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人間関係が広がるお年頃
完全に平民な皇子
「おじさーん!ひとつくーださーいなー!」
「おお!坊主、兄貴と一緒に買い物か?」
「そうだよ!初めての帝都なんだ!」
「そうか!めいっぱい楽しめよ!ほら!オマケだ!」
「やった!ありがとうおじさん!」
「良いって良いって!また来いよ!」
俺は手を振るおじさんに全力で手を振り返した。ちなみに今はもうオリヴァとは手を離している。ヴァイナモとは未だに繋いでいるけど。離そうとしたらめっちゃシュンとなったから、離そうにも離せない。
「お兄さん!このお花綺麗だね!」
「そうだろう?この花はこの時期にしか咲かない珍しい品種なんだ。贈り物にはピッタリだよ。どうだい?誰かに買って行くかい?」
「買いたいけど、これからまだまだ買い物があるから、その間に萎れちゃいそう……」
「なら用事が済んでから買いに来ると良いよ。君の分は取っておいてあげるから」
「ホント!?お兄さん、ありがとう!」
「どういたしまして。買い物楽しんでおいで」
「うん!」
俺が笑顔で手を振ると、お兄さんも笑顔で振り返してくれた。俺は上機嫌でヴァイナモと繋いでいる手を前後に振る。
次はどの店に寄ろうかなと辺りを見回していると、ヴァイナモからぽつりと言葉が盛れた。
「……なんか凄く平民少年になりきってますね」
「違和感ありませんか?良かったです。ちょっと13歳にしては幼いかと思っていたので……」
「エルネスティ様は背が低いですから、実年齢より幼く見えます」
「小さいとは失礼ですね」
俺がムスッとジト目でヴァイナモを見ていると、オリヴァが難しい表情でコツンとヴァイナモの頭を叩いた。
「おい、お前ら。どこで誰が会話を聞いてるかわからねえから、口調は統一しろ」
「……そうだね。ごめん、リヴァ兄」
「……すまん」
オリヴァの指摘に俺とヴァイナモはハッとなって口を手で覆った。気を抜いていつもの口調に戻ってた。危ない危ない。
「……それと、サム。お前の歌声は特徴的だから、少し自重しろ」
「え~。歌ったら駄目ですかあ?」
「お前の歌声は目立つんだ」
「なら目立たない歌声なら良いんですね~」
サムエルはにっかりと笑って再び歌い出した。その歌声は普段とは別物で、素人にしては上手かな?程度のものに変わった。……凄いな。歌声を操作出来るんだ。
「……まあ許容範囲か。あまり変わった歌は歌うなよ。民謡とか、庶民的なものにしろ」
「注文が多いですね~。まあ今は帝国民謡を歌いたい気分なので構いませんがあ」
サムエルは不機嫌になることなく帝国民謡を歌い出した。歌にズカズカと注文つけて良いのか?って不安になったけど、今回は大丈夫だったみたい。オリヴァはサムエルの気分も読み取って指摘したようだ。流石先輩!後輩のこと良くわかってる!
俺が安堵し感心していると、ふととある違和感を覚えた。
「……ん?」
「どうした?エル」
「どこからか視線を感じた気がして……」
「……気のせいじゃないか?」
オリヴァは一瞬眉を顰めたが、すぐになんてことないように手を振った。俺は気のせいに思えなくて、辺りをキョロキョロと見回す。だが先程感じたような、人を値踏みするような視線はどこにもない。逃げたか?それとも気配を消したのか?
「いえ、一瞬でしたが絶対に感じました。今は跡形もなく消えていますが……」
「なら尚更気にする必要はねえよ。ほら、行くぞ!」
「ですが放っておいてもしものことになれば、貴方たちの責任になるのですよ?」
「そんなことならねえから安心しろ。そら、口調が戻ってるぞ」
「あっ、すみません……じゃなくて、ごめん」
オリヴァに上手く誤魔化されてしまい、これ以上言及出来なくなった。なんだ?どこからその自信が出てくるんだ?用心深いオリヴァが慢心とか有り得ないし。それなりの理由があるのか?
「そろそろ昼時だし、定食屋に行くか」
「えっ、あっ、うん。そうだね」
ヴァイナモにも露骨に話を逸らされ、俺は腑に落ちないままヴァイナモに引かれてその場を後にした。
* * *
丁度お昼時になった頃、俺たちは先程出会った定食屋のおばちゃんの店までやって来た。そのお店はお昼時で繁盛しており、おばちゃんが店中を忙しなく行ったり来たりしていた。
「おばちゃーん!約束通り来たよー!」
「ん?ああ!さっきの賑やかな四兄弟か!いらっしゃい!あっちの席が空いてるよ!」
俺の声に振り返ったおばちゃんはカラッと笑って奥の席を指差した。俺たちはそれに従ってその席に座る。すぐにおばちゃんがお冷とメニュー表を出してくれた。
「どうだい?帝都は楽しいかい?」
「うん!とっても楽しいよ!」
「そうかいそうかい!そりゃ良かった!アタシはこの街が好きでね!この街の良さを多くの人に知ってもらいたいのさ!」
「それじゃ帝都の良さが一番伝わるオススメのメニューは何ですか?」
「はっはっはっ。迷うねえ。ウチの店にはハズレ無しだと自負してるからねえ」
おばちゃんは嬉しそうに腕を組みながら考え込んだ。周りの客が食べているのを見るに、本当にどれも美味しそうだ。候補がありすぎてひとつに決まらないようである。
「そんじゃ俺は骨付き肉のステーキで」
「じゃあ僕はサラダパスタで~」
「……俺は白身魚のムニエルで」
メニュー表を見ていた他の3人が思い思いの注文をした。やけに品揃えが良いな。肉に魚にパスタって。てか3人の個性が出てるな。ヴァイナモは魚が好きなのかな?何時ぞやのパーティでも魚料理が美味しいって言ってたし。
てかみんな決めるの早くない!?俺未だにこんな迷ってんのに!
「え~みんな早いよ!どうしよう迷う!」
「そうだ!日替わり定食なんてどうだい?」
「日替わり定食?」
「そうさ!ウチの旦那が必要な食材仕入れる時に珍しい食材とかも一緒に買ってくるんだ。今日限定のレアなメニューだよ!何が出てくるかはお楽しみさ!」
「へー!じゃあそれで!」
色々迷って決められないからおばちゃんの言う日替わり定食とやらにした。何が出てくるかわからないとか、ちょっとワクワクするな!
「ふふっ。まいどありー!」
するとおばちゃんはニヤッと悪どい笑みを浮かべた。そして周りからは不憫なものを見る目を向けられる。えっ何!?なんか俺ヤバいことしちゃった!?
おばちゃんが厨房の方へ行くのを見送った後、隣の席のおじちゃんが顔を寄せてヒソヒソ声で説明してくれた。
「坊主……ここの日替わり定食は別名『珍料理定食』って呼ばれててな。基本的に売れなさそうなゲテモノ食材を使ってんだ……」
「えっ!?じゃあ俺……」
「ああ。まんまと嵌められたな。初見さんがよく受けるこの店の洗礼みたいなモンだ」
おじちゃんは気の毒そうに俺の頭をポンポン撫でた。なんてこった!おばちゃん良い人だと思っていたのに!騙された!
「良く話も聞かずに頼むからだぞ……」
オリヴァは呆れて溜息をつく。うっせーやい!見る限りどの料理も美味しそうだし、そこまで酷い料理は出ないでしょ!
「……いざとなったら料理交換してやるから」
ヴァイナモが心配そうにそう言ってくる。その優しさが今はいたたまれない。俺の迂闊さが原因だから、ちゃんと自分で全部食べるよ、ありがとう。
「~~♬~~♩~♯~~♮~~~~♪」
そしてマイペースに歌い続けるサムエル。もっと周りに興味持つべきじゃない??
「おお!坊主、兄貴と一緒に買い物か?」
「そうだよ!初めての帝都なんだ!」
「そうか!めいっぱい楽しめよ!ほら!オマケだ!」
「やった!ありがとうおじさん!」
「良いって良いって!また来いよ!」
俺は手を振るおじさんに全力で手を振り返した。ちなみに今はもうオリヴァとは手を離している。ヴァイナモとは未だに繋いでいるけど。離そうとしたらめっちゃシュンとなったから、離そうにも離せない。
「お兄さん!このお花綺麗だね!」
「そうだろう?この花はこの時期にしか咲かない珍しい品種なんだ。贈り物にはピッタリだよ。どうだい?誰かに買って行くかい?」
「買いたいけど、これからまだまだ買い物があるから、その間に萎れちゃいそう……」
「なら用事が済んでから買いに来ると良いよ。君の分は取っておいてあげるから」
「ホント!?お兄さん、ありがとう!」
「どういたしまして。買い物楽しんでおいで」
「うん!」
俺が笑顔で手を振ると、お兄さんも笑顔で振り返してくれた。俺は上機嫌でヴァイナモと繋いでいる手を前後に振る。
次はどの店に寄ろうかなと辺りを見回していると、ヴァイナモからぽつりと言葉が盛れた。
「……なんか凄く平民少年になりきってますね」
「違和感ありませんか?良かったです。ちょっと13歳にしては幼いかと思っていたので……」
「エルネスティ様は背が低いですから、実年齢より幼く見えます」
「小さいとは失礼ですね」
俺がムスッとジト目でヴァイナモを見ていると、オリヴァが難しい表情でコツンとヴァイナモの頭を叩いた。
「おい、お前ら。どこで誰が会話を聞いてるかわからねえから、口調は統一しろ」
「……そうだね。ごめん、リヴァ兄」
「……すまん」
オリヴァの指摘に俺とヴァイナモはハッとなって口を手で覆った。気を抜いていつもの口調に戻ってた。危ない危ない。
「……それと、サム。お前の歌声は特徴的だから、少し自重しろ」
「え~。歌ったら駄目ですかあ?」
「お前の歌声は目立つんだ」
「なら目立たない歌声なら良いんですね~」
サムエルはにっかりと笑って再び歌い出した。その歌声は普段とは別物で、素人にしては上手かな?程度のものに変わった。……凄いな。歌声を操作出来るんだ。
「……まあ許容範囲か。あまり変わった歌は歌うなよ。民謡とか、庶民的なものにしろ」
「注文が多いですね~。まあ今は帝国民謡を歌いたい気分なので構いませんがあ」
サムエルは不機嫌になることなく帝国民謡を歌い出した。歌にズカズカと注文つけて良いのか?って不安になったけど、今回は大丈夫だったみたい。オリヴァはサムエルの気分も読み取って指摘したようだ。流石先輩!後輩のこと良くわかってる!
俺が安堵し感心していると、ふととある違和感を覚えた。
「……ん?」
「どうした?エル」
「どこからか視線を感じた気がして……」
「……気のせいじゃないか?」
オリヴァは一瞬眉を顰めたが、すぐになんてことないように手を振った。俺は気のせいに思えなくて、辺りをキョロキョロと見回す。だが先程感じたような、人を値踏みするような視線はどこにもない。逃げたか?それとも気配を消したのか?
「いえ、一瞬でしたが絶対に感じました。今は跡形もなく消えていますが……」
「なら尚更気にする必要はねえよ。ほら、行くぞ!」
「ですが放っておいてもしものことになれば、貴方たちの責任になるのですよ?」
「そんなことならねえから安心しろ。そら、口調が戻ってるぞ」
「あっ、すみません……じゃなくて、ごめん」
オリヴァに上手く誤魔化されてしまい、これ以上言及出来なくなった。なんだ?どこからその自信が出てくるんだ?用心深いオリヴァが慢心とか有り得ないし。それなりの理由があるのか?
「そろそろ昼時だし、定食屋に行くか」
「えっ、あっ、うん。そうだね」
ヴァイナモにも露骨に話を逸らされ、俺は腑に落ちないままヴァイナモに引かれてその場を後にした。
* * *
丁度お昼時になった頃、俺たちは先程出会った定食屋のおばちゃんの店までやって来た。そのお店はお昼時で繁盛しており、おばちゃんが店中を忙しなく行ったり来たりしていた。
「おばちゃーん!約束通り来たよー!」
「ん?ああ!さっきの賑やかな四兄弟か!いらっしゃい!あっちの席が空いてるよ!」
俺の声に振り返ったおばちゃんはカラッと笑って奥の席を指差した。俺たちはそれに従ってその席に座る。すぐにおばちゃんがお冷とメニュー表を出してくれた。
「どうだい?帝都は楽しいかい?」
「うん!とっても楽しいよ!」
「そうかいそうかい!そりゃ良かった!アタシはこの街が好きでね!この街の良さを多くの人に知ってもらいたいのさ!」
「それじゃ帝都の良さが一番伝わるオススメのメニューは何ですか?」
「はっはっはっ。迷うねえ。ウチの店にはハズレ無しだと自負してるからねえ」
おばちゃんは嬉しそうに腕を組みながら考え込んだ。周りの客が食べているのを見るに、本当にどれも美味しそうだ。候補がありすぎてひとつに決まらないようである。
「そんじゃ俺は骨付き肉のステーキで」
「じゃあ僕はサラダパスタで~」
「……俺は白身魚のムニエルで」
メニュー表を見ていた他の3人が思い思いの注文をした。やけに品揃えが良いな。肉に魚にパスタって。てか3人の個性が出てるな。ヴァイナモは魚が好きなのかな?何時ぞやのパーティでも魚料理が美味しいって言ってたし。
てかみんな決めるの早くない!?俺未だにこんな迷ってんのに!
「え~みんな早いよ!どうしよう迷う!」
「そうだ!日替わり定食なんてどうだい?」
「日替わり定食?」
「そうさ!ウチの旦那が必要な食材仕入れる時に珍しい食材とかも一緒に買ってくるんだ。今日限定のレアなメニューだよ!何が出てくるかはお楽しみさ!」
「へー!じゃあそれで!」
色々迷って決められないからおばちゃんの言う日替わり定食とやらにした。何が出てくるかわからないとか、ちょっとワクワクするな!
「ふふっ。まいどありー!」
するとおばちゃんはニヤッと悪どい笑みを浮かべた。そして周りからは不憫なものを見る目を向けられる。えっ何!?なんか俺ヤバいことしちゃった!?
おばちゃんが厨房の方へ行くのを見送った後、隣の席のおじちゃんが顔を寄せてヒソヒソ声で説明してくれた。
「坊主……ここの日替わり定食は別名『珍料理定食』って呼ばれててな。基本的に売れなさそうなゲテモノ食材を使ってんだ……」
「えっ!?じゃあ俺……」
「ああ。まんまと嵌められたな。初見さんがよく受けるこの店の洗礼みたいなモンだ」
おじちゃんは気の毒そうに俺の頭をポンポン撫でた。なんてこった!おばちゃん良い人だと思っていたのに!騙された!
「良く話も聞かずに頼むからだぞ……」
オリヴァは呆れて溜息をつく。うっせーやい!見る限りどの料理も美味しそうだし、そこまで酷い料理は出ないでしょ!
「……いざとなったら料理交換してやるから」
ヴァイナモが心配そうにそう言ってくる。その優しさが今はいたたまれない。俺の迂闊さが原因だから、ちゃんと自分で全部食べるよ、ありがとう。
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