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動き出す時
新興宗教団体エンケリ教
とりあえず、彼らから事の経緯を説明してもらった。
どうやらペッテリがエンケリ教を開宗したのではなく、あくまでペッテリの自論に共感した人々が集まってエンケリ教を開宗し、勝手にペッテリを開祖として崇めているだけらしい。なんて迷惑な。そんな怪しい宗教の教祖に勝手に祭り上げられるって何それ恐怖。これは厳しく叱っておかなくては。
そもそもエンケリ教とは何ぞや?と尋ねると、なんでも帝都の大教会にある天使の宗教画、その中央に描かれた大天使を信仰する新興宗教だそうだ。大天使を信仰するのは100%ペッテリの影響だ。一応あの大天使は大陸で広く信仰されている、この世界の創造神の眷属みたいな存在なんだけどな……。ある意味宗派なのか?いやでも創造神の前で大天使を信仰するのは駄目か。なら別の宗教って考えた方が良いか。……わからん!
彼らはペッテリの教えを経典みたいなものにして、大天使様に祈りを捧げることで現世利益を求めている。しかし、大教会は平民が滅多に入れる場所ではない。彼らは大天使を見たことがある人の話を聞いて回って、今は代用品を作ってそれに祈りを捧げているそうだ。携帯用の小さな宗教画をライラに見せて貰ったが、めちゃくちゃ再現度が高かった。その執念素晴らしいと思うよ(棒)
でもやはり本物の大天使様を拝みたいと思うのは当然の摂理。彼らは大教会側に対して、大教会の自由開放を求めたらしい。大教会って我が国の宗教の中心地だからお偉いさんもうようよいるのに、大胆な行動に出たな!?
まあでも平民の直訴を大教会側が受け入れるはずもなく。必死の訴えをにべもなく却下されたそうだ。そしてこれ以上騒ぐと騎士を呼ぶぞ、と脅され渋々引き下がったそうだ。まあだろうな。大教会は格をつけることで貴族から寄付金をせしめて……ゲフンゲフン、貰っているから、平民なんぞのために価値を下げてたまるかって思うだろうな。
それでも諦めきれずに何とか開放する方法がないかと模索している最中、俺がこの宿に泊まることになったらしい。それを聞いた彼らが「皇子殿下様って国の偉い人だよな?ならその人に直接訴えたらワンチャンあるんじゃね?」って考えたそうだ。いや皇族は宗教信仰にはノータッチだから、俺に言われても困るんだけど。まあ彼らがそんなこと知ってる訳ないか。
堂々と直談判したらまた騎士を呼ぶと脅されるかもしれない。そう考えた彼らはわざと俺と護衛騎士の部屋を離して、夜こっそり俺と話が出来るようにしたらしい。そして交渉は本人の強い希望でクスターがすることになり、もしもの時に他の関係者まで巻き込まないよう、ライラは自室で待機することになったそうだ。
ちなみに昼間のライラは毅然としていたが、内心自分の首を落とされないかヒヤヒヤで、生きた心地がしなかったらしい。でも流石高級宿泊施設の従業員。顔色ひとつ変えず対応するとは。
閑話休題。
絶対大教会を開放させてやるって意気込んで来たクスターは扉の前の騎士に止められる。俺に話があると言ったが、甲冑姿が怪しすぎたので騎士2人が断固として拒否。痺れを切らしたクスターが騎士2人の顔を、水魔法で作り出した水の球体で覆って窒息させたそうだ。……ってそれめちゃくちゃ危険じゃん!?騎士2人は大丈夫!?
俺は話を中断してオリヴァの元へ駆け寄った。幸い命に別状はないそうだ。俺はホッと胸を撫で下ろした後、再度クスターを捕縛魔法で絞めあげた。ギチギチと音が鳴り、クスターが「痛い痛い痛い!」と叫んだので、俺は直ぐに魔法を解いた。
「何しやがる!」
「いえ。私の護衛騎士を命の危険に晒したので罰を与えようかと」
「何も絞めあげることはないだろ!」
「では貴方は公務執行妨害で牢屋行きの方が良かったですか?一時の痛みだけで長期間の苦痛を免除された方が貴方にとっては良いと思ったのですが」
抗議するクスターに俺が笑顔で事実を伝えた。するとクスターはギョッと目を見開いて固まった。当たり前だ。騎士は皇族の護衛と言う公務を執行するのを妨害されたのだ。しかも俺は皇帝の勅命を受けている。その私を妨害するのであれば、即ち父上に仇なすのと同義。そうなってしまえば本気で首チョンパを覚悟しないといけない。
ただでさえ睡眠を妨害されて凄く眠たいのに……。駄目だそのことを考えたら眠気が……。
「……ふわあ……」
「エルネスティ様、大丈夫ですか?詳しい話は明日にして、今日はお休みになりますか?」
「……大丈夫です。まだ起きてられます」
俺は欠伸を噛み殺してギュッと枕を抱きしめ直した。眠たいけど、せめて話は聞いとかないと。
「……それで?貴方は他の罰がお望みで?」
「……いえ……寛大なお心に感謝致します……」
「よろしい。……では話の続きを」
クスターはすっかり弱気になって話を続けた。
クスターは騎士を気絶させた後、扉をノックした。だけど中から返事がない。聞こえないのかと思ってもう一度ノックしたが、やはり返事がない。これはきっと聞こえているのに無視しているのだ、と勘違いしたクスターは「そこまでして大天使様を独占したいか!」とよくわからない結論を導き出して激怒。扉をガンガンノックして抗議したそうだ。
いや俺は眠たいんだよ。眠りかけてたんだよ。そんな直ぐに頭働かねえよわかれよ。
それはライラも思ったらしく、「就寝時間なんだから寝てるって考えろやこのボンクラカス!」とクスターに容赦なくアッパーをくらわせていた。ライラさーん暴力は程々にねー(棒)
そんなこんなでバンバン扉叩いていたら、いきなり後頭部に衝撃が走って、いつの間にか部屋の中で伸びていたとか。ヴァイナモ曰く「自分で言うのもなんですが、綺麗な飛び蹴りが決まったと思います」とのこと。走って来た勢いで飛び蹴りかー痛いだろうなー。
一方その頃ライラはクスターが何かやらかしてないか心配でこっそり様子を見に来たそうだ。そして部屋の前で倒れている騎士を発見。更にクスターの怒鳴り声が聞こえて来たので、クスターが何かやらかしたと確信したライラはクスターを庇おうと駆けつけて、あまりにもクスターが馬鹿だったから蹴りを入れた、と。
……まあ今回は俺に害を成そうとしていた訳ではないから、これ以上のお咎めは不必要かな。クスターも事実を話したら大人しくなってくれたし。
「なるほど。話はわかりました。まあ今回はヴァイナモとライラの蹴りに免じて、クスターにこれ以上の処罰は行いません」
「ありがとうございます、ありがとうございます……!」
「……ありがとうございます……」
2人は心の底から安堵した声でお礼を言う。クスターも、やっと自分のやらかした事の重大さに気づいたようだ。
あっ。そうだ。最後にこれを聞いておこう。
「お2人はどこでペッテリと出会ったのですか?」
「私はこの宿です。ここはアウッティ商会の傘下なので」
「……俺はアウッティ商会本部で……です。俺はそこの財務部で会計士をしているので」
「……会計士?」
俺は信じられなくてクスターを凝視した。どう見ても力仕事してそうな体格なんだが?計算苦手そうだが?
「この馬鹿、計算だけは得意なので。別名『計算機』です」
甲冑男が電卓人間だっただと!?
* * * * * * * * *
2020/08/31
一部誤字を修正しました。
どうやらペッテリがエンケリ教を開宗したのではなく、あくまでペッテリの自論に共感した人々が集まってエンケリ教を開宗し、勝手にペッテリを開祖として崇めているだけらしい。なんて迷惑な。そんな怪しい宗教の教祖に勝手に祭り上げられるって何それ恐怖。これは厳しく叱っておかなくては。
そもそもエンケリ教とは何ぞや?と尋ねると、なんでも帝都の大教会にある天使の宗教画、その中央に描かれた大天使を信仰する新興宗教だそうだ。大天使を信仰するのは100%ペッテリの影響だ。一応あの大天使は大陸で広く信仰されている、この世界の創造神の眷属みたいな存在なんだけどな……。ある意味宗派なのか?いやでも創造神の前で大天使を信仰するのは駄目か。なら別の宗教って考えた方が良いか。……わからん!
彼らはペッテリの教えを経典みたいなものにして、大天使様に祈りを捧げることで現世利益を求めている。しかし、大教会は平民が滅多に入れる場所ではない。彼らは大天使を見たことがある人の話を聞いて回って、今は代用品を作ってそれに祈りを捧げているそうだ。携帯用の小さな宗教画をライラに見せて貰ったが、めちゃくちゃ再現度が高かった。その執念素晴らしいと思うよ(棒)
でもやはり本物の大天使様を拝みたいと思うのは当然の摂理。彼らは大教会側に対して、大教会の自由開放を求めたらしい。大教会って我が国の宗教の中心地だからお偉いさんもうようよいるのに、大胆な行動に出たな!?
まあでも平民の直訴を大教会側が受け入れるはずもなく。必死の訴えをにべもなく却下されたそうだ。そしてこれ以上騒ぐと騎士を呼ぶぞ、と脅され渋々引き下がったそうだ。まあだろうな。大教会は格をつけることで貴族から寄付金をせしめて……ゲフンゲフン、貰っているから、平民なんぞのために価値を下げてたまるかって思うだろうな。
それでも諦めきれずに何とか開放する方法がないかと模索している最中、俺がこの宿に泊まることになったらしい。それを聞いた彼らが「皇子殿下様って国の偉い人だよな?ならその人に直接訴えたらワンチャンあるんじゃね?」って考えたそうだ。いや皇族は宗教信仰にはノータッチだから、俺に言われても困るんだけど。まあ彼らがそんなこと知ってる訳ないか。
堂々と直談判したらまた騎士を呼ぶと脅されるかもしれない。そう考えた彼らはわざと俺と護衛騎士の部屋を離して、夜こっそり俺と話が出来るようにしたらしい。そして交渉は本人の強い希望でクスターがすることになり、もしもの時に他の関係者まで巻き込まないよう、ライラは自室で待機することになったそうだ。
ちなみに昼間のライラは毅然としていたが、内心自分の首を落とされないかヒヤヒヤで、生きた心地がしなかったらしい。でも流石高級宿泊施設の従業員。顔色ひとつ変えず対応するとは。
閑話休題。
絶対大教会を開放させてやるって意気込んで来たクスターは扉の前の騎士に止められる。俺に話があると言ったが、甲冑姿が怪しすぎたので騎士2人が断固として拒否。痺れを切らしたクスターが騎士2人の顔を、水魔法で作り出した水の球体で覆って窒息させたそうだ。……ってそれめちゃくちゃ危険じゃん!?騎士2人は大丈夫!?
俺は話を中断してオリヴァの元へ駆け寄った。幸い命に別状はないそうだ。俺はホッと胸を撫で下ろした後、再度クスターを捕縛魔法で絞めあげた。ギチギチと音が鳴り、クスターが「痛い痛い痛い!」と叫んだので、俺は直ぐに魔法を解いた。
「何しやがる!」
「いえ。私の護衛騎士を命の危険に晒したので罰を与えようかと」
「何も絞めあげることはないだろ!」
「では貴方は公務執行妨害で牢屋行きの方が良かったですか?一時の痛みだけで長期間の苦痛を免除された方が貴方にとっては良いと思ったのですが」
抗議するクスターに俺が笑顔で事実を伝えた。するとクスターはギョッと目を見開いて固まった。当たり前だ。騎士は皇族の護衛と言う公務を執行するのを妨害されたのだ。しかも俺は皇帝の勅命を受けている。その私を妨害するのであれば、即ち父上に仇なすのと同義。そうなってしまえば本気で首チョンパを覚悟しないといけない。
ただでさえ睡眠を妨害されて凄く眠たいのに……。駄目だそのことを考えたら眠気が……。
「……ふわあ……」
「エルネスティ様、大丈夫ですか?詳しい話は明日にして、今日はお休みになりますか?」
「……大丈夫です。まだ起きてられます」
俺は欠伸を噛み殺してギュッと枕を抱きしめ直した。眠たいけど、せめて話は聞いとかないと。
「……それで?貴方は他の罰がお望みで?」
「……いえ……寛大なお心に感謝致します……」
「よろしい。……では話の続きを」
クスターはすっかり弱気になって話を続けた。
クスターは騎士を気絶させた後、扉をノックした。だけど中から返事がない。聞こえないのかと思ってもう一度ノックしたが、やはり返事がない。これはきっと聞こえているのに無視しているのだ、と勘違いしたクスターは「そこまでして大天使様を独占したいか!」とよくわからない結論を導き出して激怒。扉をガンガンノックして抗議したそうだ。
いや俺は眠たいんだよ。眠りかけてたんだよ。そんな直ぐに頭働かねえよわかれよ。
それはライラも思ったらしく、「就寝時間なんだから寝てるって考えろやこのボンクラカス!」とクスターに容赦なくアッパーをくらわせていた。ライラさーん暴力は程々にねー(棒)
そんなこんなでバンバン扉叩いていたら、いきなり後頭部に衝撃が走って、いつの間にか部屋の中で伸びていたとか。ヴァイナモ曰く「自分で言うのもなんですが、綺麗な飛び蹴りが決まったと思います」とのこと。走って来た勢いで飛び蹴りかー痛いだろうなー。
一方その頃ライラはクスターが何かやらかしてないか心配でこっそり様子を見に来たそうだ。そして部屋の前で倒れている騎士を発見。更にクスターの怒鳴り声が聞こえて来たので、クスターが何かやらかしたと確信したライラはクスターを庇おうと駆けつけて、あまりにもクスターが馬鹿だったから蹴りを入れた、と。
……まあ今回は俺に害を成そうとしていた訳ではないから、これ以上のお咎めは不必要かな。クスターも事実を話したら大人しくなってくれたし。
「なるほど。話はわかりました。まあ今回はヴァイナモとライラの蹴りに免じて、クスターにこれ以上の処罰は行いません」
「ありがとうございます、ありがとうございます……!」
「……ありがとうございます……」
2人は心の底から安堵した声でお礼を言う。クスターも、やっと自分のやらかした事の重大さに気づいたようだ。
あっ。そうだ。最後にこれを聞いておこう。
「お2人はどこでペッテリと出会ったのですか?」
「私はこの宿です。ここはアウッティ商会の傘下なので」
「……俺はアウッティ商会本部で……です。俺はそこの財務部で会計士をしているので」
「……会計士?」
俺は信じられなくてクスターを凝視した。どう見ても力仕事してそうな体格なんだが?計算苦手そうだが?
「この馬鹿、計算だけは得意なので。別名『計算機』です」
甲冑男が電卓人間だっただと!?
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2020/08/31
一部誤字を修正しました。
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