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動き出す時
懐かしい夢
俺は見覚えのある、懐かしい公園のベンチに座っていた。満開の桜が風に揺れて花びらを散らしていくのを長めながら、俺はぼんやりと誰かを待っていた。
待っていると言っても約束をしている訳ではない。俺は自分のスマホを持ってる訳ではないから、連絡手段がないのだ。
いつものようにあの子を待つ。週末は毎週のようにここで待っていたはずなのに、何故か酷く懐かしい気がした。もっと言えば、この公園に来るのすら久しぶりな気がした。更に言えば、桜すら久しい気がした。毎日のように出かける俺なら、開花する過程を見ているはずなのに。何故だろう。
「あっ!おはよう!」
ぼんやりと桜が散るのを見ながら疑問に思っていると、鈴のように軽く可愛らしい声で挨拶された。俺は期待に満ちた表情で振り向く。そこには俺と同い年の黒髪ロングの女子高生がいた。
「おはよう」
俺は最近声変わりした声でそう挨拶を返す。彼女とは毎週のように会っているが、お互いに名前は知らない。知っているのは彼女がこの公園の前にある精神病院へ通院していることと、彼女がとある殺人事件の関係者であることぐらいだった。
俺は彼女が好きだった。それに気づいたのは、彼女が亡くなった後だったけど。
……あれ?何言ってんだ?彼女は目の前にいるじゃないか。死んでないじゃないか。なんでそんな不謹慎なこと考えてんだ?
「ごめんね、待った?ちょっと先生との話が長引いちゃって」
「ううん。全然」
彼女はいつものように俺の隣に腰掛けた。いつもはそれだけで胸がドキドキするのに、何故か今は虚しく感じるだけだった。
「どうしたの?なんかぼんやりしてるよ?」
「……う~ん。なんか違和感があるんだよね」
「違和感って?」
「……わかんない」
心配そうに覗き込んで来る彼女の瞳に、今日は翡翠色じゃないんだ、と思った。なんで?彼女が日本人によくある焦げ茶色の瞳をしているのは、俺もよく知っているのに。どこからそんな西洋人みたいな色の瞳を連想したんだ?
__エルネスティ様。
翡翠色の瞳を真っ直ぐ向けて俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。いやいや、待って。俺はエル……エルネスティ?なんて仰々しい名前じゃないから。一般的な日本人男性の名前だから。それに『様』なんてつけられるの、ガラじゃないし。
彼女は首を傾げていたが、空気を変えるように手を一回叩いた。
「……なんかよくわからないけど、多分疲れてるんだよ!とりあえず気分を切り替えよう!」
「……そうだね。今日は何の話をする?」
「えっとね~、最近学校で何あった?」
「最近、学校で……?」
俺は最近の学校での出来事を思い起こそうとした。だけど何故か靄がかかったかのように思い出すことが出来ない。それどころか『学校』と言う響きすら酷く懐かしくて、俺に対して違和感のある言葉に感じた。俺はまだ学園に入学してないのに、なんて有り得ない考えすら頭を過ぎった。学園って何だよ私立学校かよ。俺ん家は私立に行く経済的余裕なんてないぞ。
黙り込む俺に彼女は質問を変えた。
「……学校で何もなかったなら、どんなことでもいいから。家で何をやったのかとか、どこに出かけたのかとか」
家で何をしてたって、魔法陣研究ぐらいしかしてないけど。出かけたと言えば、今は確かサルメライネン伯爵領に来てるんだったな。
……魔法陣研究?サルメライネン?伯爵?
__エルネスティ様!
目の前が大きく揺れた。それと同時に今までいた空間がぼろぼろと崩れ落ちていく。
……思い出した。ここはもう、俺の居場所じゃない。ここはもう過去の……前世の場所だ。
「……戻るんだね。元の世界に」
彼女は寂しそうにそう告げた。俺は崩れ落ちていく世界の中で、これだけは聞かないといけないことを彼女に問いかけた。
「……なんで!君がここにいるの!?」
彼女はキョトンとして、少し考える素振りを見せた。そしてその後にっこりといい笑顔になって、口を開く。
「何でだろうね?……貴方を恨んで化けて出た、とかだったら貴方はどうする?」
無邪気に残酷なことを言う彼女に俺は絶望と少しの安堵を感じながら、俺は空間の闇に落ちて行った。
* * *
目を覚ますと、俺は別荘のベッドの上にいた。
「あっ!殿下!目を覚まされたのですね!」
ドアの付近で警備していた護衛騎士が安堵の溜息をつく。そして直ぐに扉の向こうにいる護衛騎士に俺が目を覚ましたことを伝えた。扉の向こうの騎士は大袈裟に喜んだ後、ドタバタと慌ただしくその知らせを他の騎士にも伝えに走った。
ぞろぞろと護衛騎士の面々が俺のベッドの周りに集まって来る。えっ!?そんな大層なことじゃないでしょ!?ちょっと疲れて寝てただけでしょ!?
「あの……皆さんどうしたのですか……?」
「それはこちらの台詞です!丸2日も眠り続けられたので、私たちはもう殿下がお目覚めにならないのではないかとヒヤヒヤだったのですよ!」
「えっ!?丸2日!?」
俺は思わず素っ頓狂な声を出して驚いた。えっ?なんでそんな爆睡してんの!?俺ってそんなに疲れてたの!?冗談か何か!?違うよね!?
「エルネスティ様!」
衝撃の事実に戦慄としていると、ヴァイナモが部屋に飛び込んで来た。そして俺の枕元に片膝をついたかと思えば、俺の手を握ってヴァイナモの額に近づける。
「良かった……!このまま目を覚まされなければと思えば不安で夜も寝られず……!」
ヴァイナモが涙目で俺を見つめ返して来た。よく見ると目の下に隈が出来ている。本当に眠れなかったのだろう。なんか凄く申し訳ないな。疲れただけで丸2日も泥のように眠ってヴァイナモを心配させるだなんて。
俺はポンポンとヴァイナモの頭を撫でてやった。もう心配はいらないよ、と伝えるために。でもヴァイナモは悲痛に表情を歪めるばかりで、逆効果だったようだ。
「……すみません。俺が軽率に森を探索しようと言ったばかりに」
「えっ!?いえいえ!私が 規格外に体力がなかっただけであって、ヴァイナモが悪い訳では……」
「……いえ。俺が悪いんです。俺がそれを考慮しきれず、俺基準で物事を考えていたので……」
ヴァイナモは語尾を窄めて猛反省した。ああもう!ヴァイナモが気にすべきことじゃないのに!俺が悪いのに!絶対体力を増量して、もう二度とこんなヘマしでかさないようにしなきゃ!ヴァイナモ、俺になんかあったら直ぐ自分自身を責めてしまうから!気をつけないと!
「……それにしても、たかが半日森を探索しただけで丸2日も寝込むなんて、どれだけ私には体力がないのですか……」
「……そうですね。帝都に戻ったら団長に相談してみましょう。由々しき問題です」
「ですよね……はあ」
俺が落胆の溜息をつくと、ヴァイナモは複雑そうな表情を見せた。何か言いたいことがあるけど、言えないみたいな。なんだろ?俺に隠しごと?……はないか。ヴァイナモなら何かあったら直ぐに俺に伝えてくれるし。
「……あの、殿下。ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか」
ヴァイナモが落ち着いた頃、護衛騎士の一人が緊張の面持ちで一歩前に出たので、俺はキョトンとしつつも了承した。聞きたいこと?なんだろ。
「……お眠りになっている間、どのような夢をご覧になっていたのですか?」
「……夢?」
「私が護衛している時、殿下は魘されていました。……そして頻りに許しを乞うていられましたから」
待っていると言っても約束をしている訳ではない。俺は自分のスマホを持ってる訳ではないから、連絡手段がないのだ。
いつものようにあの子を待つ。週末は毎週のようにここで待っていたはずなのに、何故か酷く懐かしい気がした。もっと言えば、この公園に来るのすら久しぶりな気がした。更に言えば、桜すら久しい気がした。毎日のように出かける俺なら、開花する過程を見ているはずなのに。何故だろう。
「あっ!おはよう!」
ぼんやりと桜が散るのを見ながら疑問に思っていると、鈴のように軽く可愛らしい声で挨拶された。俺は期待に満ちた表情で振り向く。そこには俺と同い年の黒髪ロングの女子高生がいた。
「おはよう」
俺は最近声変わりした声でそう挨拶を返す。彼女とは毎週のように会っているが、お互いに名前は知らない。知っているのは彼女がこの公園の前にある精神病院へ通院していることと、彼女がとある殺人事件の関係者であることぐらいだった。
俺は彼女が好きだった。それに気づいたのは、彼女が亡くなった後だったけど。
……あれ?何言ってんだ?彼女は目の前にいるじゃないか。死んでないじゃないか。なんでそんな不謹慎なこと考えてんだ?
「ごめんね、待った?ちょっと先生との話が長引いちゃって」
「ううん。全然」
彼女はいつものように俺の隣に腰掛けた。いつもはそれだけで胸がドキドキするのに、何故か今は虚しく感じるだけだった。
「どうしたの?なんかぼんやりしてるよ?」
「……う~ん。なんか違和感があるんだよね」
「違和感って?」
「……わかんない」
心配そうに覗き込んで来る彼女の瞳に、今日は翡翠色じゃないんだ、と思った。なんで?彼女が日本人によくある焦げ茶色の瞳をしているのは、俺もよく知っているのに。どこからそんな西洋人みたいな色の瞳を連想したんだ?
__エルネスティ様。
翡翠色の瞳を真っ直ぐ向けて俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。いやいや、待って。俺はエル……エルネスティ?なんて仰々しい名前じゃないから。一般的な日本人男性の名前だから。それに『様』なんてつけられるの、ガラじゃないし。
彼女は首を傾げていたが、空気を変えるように手を一回叩いた。
「……なんかよくわからないけど、多分疲れてるんだよ!とりあえず気分を切り替えよう!」
「……そうだね。今日は何の話をする?」
「えっとね~、最近学校で何あった?」
「最近、学校で……?」
俺は最近の学校での出来事を思い起こそうとした。だけど何故か靄がかかったかのように思い出すことが出来ない。それどころか『学校』と言う響きすら酷く懐かしくて、俺に対して違和感のある言葉に感じた。俺はまだ学園に入学してないのに、なんて有り得ない考えすら頭を過ぎった。学園って何だよ私立学校かよ。俺ん家は私立に行く経済的余裕なんてないぞ。
黙り込む俺に彼女は質問を変えた。
「……学校で何もなかったなら、どんなことでもいいから。家で何をやったのかとか、どこに出かけたのかとか」
家で何をしてたって、魔法陣研究ぐらいしかしてないけど。出かけたと言えば、今は確かサルメライネン伯爵領に来てるんだったな。
……魔法陣研究?サルメライネン?伯爵?
__エルネスティ様!
目の前が大きく揺れた。それと同時に今までいた空間がぼろぼろと崩れ落ちていく。
……思い出した。ここはもう、俺の居場所じゃない。ここはもう過去の……前世の場所だ。
「……戻るんだね。元の世界に」
彼女は寂しそうにそう告げた。俺は崩れ落ちていく世界の中で、これだけは聞かないといけないことを彼女に問いかけた。
「……なんで!君がここにいるの!?」
彼女はキョトンとして、少し考える素振りを見せた。そしてその後にっこりといい笑顔になって、口を開く。
「何でだろうね?……貴方を恨んで化けて出た、とかだったら貴方はどうする?」
無邪気に残酷なことを言う彼女に俺は絶望と少しの安堵を感じながら、俺は空間の闇に落ちて行った。
* * *
目を覚ますと、俺は別荘のベッドの上にいた。
「あっ!殿下!目を覚まされたのですね!」
ドアの付近で警備していた護衛騎士が安堵の溜息をつく。そして直ぐに扉の向こうにいる護衛騎士に俺が目を覚ましたことを伝えた。扉の向こうの騎士は大袈裟に喜んだ後、ドタバタと慌ただしくその知らせを他の騎士にも伝えに走った。
ぞろぞろと護衛騎士の面々が俺のベッドの周りに集まって来る。えっ!?そんな大層なことじゃないでしょ!?ちょっと疲れて寝てただけでしょ!?
「あの……皆さんどうしたのですか……?」
「それはこちらの台詞です!丸2日も眠り続けられたので、私たちはもう殿下がお目覚めにならないのではないかとヒヤヒヤだったのですよ!」
「えっ!?丸2日!?」
俺は思わず素っ頓狂な声を出して驚いた。えっ?なんでそんな爆睡してんの!?俺ってそんなに疲れてたの!?冗談か何か!?違うよね!?
「エルネスティ様!」
衝撃の事実に戦慄としていると、ヴァイナモが部屋に飛び込んで来た。そして俺の枕元に片膝をついたかと思えば、俺の手を握ってヴァイナモの額に近づける。
「良かった……!このまま目を覚まされなければと思えば不安で夜も寝られず……!」
ヴァイナモが涙目で俺を見つめ返して来た。よく見ると目の下に隈が出来ている。本当に眠れなかったのだろう。なんか凄く申し訳ないな。疲れただけで丸2日も泥のように眠ってヴァイナモを心配させるだなんて。
俺はポンポンとヴァイナモの頭を撫でてやった。もう心配はいらないよ、と伝えるために。でもヴァイナモは悲痛に表情を歪めるばかりで、逆効果だったようだ。
「……すみません。俺が軽率に森を探索しようと言ったばかりに」
「えっ!?いえいえ!私が 規格外に体力がなかっただけであって、ヴァイナモが悪い訳では……」
「……いえ。俺が悪いんです。俺がそれを考慮しきれず、俺基準で物事を考えていたので……」
ヴァイナモは語尾を窄めて猛反省した。ああもう!ヴァイナモが気にすべきことじゃないのに!俺が悪いのに!絶対体力を増量して、もう二度とこんなヘマしでかさないようにしなきゃ!ヴァイナモ、俺になんかあったら直ぐ自分自身を責めてしまうから!気をつけないと!
「……それにしても、たかが半日森を探索しただけで丸2日も寝込むなんて、どれだけ私には体力がないのですか……」
「……そうですね。帝都に戻ったら団長に相談してみましょう。由々しき問題です」
「ですよね……はあ」
俺が落胆の溜息をつくと、ヴァイナモは複雑そうな表情を見せた。何か言いたいことがあるけど、言えないみたいな。なんだろ?俺に隠しごと?……はないか。ヴァイナモなら何かあったら直ぐに俺に伝えてくれるし。
「……あの、殿下。ひとつお伺いしてもよろしいでしょうか」
ヴァイナモが落ち着いた頃、護衛騎士の一人が緊張の面持ちで一歩前に出たので、俺はキョトンとしつつも了承した。聞きたいこと?なんだろ。
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