄上」
「……兄上?」
エドヴァルド兄上は俺の兄上呼びに笑顔を固めて首を傾げた。ありゃ?やっぱカレルヴォ兄上の時みたいに行かない?以前まで敵同然の関係だから許せないのか?
「いけませんでしたか?ならエドヴァルドさんと呼びますが」
「……いや、別に兄上呼びでも構わないけど……。エルネスティは良いのかい?」
「ええ。良くなければ自分からそんな呼び方しませんよ」
エドヴァルド兄上は貼り付けたような笑みのまま俺の顔をじっと見て真意を読み取ろうとしている。真意も何も、本当のことしか言ってないんだけどね。今までの俺の印象で、何か裏があるとでも考えているんだろう。そう言った誤解は時間がいずれ解いてくれるかな。
「ふむふむ。珍妙ではあるが良くお前に合っているな。我の目に狂いはなかったようだ」
「はい。ペッテリをご紹介してくださり、本当にありがとうございます」
「なっ!?父上が紹介されたのですか!?」
驚きの声を出したのはこの国の第二皇子であるアルットゥリ・ミエス・ビルギッタ・ニコ・ハーララだ。効率主義の頭脳派であり、エドヴァルド兄上に次いで皇帝の座に近い存在だ。以前の俺とは犬猿の仲で、出会うだけでその場の空気が5度下がっていた。懐かしいなあ(棒)
「ああ。頼めるような職人の伝手がないと思ってな。我が紹介してやった」
「……父上直々に……ですか」
「ああ。そうだな」
アルットゥリ兄上は顎に手を添えてブツブツ何かを呟きながら考え込んだ。今まで父上に見向きもされてなかった俺がいきなり親密になったから、彼の中の計算が狂ったのだろう。大丈夫だよ、アルットゥリ兄上!俺は皇帝の座になんて興味ないから!
「異国風の装いだな。……む?その刺繍は……」
「気づきました?見てください!二重魔法陣の模様ですよ!これは私がリクエストしました!ペッテリ力作ですぞ!こんなに複雑な模様をこんなに綺麗に刺繍出来るだなんて!ペッテリは神の手の持ち主です!」
「ああ、そうだな。とりあえず落ち着け」
父上が魔法陣の刺繍に気づいて指摘した。俺は待ってましたと言わんばかりにずいずいっと身を乗り出して魔法陣の素晴らしさを語ることにした。
「聞いてくたされ父上殿!先日とある実験を致しまして、二重魔法陣を発動させるには版画が有効だという結論が出ました!それどころか効力が上がりすぎて使い物にならないという贅沢な問題も浮上したのです!相乗効果か版画特典か定かではありませんが、ここに断言致します!版画魔法陣は世界を変えますぞ!」
「ああ、良かったな。とりあえず落ち着け」
「今はヤルノに一重魔法陣の版画板を大量に依頼しているので、これが完成したら効力の増進の理由が何かハッキリするでしょうな!効力の鈍感化もただ今研究中ですぞ!着実に実用化に進んでおります!」
「おお、それは良い知らせだ。とりあえず落ち着け」
「ああ!魔法陣は本当に美しいと思いません!?法則に沿って寸分の狂いもなく敷き詰められた線がどんな魔力も受け入れ、少ない魔力で、適正属性以外の魔法が簡単に使えるようになるのですぞ!ひとつひとつの線に、形に意味が込められている!素晴らしい!ああ!興奮で空を飛びそうだ!」
「カレルヴォ。落ち着かせろ」
「御意」
魔法陣の素晴らしさについて語っていると、カレルヴォ兄上に頭を殴られた。痛い!痛いって!手加減してくだされ!
「好きなことに一直線なことは良いが、時と場所と場合を弁えろ」
「……申し訳ございません」
俺は殴られたことでちょっと冷静さを取り戻した。別に俺の奇行を見られることに抵抗はないけど、ここには皇族が集結してた。あまり皇族に有るまじき行動をとっていたら、変なところで目をつけられるかもしれない。反省反省。以後気をつけます。
ですから皆様口をあんぐり開けてこちらを凝視するの止めてくれません?
「……父上、私の話ばかりで宜しいのですか?他の方とお話ししては……?」
「一人一人との会話はそれはもう済ませてある。お前が最後だ」
「……そうですか」
しれっと言ったが多分違う。エドヴァルド兄上とかアルットゥリ兄上からの視線が怖い。会話したと言っても一言二言で、こんな長々話してないでしょ、絶対!
「……我慢なりません!父上!エルネスティ兄上に一言申し上げる許可を!」
大声でそう言い出したのは俺の同母弟のアウクスティだ。その隣では第二皇妃がギョッとしてアウクスティを止めようとしていた。だがアウクスティがズカズカと俺の前へ歩いて行くため、ドレスで動きにくい第二皇妃は止めることが出来ない。
「……どうした?アウクスティ。別に発言に我の許可は必要ないが」
「ありがとうございます!兄上!いい加減にしてください!」
「……何がでしょうか?」
アウクスティは俺をビシッと指差して苦言を呈す。俺はぽかんとしてしまった。あれ?俺、なんかアウクスティにしたっけ?
「偉大なる母上の息子でありながら!好き勝手に動いて母上の評判を落として!ふざけるな!兄上の身体は兄上だけのものではない!」
……アウクスティの洗脳は確実に進んでいるようだ。
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