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波乱の建国記念式典
近衛騎士団の濃ゆい面々
「エルネスティ様。そろそろいじけてないで、ヴァイナモ様の所へ行きましょう。出て来てください」
「……ヴァイナモが来るまで私は出ません」
訓練場から飛び出した俺は現在図書館の小部屋にある小さな木箱の中に入り込んでいた。今は誰にも顔を見られたくない。涙と鼻水でモザイク必須な顔してる自信しかない。こんな自信いらねえよこんちくしょう!
ヤルノは木箱の上から宥めようと声をかけて来るが、俺はひたすらそれを拒否する。ごめんね、ヤルノ。俺の我儘に付き合わせて。
「確かに休みをとらないヴァイナモ様は良くありませんが、ヴァイナモ様もエルネスティ様のためを思って鍛錬していたのです。それを真っ向から否定されては、ヴァイナモ様が可哀想です」
「……だからいじけているのです。私のせいで、ヴァイナモに大きな負担をかけていました。私がヴァイナモに側にいて欲しいから、休みなく毎日私の護衛をしていたヴァイナモを見て見ぬふりをしていました」
そうだ。ヴァイナモが俺の側にいたいと言ってくれたことが嬉しくて、そのまま鵜呑みにしてたんだ。自分の良い様にヴァイナモの気持ちを使ってたんだ。最低だ、俺は。
「……そこでヴァイナモ様が全て悪いと仰らないのがエルネスティ様の美徳ですね。流石天使です」
「……ペッテリが真面目に話しているだなんて、珍しいですね」
「珍しいとお思いなのであれば、そこから出て来て直でご覧ください」
「それは難しいですね、ヤルノ」
ペッテリが珍しく崇拝口調じゃないから驚いていると、ヤルノから訳のわからないことを言われた。どんだけ俺をここから出したいんだよ!もっと他に手があるだろ多分!おそらく!きっと!!
「今は私の姿が見えてないので私に話すような口調ですが、私が出て来てしまえばたちまち天使を崇拝する口調に戻るでしょうに」
「流石エルネスティ様。ペッテリのことをよくご存じで」
おいコラヤルノ!しれっと俺を褒めてきたけど、小さく舌打ちしたの聞こえたんだからな!
「……あの、お言葉ですが、いくら殿下がお許しになっているとは言え、殿下に向けて舌打ちはいかがなものでしょうか」
すると俺を追いかけて来た近衛騎士の一人がヤルノに苦言を呈した。この声は確かさっきアスモとサムエルって人を呼んでいた騎士だから……オリヴァかな?良いぞもっと言ってやれ!
「……それもそうですね。すみません」
「……それで反省しているのですか?」
「まあまあ、オリヴァ落ち着いて。殿下がお許しくださってるんだから、別に良いでしょ」
「アスモがそう言うのならそうだな」
ヤルノが反省してるのかしてないのかわからない謝罪をしたのにオリヴァは尚も苦言を呈そうとしたが、アスモに宥められてあっさり引いた。オリヴァ、君はアスモ肯定botかなんかなの??
「あの~今凄く歌いたい気分なんで歌っても良いですかあ?」
「やめろ、サムエル。殿下の御前だ」
「え~やっぱり駄目ですかあ?」
そしてマイペースな発言をするサムエルをオリヴァが止めた。なんなの俺を追ってきた近衛騎士たちのキャラ濃すぎじゃない?
「……私を追ってきた近衛騎士の皆さん。オリヴァ、アスモ、サムエル、であっていますか?」
「あっ、はい!私はオリヴァ・クレーモラです。近衛騎士団第四部隊所属です」
「俺……じゃなくて、私はアスモ・カンナスです。オリヴァと同じく近衛騎士団第四部隊所属です」
「僕はサムエル・ランデルです~。所属は先輩方と同じです~」
「こらサムエル!殿下にはちゃんと挨拶しろ!」
「あ痛っ!」
3人の自己紹介の後、ゴツンという音とサムエルが悶絶する声が聞こえて来た。拳骨でもしたんだろうか。感じ的にオリヴァとアスモが同期で、サムエルが後輩かな?
俺はチラリと木箱から顔を出して3人の顔を見た。ペッテリが「天使のご尊顔を拝見出来た……!我が人生に1点の悔いなし……!」と訳のわからない言葉を発する中、彼らの顔に見覚えがあることに気づいた。
「3人ともよく私の部屋の夜番護衛をしていますね?」
「……我々のことをご存じでしたか」
「だいたい3人のローテーションでしたので、自然と顔を覚えてしまいました。私の前で畏まる必要はありませんよ。どうぞ自然体でいてください」
声的に多分オリヴァな人が目を丸くした。まあ確かに俺は興味ないことは全力で眼中に無いけど、俺を護ってくれる護衛騎士の顔くらいは覚えてるよ!
「ほんとッスか!殿下!じゃあ俺、その言葉通り自然体でいるッスよ!」
「やったあ。畏まるのって苦手なですよ~」
「おいコラそこの2人!いくら殿下がお許しだからと言っても、そんな態度はっ……!」
「良いじゃん、オリヴァ。殿下がお許しなんだし」
「まあアスモがそう言うならそうか」
俺が許した途端、アスモとサムエルは素に戻った。オリヴァも最初は注意したが、アスモが説得するとあっさり意見を変えた。本当にオリヴァはアスモ全肯定botなんです??
「……失礼なのはどっちだよ……」
「何か言いましたか?ヤルノさん」
「失礼なのはどっちなんですと申しました。それと私はただの平民彫刻師なので敬語は不要ですよ。ちなみにペッテリも平民衣装職人なので同じです」
ヤルノは毅然とした態度でそう言う。見た目チャラ男なのにめっちゃしっかりしてるよね、ヤルノって。でもさっきの独り言は素の話し方なのかな?そっちの方が楽なんだけど。
「ヤルノも自然体で良いのですよ?」
「いえ。私は公私をきちんと分ける性分でして。このままでいかせていただきます。ペッテリのが移って勝手に『エルネスティ様』とは呼ばせていただいておりますが」
「ああ、別に気にしてませんよ。寧ろ歓迎します」
偉いなヤルノ。見た目に反してめっちゃ真面目。ギャップが凄いな、色んな意味で。
「貴方方は夜番が多いのですよね?何か理由でもあるのですか?夜型ですとか」
「以前は早寝早起きが常識の優等生でしたよ~」
「夜更かし出来ない体質ッス!」
「俺は別に普通です」
3人はなんてことないようにそう答えたが、普通に考えておかしい。特に前者2人!夜遅くまで起きていられないのになんで夜番なんて任されてんの!?
夜番なんて負担が大きい割に仕事ぶりが周りに伝わりにくいからって忌み嫌われるんだよね!?普通隊員全員でローテーションするモンでしょ!?
俺の疑問に気づいたオリヴァは苦笑いを浮かべて肩を竦めた。
「身も蓋もない話、左遷ですよ」
「左遷ですか?まあ……その、アスモとサムエルは何となくわかりますが」
俺は失礼を承知でそう言うと、オリヴァは何故か少し得意気に胸を張った。どうした?いきなり。
「俺はアスモについてきました」
「何でです??」
やっべちょっと口調が乱れた。でも本気でなんで?左遷された人間について行くって何?
俺の口調に気づかなかったオリヴァはそれはもう世界で一番の勝ち組のようなドヤ顔を見せた。これが先程まで俺に対する他2人の態度を注意してた奴とか、信じたくないんだけど。やっぱ濃ゆいわ、この3人。
「俺はアスモの親友で恋人ですから」
そしてオリヴァは堂々と爆弾を落とした。
「……ヴァイナモが来るまで私は出ません」
訓練場から飛び出した俺は現在図書館の小部屋にある小さな木箱の中に入り込んでいた。今は誰にも顔を見られたくない。涙と鼻水でモザイク必須な顔してる自信しかない。こんな自信いらねえよこんちくしょう!
ヤルノは木箱の上から宥めようと声をかけて来るが、俺はひたすらそれを拒否する。ごめんね、ヤルノ。俺の我儘に付き合わせて。
「確かに休みをとらないヴァイナモ様は良くありませんが、ヴァイナモ様もエルネスティ様のためを思って鍛錬していたのです。それを真っ向から否定されては、ヴァイナモ様が可哀想です」
「……だからいじけているのです。私のせいで、ヴァイナモに大きな負担をかけていました。私がヴァイナモに側にいて欲しいから、休みなく毎日私の護衛をしていたヴァイナモを見て見ぬふりをしていました」
そうだ。ヴァイナモが俺の側にいたいと言ってくれたことが嬉しくて、そのまま鵜呑みにしてたんだ。自分の良い様にヴァイナモの気持ちを使ってたんだ。最低だ、俺は。
「……そこでヴァイナモ様が全て悪いと仰らないのがエルネスティ様の美徳ですね。流石天使です」
「……ペッテリが真面目に話しているだなんて、珍しいですね」
「珍しいとお思いなのであれば、そこから出て来て直でご覧ください」
「それは難しいですね、ヤルノ」
ペッテリが珍しく崇拝口調じゃないから驚いていると、ヤルノから訳のわからないことを言われた。どんだけ俺をここから出したいんだよ!もっと他に手があるだろ多分!おそらく!きっと!!
「今は私の姿が見えてないので私に話すような口調ですが、私が出て来てしまえばたちまち天使を崇拝する口調に戻るでしょうに」
「流石エルネスティ様。ペッテリのことをよくご存じで」
おいコラヤルノ!しれっと俺を褒めてきたけど、小さく舌打ちしたの聞こえたんだからな!
「……あの、お言葉ですが、いくら殿下がお許しになっているとは言え、殿下に向けて舌打ちはいかがなものでしょうか」
すると俺を追いかけて来た近衛騎士の一人がヤルノに苦言を呈した。この声は確かさっきアスモとサムエルって人を呼んでいた騎士だから……オリヴァかな?良いぞもっと言ってやれ!
「……それもそうですね。すみません」
「……それで反省しているのですか?」
「まあまあ、オリヴァ落ち着いて。殿下がお許しくださってるんだから、別に良いでしょ」
「アスモがそう言うのならそうだな」
ヤルノが反省してるのかしてないのかわからない謝罪をしたのにオリヴァは尚も苦言を呈そうとしたが、アスモに宥められてあっさり引いた。オリヴァ、君はアスモ肯定botかなんかなの??
「あの~今凄く歌いたい気分なんで歌っても良いですかあ?」
「やめろ、サムエル。殿下の御前だ」
「え~やっぱり駄目ですかあ?」
そしてマイペースな発言をするサムエルをオリヴァが止めた。なんなの俺を追ってきた近衛騎士たちのキャラ濃すぎじゃない?
「……私を追ってきた近衛騎士の皆さん。オリヴァ、アスモ、サムエル、であっていますか?」
「あっ、はい!私はオリヴァ・クレーモラです。近衛騎士団第四部隊所属です」
「俺……じゃなくて、私はアスモ・カンナスです。オリヴァと同じく近衛騎士団第四部隊所属です」
「僕はサムエル・ランデルです~。所属は先輩方と同じです~」
「こらサムエル!殿下にはちゃんと挨拶しろ!」
「あ痛っ!」
3人の自己紹介の後、ゴツンという音とサムエルが悶絶する声が聞こえて来た。拳骨でもしたんだろうか。感じ的にオリヴァとアスモが同期で、サムエルが後輩かな?
俺はチラリと木箱から顔を出して3人の顔を見た。ペッテリが「天使のご尊顔を拝見出来た……!我が人生に1点の悔いなし……!」と訳のわからない言葉を発する中、彼らの顔に見覚えがあることに気づいた。
「3人ともよく私の部屋の夜番護衛をしていますね?」
「……我々のことをご存じでしたか」
「だいたい3人のローテーションでしたので、自然と顔を覚えてしまいました。私の前で畏まる必要はありませんよ。どうぞ自然体でいてください」
声的に多分オリヴァな人が目を丸くした。まあ確かに俺は興味ないことは全力で眼中に無いけど、俺を護ってくれる護衛騎士の顔くらいは覚えてるよ!
「ほんとッスか!殿下!じゃあ俺、その言葉通り自然体でいるッスよ!」
「やったあ。畏まるのって苦手なですよ~」
「おいコラそこの2人!いくら殿下がお許しだからと言っても、そんな態度はっ……!」
「良いじゃん、オリヴァ。殿下がお許しなんだし」
「まあアスモがそう言うならそうか」
俺が許した途端、アスモとサムエルは素に戻った。オリヴァも最初は注意したが、アスモが説得するとあっさり意見を変えた。本当にオリヴァはアスモ全肯定botなんです??
「……失礼なのはどっちだよ……」
「何か言いましたか?ヤルノさん」
「失礼なのはどっちなんですと申しました。それと私はただの平民彫刻師なので敬語は不要ですよ。ちなみにペッテリも平民衣装職人なので同じです」
ヤルノは毅然とした態度でそう言う。見た目チャラ男なのにめっちゃしっかりしてるよね、ヤルノって。でもさっきの独り言は素の話し方なのかな?そっちの方が楽なんだけど。
「ヤルノも自然体で良いのですよ?」
「いえ。私は公私をきちんと分ける性分でして。このままでいかせていただきます。ペッテリのが移って勝手に『エルネスティ様』とは呼ばせていただいておりますが」
「ああ、別に気にしてませんよ。寧ろ歓迎します」
偉いなヤルノ。見た目に反してめっちゃ真面目。ギャップが凄いな、色んな意味で。
「貴方方は夜番が多いのですよね?何か理由でもあるのですか?夜型ですとか」
「以前は早寝早起きが常識の優等生でしたよ~」
「夜更かし出来ない体質ッス!」
「俺は別に普通です」
3人はなんてことないようにそう答えたが、普通に考えておかしい。特に前者2人!夜遅くまで起きていられないのになんで夜番なんて任されてんの!?
夜番なんて負担が大きい割に仕事ぶりが周りに伝わりにくいからって忌み嫌われるんだよね!?普通隊員全員でローテーションするモンでしょ!?
俺の疑問に気づいたオリヴァは苦笑いを浮かべて肩を竦めた。
「身も蓋もない話、左遷ですよ」
「左遷ですか?まあ……その、アスモとサムエルは何となくわかりますが」
俺は失礼を承知でそう言うと、オリヴァは何故か少し得意気に胸を張った。どうした?いきなり。
「俺はアスモについてきました」
「何でです??」
やっべちょっと口調が乱れた。でも本気でなんで?左遷された人間について行くって何?
俺の口調に気づかなかったオリヴァはそれはもう世界で一番の勝ち組のようなドヤ顔を見せた。これが先程まで俺に対する他2人の態度を注意してた奴とか、信じたくないんだけど。やっぱ濃ゆいわ、この3人。
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